~異次元大会~作者と愉快な仲間たち(乱入者視点) 作:バトルマニア(作者)
遠くから数にして100を超える敵が見え、作者は咄嗟に相手から情報を抜き出していた。
「戦闘員∞ね。能力は、無限増殖、負傷写し、削減呪で現在は125名と。本体は見えないな。身体能力は大したことないが、面倒な敵だ」
「呪い系か。嫌な力場してやがるぜ」
相手の大体を把握し、嫌な顔をする二人。こういう生存に特化した嫌がらせ能力はいくらでも見てきたし相手もしてきたが、それでもめんどくさいと感じざるにはいられなかった。
「ま、対処法はいくらでもある」
「だな。相手はしたくないが」
そう言った二人は、瞬動で一気に距離を詰め、前線にいた十数人を蹴散らす。
「チッ!端の方は間に合わんか!」
「呪いも思った以上に面倒だな!」
戦闘員∞から溢れ出す呪いを退け、弾き、襲い掛かってくる戦闘員∞を斬り飛ばし吹き飛ばす。
「っ!?こいつ!」
「さっそくか!」
だが戦闘員∞も負けておらず、間に合う範囲で“負傷写し”を使い増え続ける分体にダメージを押し付け、強引に突破しようと攻撃を仕掛け続けていた。
「どうする?一瞬で数十体倒せても、それと同等の速度で植え続けるんだが!」
「呪いも厄介だしな!増え続けると対処に困る!」
増えることに専念している部分があり、このままいけば確実に物量に押し潰される。
「弱いだけに簡単に呪いばら撒くな!」
「ごもっともだ!この調子だとやりきる前に呪いを防ぎきれないかもな!」
いくらチマチマとした呪いでも、数さえそろえば恐ろしい脅威になる。そして削減呪の対処をしながら戦うという事は……
「ちっ!?突破されるか!」
「減らねぇどころか増えてんだから当然だろ!」
手が回らなくなり、危ない場面が出てくる。特攻してくる奴らに遠距離からの銃撃や手榴弾、その他様々な軍人や傭兵が使いそうな武器や戦術で攻め立ててくる戦闘員∞は、少しづつ二人を追い詰めていた。
「一旦盛り上げて焼き払うぞ!」
「じゃあ俺は狙い撃ちさせた貰おう!」
作者が札を使い塔のように地面無作為かつ大規模に盛り上がらせ、それを覆いつくす程の大火炎が下層部を焼き払う。それと同時に鈴木が、負傷写しで耐えて追撃を仕掛けようとしてくる奴らを丁寧かつ一瞬で撃ち抜いて殺していた。
「やっぱムラがある攻撃は即座に負傷写しで耐えられるな。俺の手札大体通じないんだが?」
「近づいて能力を妨害して殺すしかないな。幸いあっちは一人ひとりにはあまり執着がないみたいだしよ」
何百を超え、何千と言う単位で殺し続けるが減る気配がない。削減呪もどうにかして二人の中へ入り込もうと、視界を埋め尽くし濃くなり始めていた。これでは感知の方にも影響が出るなとため息をつく。
「そうでないだろ。代償ありきで言うならいけるはずだ」
「そりゃこの状況を一瞬で解決する手もあるが、流石にコストに合わねぇよ」
技札は貴重だからあまり使いたくないのだ。所謂エリクサー症候群である。それに実力を超えた技や格上の技は反動が大きい。
「同格でも数分。格上だと相性が良くても一分だ。侵食の事もあるし死にかけなきゃごめんだな」
「格上だったら一分もあれば全滅できるだろ。ものによっちゃあいつらどころか、ここ一帯の参加者消し飛ぶぞ。やめた方がいいな」
他人の現身を使う手もあるが、こちらも負荷が大きく最悪乗っ取られることもあるので嫌なのだ。そうでなくても、感じる感じないにかかわらずどこかが歪んでしまう。
「だろ?魔魅さんも何言ってくるかわからんし……っと、で、あいつらどうする?」
「上ってくるも銃撃も諦めて、しかもワザと焼死して呪い飛ばしてくるな」
地形的に届かないのであれば、殺され続けて相手が動けなくなるまで弱らせようという魂胆なのだろう。
「ま、よじ登っても跳んできても撃ち落されるんだから当然か。数なんていくらでも増やせるんだから」
「あの身体能力でよく大会参加しようと思ったよな。能力なかったら最初の範囲攻撃で全滅してるだろうし」
戦闘員∞の身体能力は、正式参加している参加者の中で最低値と言っていいほど低かった。こちらに来て超人レベルで強化されているとはいえ、一人一人は作者に瞬殺される程度の実力だ。あちらでの一般人の子供たちよりかはマシ程度のものでしかない。
「こんなんでも一般流を覚えれば戦力になるのか」
「多少厄介にはなるだろうな。ま、それでも届かないだろうが」
因みに身体能力が最弱でも一般流を覚えれば、それなりの戦力になる。だがそれでも元の差が大きすぎると多少で終わってしまうのだ。なんせ一般流は誰でも使えるので、身体能力が高くて一般流を使う熟す奴が、作者たちの中では当たり前になっているからだ。真面にやり合うには、同じ技量で相手に近い身体能力か、ギリギリ追いつける身体能力と圧倒的な技量が必要になる。
「っと、多分万も超えたな。もうそろそろいいだろ」
「何する気だ?」
作者は、属性札と強化札を取り出し、大空を埋め尽くす雷を作り出し、一瞬にして生き残っている戦闘員∞を感電死させる。勿論完全に殺し切れたわけではなく、生き残った一部がまた増えて二人の元へと向かおうと足を動かしていた。
「しぶといな。てかそれ元からそう作っとけばよくね?」
「いやいや、そうだと日常じゃ使えんだろ。使い分けも面倒だし、組み合わせの方が楽なんだよ」
鈴木に突っ込まれるが、これでいいのだ。なぜなら日常でも使えるレベルでの汎用性を大切に作っているので、基本的に戦闘時では強化札などと併用して使う運用をしている。
「で、なんでこんなに殺したんだ?まだ足りなかったのか?」
「そろそろ炎も消えるし、もう一押しだと思ってな。我慢してくれよ」
そう言い消えかけている炎と大量の死体の上を歩んでくる戦闘員∞を見ながら、苦笑いで目の前を埋め尽くす呪いを指差す。
「じゃあ、もうやるのか?」
「ああ、ちょっと無理して支配か暴走させてとも考えたが、数も多いしこれが邪魔でできそうにないからな」
作者は、戦闘員∞の一人を支配か暴走させて同士討ちを狙おうと考えたが、あまりにも数が多すぎてそれを断面していた。
「呪いさえなければ一人に絞って、片手犠牲にして支配できたのにな」
「支配はマジで難しいからな。生かさず殺さずでしなきゃダメだし、普通でも抵抗激しいのに、少しでも隙を見せたら即解除にしかかるからな。死体を利用するのも変質するから別物になるしで」
呪いが邪魔すぎるし、片手で戦闘員∞を相手するのは作者には少々身が重い。鈴木も流石に作者を守りながらでは上手く戦えず、負傷写しでのゴリ押しを許してしまうかもしれないのだ。
「ってことで、これをこうして……押し付けようか」
「手伝うぜ」
自身の周りを取り巻く膨大な呪いを少し操作し、二人の元までたどり着き飛び掛かった戦闘員∞にぶつける。するとそれを諸に食らった戦闘員∞は、目の色を変えて苦しみ出し地面を転げまわり簡単に傷付いて、他の戦闘員∞もそれに続きバッタバッタと倒れて落ちていく。
「暴走付きの削減呪だ。内部で暴れまわって削られて弱っていく。厄災みたいなもんだな」
「厄災か、あのヤベェのよりかはマシだろうよ」
自身の呪いに苦しみ、繋がっている個体にも急速に広がる呪いにより、戦闘員∞は何もできずに光と化して退場するのだった。
・投稿キャラを使わせていただきました。
~おまけ~
・多元存在に理不尽はないについて
多元存在はあらゆるものの流れや構造的に見えると言うか、なんとなくわかって干渉できるので、確実な手段や絶対的な力は存在しない。持っていないものでも干渉だけはできるので、それによって何でも弾いたり壊したりできる。ただし初めてのものは後手に回ることが前提になる。
なのであるのは、対処できるかとか防ぎきれるかとかであり、問答無用でくらうものはない。
・作者の技札について
技以外にも他人にも成り切れるぞ。ただし長時間使うと侵食されて、作者の自我も情報も消滅してしまうリスクがある。これはコピー元から正確な力をもって来ようとして、能力に限らず感覚から経験、記憶などを引っ張ってくるのが原因。これを使うたびに作者は、自身の消滅を覚悟しなければいないクソみたいな技。時間制限ありでほぼ完全に体を作り替えることもあるが、格上の情報だとそれを無視してくることもあり、自殺行為なので相当追い詰められないとしない。実際過去に何度か使っており、作者は色々歪んでいる。