~異次元大会~作者と愉快な仲間たち(乱入者視点)   作:バトルマニア(作者)

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どんどん増えるよどこまでも

 霧原さんに話しかけられ、ぎこちなく振り返る作者。

 

「で、何をしておるのじゃ?別に怒ってはおらぬから言ってみ」

「いや、その、今から大会に行こうかと……」

 

 言いにくそうにだが伝わらないと怒られそうなのでハッキリと口に出す。

 

「祭り事か。それは楽しそうじゃな。では、出て行く前に宿代を支払ってくれんかの」

「……わかった。いくらだったか?」

 

 当たり前のことだが、泊まっている宿を出るのなら支払いは避けられない。それを優しげに伝える霧原さんに、作者は料金を聞いた。

 

「一ヶ月……ようは300日ちょうどじゃから、360万じゃよ」

「……ちょっとまってくれ」

 

 日1万2000円程度の宿泊費であり、化物と怪物溢れるこの世界で、安全と生活の保証までついてるものの中では随分と安めの価格設定だった。だが財布の中を見た作者は、待ってくれと暇人と一般人kのところまで行く。

 

「暇人、一般人k。少しでいいから貸してくれないか?」

「やっぱ足りねえんじゃねえか!」

「これだから……」

 

 呆れる二人に、頼み込む作者。

 

「いくら足りないんだ?」

「60万ほど……」

「それぐらいなら出してやるよ。だがちゃんと返せよ」

 

 値段を聞いた二人は、30万ずつ出し合って作者に手渡す。

 

「ありがとう。俺が借金をしないのはお前たちのお陰だ」

「そう言うならさっさと稼いで返してくれ」

「いつもギリギリカツカツだからな。返せるのが不思議なぐらいだ。もう少し考えて動いてくれ」

 

 手渡された金をありがたそうに受け取り、二人はいつものように苦情を呈する。そして作者は、霧原さんの元へ向かい……

 

「ちょっきり支払ったぞ。じゃ……」

「お主はいつもそうじゃな。……ところで、ワシもその話を聞かせてくれんか?」

 

 キッチリと支払い、魔魅さんのもとへ向かおうとしたが、霧原さんに呼び止められていた。どうやら今回の話に興味があるようだ。

 

「お?霧原さんも興味あるのか?だが今回はダメだ。あんたじゃ強すぎる」

「ほ~、そうじゃったか。それは残念じゃの」

「じゃあ私は?」

「おい、どこから湧いて出てきやがった」

 

 霧原さんと魔魅さんがそう会話をしていると、どこからともなく声が聞こえて、周囲を見渡す作者。だが見つからずにキョロキョロしていると、いつの間にか暇人と一般人kの近くにそいつはいた。

 

 

「鏡華さんか、兄の見次はどうした?」

「兄貴は遅いから置いてきた。後悔も反省もしていない。で、大会ってどんなの?」

「また心配されることを……」

 

 神出鬼没の鏡華さんは、いつものごとく何も言わずに抜け出して来たのだろう。そしてニヤニヤしながら話を聞きに来ていた。

 

 そして内容を確認した鏡華さんは……

 

「なるほど、じゃ私が他の奴らも連れてくるね。多いほうが楽しいだろうし」

「おお、ありがとう。集める手間が省けたよ」

「心配だな……」

 

 参加者を連れてくると張り切ってその場から姿を消し、一時間も立たない内に続々と人が集まり出していた。そこへ帰ってくる鏡華さん。

 

「集めてきたよ。ざっと百人ぐらい」

「変なのも混じってるな」

 

「変なのとは失礼な。わたしは食い逃げをチャラに出来ると聞いて来たんだぞ」

「面白そうなので参加する事になりました」

「フッ、やっと俺たちの活躍場面が回ってきたか」

「黒龍さんがいるって聞いて来たんだけど……」

 

 一部騙された人が混じっているが、多くはちゃんと伝わっているようだ。そこで騙された者たちが鏡華さんに詰めかけている間に、一部の参加不可の者たちへと声をかける作者。

 

 

「そっちはわかったが、お前らは何なんだよ」

「あんたらも参加できないぞ。無双とか蹂躙なんて面白くもなんともないからな」

 

「大丈夫 大丈夫。アタシたちは参加しないからさ」

「ただの観戦要員よ。ゆっくり見させてもらうわ」

「ま、そういうことだ。ってことで投影式巨大画面の準備をするか」

 

 宿に住みつく迷惑三人衆の、科学者のアカネ、研究者のミドリ、技術者のアオイの女三人が、そう言いつつ準備をしだす。どうやら観戦する気満々のようで、仲間も呼び寄せどんちゃん騒ぎをする気のようだ。

 

「いいのか霧原さん?」

「ん~別にいいじゃろ。ちゃんと片付けはするんじゃぞ!」

 

 久々の祭り事なので今回は甘めに見るらしく、霧原さんは許可を出した。それに喜んだみんなは、次々と人を呼び寄せ、会場の準備をしていく。

 

「この調子だともっと集まって来そうだな」

「来るじゃろな。祭りごとはみな好きじゃしの。さて忙しくなるの」

 

 そう言って霧原さんも準備をするために一旦宿に戻っていった。

 

「さて、集まり切るまで待つとするか」

 

 そうして作者も、参加者が集まるまで待つとするのだった。

 

 




~おまけ~

・霧原さんは子供のような見た目の和服を着た現霊族。
 別世界と最も近い異界の穴付近の宿屋の女主。異界の穴の管理もしている。

・アオイは青髪青目で、普通の作業着を着た小人族。
 宿屋に住み着く技術者。火力重視の兵器が大好きで偶に宿屋を破壊することがある。酒とつまみと煙草が大好き。

・アカネは赤髪赤目で、黒っぽい帽子と服を着た迷宮種。
 宿屋に住み着く科学者。こいつのせいで宿屋が迷宮化して大変なことになっている。甘いお菓子が大好き。

・ミドリは緑髪緑目で、灰色っぽい和装をした樹人族。
 宿屋に住み着く研究者。一番大人しそうだが、実は一番厄介。水の飲み比べと日向ぼっこが趣味。
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