~異次元大会~作者と愉快な仲間たち(乱入者視点) 作:バトルマニア(作者)
明らかに消耗した結界をどうしようとかと悩みながら、地上に降り立ち周囲を再度確認すると
(やっぱ多い。補充が出来ないのは辛いところだが、まぁ行けるか」
ぞろぞろと参加者たちが作者を囲むように現れ、遠くの方では調整を終えた射撃者たちも狙いを定めている。きっと先ほどまでのような楽な戦いはもうできないだろう。
「なんせ首謀者が出てきたんだからな」
「お初にお目にかかります。私は、邪神教 第十席のウラニ・アズーウと申します。貴方は中々強いですね。私の仲間になりませんか?」
振り返り、そこに立っていた茶髪のゆったりとした民族衣装を着た貴族風の男を見ていた。
「マジで言ってんのか?この状況で?」
「はい、そうですよ。因みにここにいる人たちも全員、私と強力関係を結んだ同士です」
温和で優し気な雰囲気を漂わせてそう言ってくる。だが周囲の状況を見れば、武力交渉もいいところだろう。
「へ~邪神教ね。それに見た目によらず……」
「戦わないのが一番ですからね。話し合いで解決するのならそれが一番です。私は見ての通り強くはないので」
最低限は戦えるだろうが、アズーウの能力は自分で戦うためのモノではないのだろう。実際に作者から見ても、小細工なしで戦っても簡単に倒せそうと思われている。
「これ以上戦力を減らしたくない。倒せないのなら交渉して仲間に加えたいと?」
「それもありますね。否定はしません。でも損はさせませんよ?」
ニコッと笑みを浮かべて近づいてくる。
「で、どうでしょうか?」
「……はぁ~、なるほどな。じゃあこうっ!?」
確実に仕留められる射程に入った瞬間に、最速で刀を振るう。だが、刀から伝わる少しの衝撃に文字結界が反応し大きく距離を取らされた。どうやら何かしかけていたようだ。
「酷いですね、いきなり攻撃とは。まぁいいでしょう、少し考える時間が必要だと思うので、待ちましょうか」
「待たせる気ねぇだろ!」
アズーウが攻撃の指示を出すと同時に最大火力の火炎札で周囲を焼き尽くす。これにより遠距離攻撃をはたき落とし、炎の中から飛び掛かって来た赤黒い目の男の拳を刀で打ち返していた。
「つえぇな!お前!遊んでくれや!」
「今はごめんだ!」
瞬間的に近づかれ、無数の殴打が繰り出される。それを刀と体術で受け流し、炎の先から飛んでくる矢を避けるために、バク転で回転しながら反撃をして飛び退いた。
「数が多い、調整も済んだってことか!?」
「ご名答」
矢が焼け仕込まれていた爆薬が盛大に爆炎を上げる。そして作者の隙を逃さずに細剣を持ったダンディーな爺さんが、神速の突きを作者へと放つ。
「なかなかの腕前ですな」
「うっせぇ!」
「邪魔すんな!俺の獲物だ!」
ギリギリになったが、どうにか避けて目にも止まらぬ速さで打ち合う。そこに男が割り込むが、それでも耐え抜く作者。だが文字結界が凄まじい速度で消費され、明らかに焦っている事が分かった。
(やべやべ!切れる!こいつ、人の結界吸収しやがって!あとこの爺さん動き良すぎるだろ!技量特化か!てかこのままじゃ負ける!)
周囲のエネルギーを吸収できる吸闘のバルドに策を無茶苦茶にされ、単純に強い剣聖のハドラスに追い詰められる。
「っ!?」
「あれも避けますか」
「だが纏ってるこれはもう限界みたいだぜ!」
次は、光線と銃弾と矢が作者を撃ち抜こうと二人の隙間を縫って来た。これには作者も半分も防ぎきれずに喰らって、文字結界と力場や強化などが消えながら思いっきり殴り飛ばされる。
「お?火が消えていく?」
「でもまだ倒せていませんよ。気を抜かないように」
バルドの反応にそう言うハドラス。するとバルドがハドラスに食ってかかり、ハドラスは見た目通りの老練さで、のらりくらりと話していた。
「どうでしょうか?考えは変わりましたか?」
「……」
アズーウは消えていく炎の中から現れ、作者へと話しかける。しかし作者は何も答えずに、倒れたままだ。
「何か答えてくれませんか?流石に意思疎通ができないと交渉もしようがないんですが?」
それでも答えも立ち上がりもしない。ボーと何かを考えているようで、呆けた顔で空を眺めている。
「……これはダメですね。倒しましょうか」
「そういやお前の能力、自分に付け入る隙を与えてくれる奴しか効かねぇんだったよな?不便だな、その能力」
「対価を支払い契約相手に利益をもたらさなければ発動できない力。その代わりに一度発動すれば、凄まじい拘束能力がありますがね」
アズーウの能力は、主神邪神より与えられた恩恵『対価契約』が能力化したものだ。内容は二人が言った通りで、交渉対象の欲するものを与えられれば、それに応じた自身の要求を通せるようになると言うもの。
「で、最終確認だ、依頼主様。こいつは殺していいんだな?」
「はい、欲しい人材ですが、知っての通り私の恩恵は、交渉できない相手には通じませんので」
最後通告を告げ、バルドは作者の止めを刺すためにちかづ――
「は?」
「へ?」
「ん?」
三人の視界は暗転し、力が入らず消えていく。そんな三人が消える寸前に見たのは、全く知らない人物に書き変っていく作者の姿だった。
応募キャラを使わせていただきました。
~おまけ~
・文字結界について
結界のように大量の文字情報を展開する技。 結界内に侵入した者に対して、その者の現在の行動を強化する代わりに、次の行動が制限されることになる。これは重なればなるほど隙が大きくなり、対象の想定外だとその効力は最大化する。
逆に結界を張った作者は、文字情報を利用して自身のあらゆる行動を強化できる。これにより認識外の攻撃にも適切な対応が可能で、文字が勝手に消費されることで効率的な守備が行われる。それが文字がなくなるまで続き、消耗速度はムリのある事であればある程増す。
なお弱点として、格上には割に合わない、空間系や吸収系、無効系の技及びそれが出来る能力があれば対処しやすいなどがある。