~異次元大会~作者と愉快な仲間たち(乱入者視点)   作:バトルマニア(作者)

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会場より その3

 丸一日経った会場だが、どうやら彼らには飽きの耐性でもあるようで、その騒ぎは変わらずだった。

 

「うわ~!何で僕がこんなことしなきゃダメなんだよ!」

「他の個体かやってることだろ!」

「そうだそうだ!異議を唱える!」

「黙って働かんか、このドアホども!」

 

 そしてたまたま会場に来ていたどこかの魔魅さんたちが、霧原さんに捕まって働かされていた。

 

 

「あいつらも飽きないな」

「あれが彼女たちの生存戦略だからね」

 

 呆れたようにそう言う目つきの悪い男の田中と研究者のミドリ。

 

「中堅、来てたのか?」

「中堅じゃなくて田中だ。宿前でこんな騒ぎがあったら嫌でも分かるだろ」

 

 酒をもって返って来たアオイが、田中を見てそう言う。

 

「中堅クンは子供たちの相手して疲れ切って寝込んでたのにね」

「だから中堅じゃなくて田中だ。仕方がないだろ、小原さんが混じってたんだから」

 

 小原さんとは、この大陸の守護者をしている人の一人で、霧原さんと渡り合う程の実力者である。中堅程度の田中では、勝負になっても勝ち目は薄い相手だ。

 

「ん?これは……」

「どうした?」

 

 そうして田中と三人で話していると、ミドリが何かに気付いたのか画面を操作して見る。それに合わせてみんなも目を向ける。

 

「作者の奴、中堅の力使ってるぞ」

「それほどの相手には見えないけどね」

「どうせ出し渋ったんだろ。いつもの事だ」

「中堅じゃなくて田中だって。ホントだ。あいつの悪癖だな」

 

 大空で激しい戦闘をしている鈴木から、地上で向かってくる参加者を斬り殺している作者を見た。その姿は田中その者であり、無言で無双している。

 

「使ってるくせに弱いね」

「そりゃ、飲み込まれないように調整してんだからこんなもんだろ」

「まぁこの大会なら、半分も再現出来たら敵なんて殆どいないみたいだけどね」

 

 迷惑三人衆はそう言い、作者の戦いをちゃんと見る。

 だいたい50点~最大で60点前半相手に無双しているようだ。だいたい通りすがった瞬間に相手がバラバラになって消えていく。みんなはどうにか対応しようとしているが、再生持ちや技量が高い参加者など以外は、防戦一方で反撃に転じる暇なく殺されていた。

 

「スッと攻撃するのが得意なんだよな、中堅って」

「中堅じゃないって。そうだな、まぁ通りすがりに、スッとこれで通してやれば大抵は斬り刻めるからな。切味いいから、食材切り刻むのとか楽だぞ」

 

 細長い剣を生成し見せる。そして地面に刺して横に動かすと、豆腐みたいに抵抗なく斬れていた。この斬味通り出ているなら、仕組みを知って技量で対応するか、避ける以外の方法などないだろう。

 

「動きも作者の上位互換だからね」

「中堅なんて呼ばれてるんだから普通でしょ」

「そうだな。あと俺は田中だ」

 

 作者タイプは、別に特記する思考も精神も技量も持っていない。天才的な動きや特徴を一切持たないので、どこまで行っても何もしても普通であり、それが故に認識しずらい。まるで何気ない日常動作の一つのように、攻撃して終わる。

 

「あ、挑んでくる奴いなくなったから攻め始めたぞ」

「ふらついてるね。意識途切れそうなんじゃ?」

「完全に塗り替わったら、能力切れるまで中堅になるのか」

「……それだと魔魅さんに殺されるだろ」

 

 五、六人斬り殺した後に、瞬動で近くにいた、配下を連れた乗馬したガタイのいい弓持ちの女の元へと向かう。

 

「へ~参加者の付き添いとかありなんだ」

「まぁ他人を戦わせるとかあるから、ありなんだろうね」

「武装とか兵器もありだから、主体以外はって話じゃね」

 

 取りすがりに真っ二つになったり、首を斬り落とされたりして消えていく彼らは、点数無しの付き添いだ。ある程度は戦えるようだが、サポート特化な為か戦闘力が大会の基準にまったく届いておらず、足止めにすらなっていない。

 

「あの女、え~とヴェスト・アハト・フォン・ハノーファーって人。どう思う?」

「点数の割に頑張ってるんじゃない?乗馬して弓主体だし」

「あ、馬やられた」

 

 短剣らしきもので応戦しながら乗馬して動き回って耐えていたが、数秒もしないうちに馬がやられて放り出される。

 

「「「あっ」」」

「あいつ、俺の情報使っておきながら剣を……」

 

 そこに追撃をされたが、防具として龍を象った飾りが備わった白い大鎧に刃が入った瞬間に体をズラす。それにより強引に力をかけられた細剣はへし折れ砕け、作者は嫌な顔をしながらヴェストを蹴り飛ばした。

 

「流石にこれで終わりか」

「当たり前だ」

 

 転がり体勢を立て直したヴェストは、短剣を構える。だがそこに再度生成し直した細剣の飛斬により首を斬り飛ばされて、力なく倒れながら消えていった。その後も、残った残党を一人残らず始末した後に技札の効果が切れ、空の戦いも終わったのか元に戻るのだった。

 

 




 投稿キャラを出させていただきました。

 ~おまけ~

・田中 堅示は、身長170程度の黒髪黒目で目つきが悪い旅人。あとボサついた短髪で耳が尖っている武具族。
 性格は荒いが面倒見がいいヤツ。みんなから中堅さんと言われる放浪者のお兄さん。耐久皆無で刺突と斬味特化の細剣のようなものを生成できる。
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