~異次元大会~作者と愉快な仲間たち(乱入者視点) 作:バトルマニア(作者)
視界一杯に広がる無数の飛斬を凌ぎきった二人は、作者は曲斬で中距離から、鈴木は空動で接近し徒手空拳でと、己の武器を構え距離を詰める。
「おっと時間停止か!?」
「面白いことすんじゃねぇか!」
敵である銀髪美少女で時空の女神こと「時空神」は、時間停止をして鈴木の攻撃をかわして反撃しようとするが、二人の攻撃を躱す軌道に差し掛かった時点で、時間停止が突破されていた。
「おっと、体術は得意じゃないか?あいつはそれなりに強かったぞ!」
「っ!?黙れ!」
あまりにもあっさり自分の技が突破されたため、呆気に取られ鈴木に攻撃の隙を晒してしまう。そこに数十発の殴打を叩き込まれたが、どうにか致命傷は避けて距離を取ることに成功していた。
「時空断層!」
「ちょっ!」
「やめい!」
歪んだ時空の境界線が時空神を中心に発生し、世界へと広がっていく。それにより作者の曲斬が破壊され、鈴木も若干の足止めを喰らう。
「死ねッ!」
「甘いんだよ!」
「そうだそうだ!」
そのまま時間の進み方が無茶苦茶になった世界ごと、二人を圧殺しようと隔離し収縮させた。しかし空間が、世界がガラスのようにひび割れ、曲飛斬が時空神の頬を掠めた。
「集中しないと戦いにならないぞ!」
「くっ!?」
鈴木の蹴りが身に纏っている時空を貫き、地面に叩き落とされクレーターが出来上がる。
「何怯んでんだ!これからだろ!」
「クソッ!!」
倒れそうになる時空神に、伸ばした刃で刺突を放つ作者。それを間一髪で躱し、追撃を短剣で受け流し始めた。
「おう、どうした?出来る事が少ないな!時崎さんみたいに複雑で強力かともったんだが?そうでもなかったな!」
曲斬で鞭のように繰り出され続ける高速の斬撃に 空間を斬られ乱され、上手く時空が扱えない様子。これにより強制的に打ち合いに乗らされているのだ。
「黙ッ!」
「これは隙か?」
隙だらけの背後に回った鈴木は、軽く数発の打撃を動きを邪魔するように打ち込む。それにより肺から空気が抜けながら体勢を崩し、作者の斬撃を諸にくらっていた。
「で!」
「タフだな!」
斬り裂かれながら踏ん張り時空を弄って、全方位へ飛斬の混じった時空嵐を発生させる。そこに追撃を仕掛ける二人だが、スレスレのところでズラされ惜しみつつも距離を取っていた。
「やっぱ動いてると調子がいいな!」
「ああ、だがこれどうするよ?無茶苦茶だぞ!」
無茶苦茶に攻撃をばら撒く時空神に対し、対処し続ける二人は隙さえあれば攻撃を繰り出していた。だがどれも近くは通っても掠りやしない。
「そりゃな!突っ込むに決まってんだろ!」
「そうだよな!」
瞬乱動で攻撃の嵐を潜り抜け、時空神へと打撃と斬撃が同時に届く。
「お?」
「あ?」
だがその攻撃はすり抜け、背後から反撃を喰らう二人。勿論それを間一髪で躱して迎撃し返すが、時間軸をズラされているのか当たらない。
「本領発揮したのか!?」
「楽しくなってきたな!」
眩い閃光が世界に走る。それにより周囲の環境が朽ち果て、閃光に混じった飛斬が空間を満たす。だが二人は、ニコニコ楽しそうに最小限のダメージに抑えて攻防を繰り返していた。
「能力が使えないのは厄介だな!解析に少々手間取る!」
「そうだな!ま、当たり始めたからいいだろ!」
そんな中二人の攻撃は、時空神に届くまでに調整を済ませていた。未だに致命傷は与えられないが、嫌がって頻繁に行動を変える程度には影響のある攻撃の数々だ。因みに二人が雑談しながら戦っているのを見て時空神は、「ふざけやがって!」と内心毒づいていたりもする。
「でもっと!」
「任せた!」
再度距離を取ると同時に、投げられた短剣が急激に巨大化しながら視界を覆いつくす。それを曲斬で真っ二つにし、二投目を投げられる前に鈴木が距離をゼロにして、拳に込めた尖撃で貫いた。
「時間の巻き戻し?過去の貼り付け?まぁ何でもいいか!」
負傷がなくなり、生成させた短剣で間合いを無視した激しい連撃を食らわせてくる。言わずもがな、すべて何かしらの策が施された攻撃だ。それを適切に受け、流し、避け、的確に致命に繋がる殴打を叩き込み続ける鈴木。
「早い速い、直る治る!凄いな!これだけの時空使いとは久々に戦ったが、これは厄介だ!」
「ほざけッ!!」
時空神はこの戦いの中で成長を続けていたが、鈴木に地力で負けていた。どれだけ能力を研ぎ澄ませ、使い熟そうが、関係なくその土俵に立たせてくれない。自分の得意分野まで持っていく力が決定的に欠けていたのだ。
その上――
「俺のこと忘れんなよ!」
「嘘ッ!?」
「だから余所見すんなって!」
上空から軽く全長100mは超えるであろう、巨大で細いロボットが振ってくる。それに驚いた一瞬の隙を取られて地面にめり込むまで叩き込まれ、ロボットの下敷きになる。
「どっから持ってきたんだこれ?」
「ちょっと遠くの方で殲滅活動してたから、隙だらけのここの時空使って引っ張って来たんだよ!いや~あいつが制御を取り戻す前でよかった!」
時空神が鈴木にくぎ付けになっている内に、勝手にこの時空嵐を拝借して遠くから兵器を転移させてきたらしい。なぜ兵器かと言うと
「お前機人族だから乗っ取れるかなって思ってさ」
「俺今は自粛中なんだが!?」
あ、そうだったわ!と時空嵐が収まり残骸だらけの地で笑い合い、兵器が動き出す。その目線は作者と鈴木に向いており、長方形の頭部にあるセンサーが光った瞬間に激しい懸鼓と爆炎で包まれる。
「やっべ!敵増やしちまった!」
「いや見て見ろ!心配しなくてよさげだぞ!」
ロボットは二人を仕留めようと体勢を整え立ち上がりながら光線を連射するが、逃げ回る二人を捉えきれない。それどころか、時空神の怒りを買ったせいで宙に浮かべられ握りつぶすように丸められかけていた。
「あ~あ、勿体ねな~」
「装甲ペラッペラだからって、やっぱ空間系は厄介だな」
ロボットは抵抗するように体を揺らし時空神に向けて光線を連射するが、どれも軌道を曲げられて当たらず周囲を赤く消し飛ばすだけだ。そして10秒も経たずにスクラップにしたロボットを捨てて、二人の方へと敵意剥き出しの冷ややかな目を向ける時空神。
「お~濃い時空染み出してるな、あいつから抜き出せばいい本が出来そうだ」
「出来やしねぇだろ。殺すのとは訳が違うんだぞ。ましてや能力が万全じゃないのによ」
「殺す」
二人の雑談を無視するように、時空神が短剣を振る。それは破壊に特化した一振りで、時空間ごと切断され周囲のものを乱す。そこに続けて飛斬が放たれ、二人が回避した先に一瞬で回り込み斬撃を放っていた。
「もっとこう、手の込んだ一撃を期待してたんだが」
「出力上げただけとかないわ~」
「ッ!?」
鈴木に短剣を摘ままれ、作者に顔面を蹴り飛ばされた。
「能力の暴走なんてガキでも出来るぞ」
「操作しなきゃこうなんだよ」
首が折れそうで、意識も今にも飛びそうになるのを引き止めて能力を暴走させ、二人の行動を阻害してくれる事を祈った。無意識とは言え心の底から祈ってしまった。見透かしてくる実力者相手に、それをしてしまっていた。
その結果は――
(終わった、ごめん……)
茹で上がりそうなほど熱い頭とは裏腹に薄れゆく意識の中、仇を取れなかった事を悔やみながら、鈴木が止めの一撃を叩き込んで退場するのであった。
~おまけ~
・なんか作者が持ってきたロボットについて
・巨人型殲滅機『ビックロット』
・価格 一機当たり37億円
・概要
装甲ガン無視の攻撃兵器。なので棒人間のような骨部分しかなく、耐久性も素材由来の最低限にしてコストを抑えている。巨大建築物や大規模土木建築用の作業用ロボットを改造し頭部に光線を取り付けただけの低コスト兵器。大量に配備し並んで歩きながら、頭部のレンズから超高火力の光線を照射し大地を焼き払うのが主な運用法。他には体を動かして敵を薙ぎ払ったりが精々。因みに遠距離からの範囲攻撃しかできないため、接近された時ようにドローンや歩兵ロボットなどで守っている。
制作組織『廃品改造屋』より