~異次元大会~作者と愉快な仲間たち(乱入者視点) 作:バトルマニア(作者)
大気が震え、気持ち悪い木々が薙ぎ倒され、血肉が飛び散る。
「どうだこれで!」
「流石に強いな!」
ムゥガラの怪力と機動力は飛躍的に上昇したが、作者も負けてはいない。圧倒的暴力には、同じく圧倒的な暴力で応戦する。
「だが甘い!」
外れた拳が地面にクレータを作り出す。そこに上から軽く握った手刀を振り落とす。
「これでもか!」
「当たり前だっ!?」
撃たれた勢いで高速で一回転し、さらに上からかかと落としされる。だがそれを掴んだ作者は、勢いよく地面に叩き着けた。それもムゥガラが力技で抜け出すまで、何度も何度も鞭やヌンチャクのように滅多打ちにし、最後には投げ飛ばす。
「効くものか!」
「チッ!」
追撃に反応し、両者の拳が激突。球状の衝撃波が二人を傷つけ、赤い何かが飛び散る。
「やはりこの世界は面白い!これほどの強者がゴロゴロと!」
力技で衝撃の波を抜けて来たムゥガラは、反撃を許さぬ連続攻撃を放ち
「そりゃ、どうも!」
「がはっ!?」
腕を引っ張られ掌底打ちが入り、思考が揺れる。その後に勢いよく頭から地面に落とされ、馬乗りからの顔面のタコ殴りが始まった。
「ふん!」
「うおっ!」
体を反らされ弾き飛ばされる。急いで振り返り、爪の飛斬を体を反らし、相手を見やる。だがそこにはムゥガラはおらず、探知で掠った方を向いた瞬間。
「あっぶね!」
「外したか」
大樹を片手で振りぬいたムゥガラがいた。
「回復すんなよ」
「こっちのセリフだよ」
ここは肉林、血肉はいくらでもあり、血を飲めばその分超回復するムゥガラには絶好の場所だ。それに嫌な顔をして、ため息交じりに深呼吸する作者も同じく回復をする。
「拳での殴り合いは終わりか?」
「随分と長くやったからね」
大樹を振りかぶり、一瞬で振り切る。その凄まじい衝撃波が肉林を蹂躙し、視界が吹き飛ぶ残骸に覆われた。
「おい、他の奴に届くだろうが!」
「それがどうした!」
刹那の間もなく目の前に現れた作者の、何十発と言う殴打を受けてなおピンピンしているムゥガラは、大樹を振り落とす。それにより天まで届くほどの土砂が舞い上がり、両者は空中戦に入る。
「やっぱり空飛べるのは厄介だな」
ムゥガラは、翼で縦横無尽に飛び回り、障害物も霧化で無視して攻撃を仕掛けてくる。それに対し作者は、瓦礫と空動を使って応戦していた。
「再生もあって非実体でフィジカルも強いとかな!」
流し、弾き、避ける。そして反撃を繰り出し続けるが、霧化したムゥガラに致命傷を与えられずにすぐに元通りだ。
「いくらでもいるんだよ!」
「っ!?」
札を持った手を振ると、暴風が吹き荒れる。それに体を持っていかれそうになり霧化を解くが、次にムゥガラを襲ったのが灼熱の炎だった。
「焼き殺すだけだ」
「お前っ!?」
再生が鈍くなる。霧化も使いにくい、だがまだ負けてはいあない。高速飛行により、気流の流れを乱し、猛攻を仕掛ける。だが防御に回られ攻め切れない。
「ちっまだ霧化が使えるか」
「っ舐めるな!」
掴み複雑骨折を狙ったが、霧化で回避される。だが追撃までは防ぎきれずに、臓器に深刻な衝撃波響き、ムゥガラは苦しげな顔をしていた。
「舐めてねぇよ、お前は強いからな」
「ふざけるな!」
しかし逃げるわけにはいかないと、早期決着のために近接での猛攻を加え続ける。この灼熱の空間を除けばすべては有利、そのはずだった。
「で、疲れるよな?」
「なっ!?」
大きく後退し、息を整える瞬間が訪れた。作者はその隙を見逃さず、一気に距離を詰めて強力な一撃がムゥガラを貫く。
「くたばっとけ!」
その手には札が仕込まれており、ムゥガラは、内部から黄金の炎で燃え上がる。ムゥガラはその攻撃を受け、対応しようとあらゆる手を尽くしながら地に叩き着けられた。
「まだまだ、ボクは……!」
彼女は再び立ち上がろうと、その目に闘志の炎を宿していた。だが燃え盛る炎はそれを許さず、すべてを塵に返し続ける。
「チッ、黄金の炎まで使わせやがって、これ結構高いんだぞ、またヒカネに頼まなきゃもらえねぇのによ。遊び相手か、いくら飯代に消えるか」
ムゥガラはその言葉に対して唇をわずかに歪めたが、すぐにその目に強い意志を灯していた。
「うるさい、この程度でこのムゥガラ様が……!」
しかし、その声はすでに力を失っていた。黄金の炎は無慈悲に燃え上がり、纏わり付くようにムゥガラの身体を包み込み、全てを焼き尽くす。彼女の体はじわじわと焼け焦げ、力強い悔しさの叫びが轟く。
「終わりだな」
作者はその言葉をつぶやきながら、地面に転がるムゥガラを見下ろしていた。ムゥガラの身体が完全に焼き尽くされる中で、彼女の悲鳴は次第にかすれ、
「さて、これで一つの問題が片付いたな」
作者は次の挑戦に備えて、冷静に周囲を見据えた。
「この空間も終わりだ。あいつらの決着ももうすぐ着く……待つか」
断絶結界を張り、自身の安全を確保したのちに、遥か遠くに発生した強大な重力特異点を見てそう呟くのだった。