転生者の生存記~このイカれた過酷な世界で~   作:バトルマニア(作者)

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変なヤツ

 疑問視を浮かべる水科を見て

 

(やっぱ 変なヤツ)

 

 メリーはやっぱりと思い直す。

 

(何も わかってない。よくこんなので、生きて来れた)

 

 局所的な真似しかできない水科を、メリーは呆れを通り越して感心していた。これでは身体的に勝る相手には手も足も出ず、同格にも相手になるか怪しい。なのに生き残っているのだ。恐らく格下しか相手してこなかったのか、手加減されてきたのだろう。

 

「じゃあ、今から 教える」

「え?ちょっッ!!?」

 

 水科はメリーの突然の行動に驚き、腕を掴まれたままエネルギーを受け取る。と言うか強引に流し込まれた。それにより痛みと不快感に耐えかねて声を上げる。

 

「それが、エネルギーの流れ、覚えて」

「そ、そんガぁッ!!?」

 

 全身に今までなかった流れを叩き込まれ、それによりのた打ち回る水科。だがメリーからは逃れられず、ひたすら苦しみ続ける。

 

「逃げるな。覚えろ」

「そんなッ!ことッいッッ!?」

 

 今にも吐きそうな形相だがメリーは止めない。なんせこれ以外の方法は時間がかかるのだ。頼まれごととは言えそこまで付きやってやる義理はなかった。

 

「ん?やっぱ覚えだけは 早いね」

「ガハァッ!?はぁはぁ……」

 

 血管に熱湯を流し込まれたかのような激痛に堪え、エネルギーの流れを覚えた水科はへたり込む。それに対しメリーは

 

「危険な賭けだったけど、上手く行った。これが一番、手っ取り 早いからね」

「ひ、ひどすぎる……」

 

 下手したら廃人になっていてもおかしくない処置だ。正直水科とメリー程の実力差がなければできなかった事でもある。

 

「で、わかる?その循環?」

「ああ、十分に思い知った」

 

 息を整えそう返す水科。メリーはそれに満足したのか

 

「じゃあもう一度、瞬動で攻撃してみて」

「おう分かった」

 

 水科に自信を攻撃させる。すると先ほどよりも速く鋭い攻撃が、受けに回ったメリーのナイフに止められる。

 

「はぁ?なんで?」

「当たり前。そんな 覚えたてで、勝てると 思うな」

 

 確かにこの数分そこらで水科の動きは格段とよくなった。だがその程度でメリーを超えられるはずがないのだ。

 

「これで、スタートライン。わかった?」

「まぁな、そんなまじまじと見せつけられちゃ言い返せんわ」

 

 見ている世界が一瞬にして変わった水科からすれば、凄い成長だが、それが当たり前のメリーや他の住人にとってはスタートラインでしかない。そもそもこれは、五級か遅くても四級の内に大体覚えておくものだし……

 

 

「ってことで、次々行く」

「……だよな」

 

 メリーはナイフを静かに構え、水科も戦槌を構える。そして両者とも研ぎ澄まされた把握を使いながらジリジリと動き――

 

「ぐっ!?」

「やっぱ、こっちの方が いい」

 

 メリーは思った。これは速く終わりそうだと

 

 




~おまけ~
・循環について
 エネルギーの流れを掴む技。本来なら誰にも言われずに勝手に使えるようになる技とも言えないものだが、水科のように何もわかっていない奴に教える技としても使える。
 また仲間の回復の際にこれの応用などがあるが、基本他人の中へエネルギーを送り込むのは危険行為なのでやめましょう。
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