転生者の生存記~このイカれた過酷な世界で~   作:バトルマニア(作者)

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ツバサ戦

 いつもの広場で、ツバサと向かい合う水科。

 

「手加減しないように」

「分かってるよ。ホントまっすぐだな、お前は」

 

 適当に構える水科にそう言ったツバサは、一気に距離を詰めて、握りしめていた拳を顔面へと叩き込もうとする。だがそれを軽くかわし、戦槌で反撃をする水科。

 

「冷たい……それに空中じゃそっちの方が分があるな」

「当然だ。私は龍人族だぞ」

 

 振り上げられた戦槌を翼でふわりとかわされ、そこから背後に回られ回し蹴りを喰らいそうになる。だが即座に戦槌の軌道を変えて、加速した戦槌と蹴りがぶつかり冷気の衝撃波が舞い少し距離を開けた両者。

 

 

「来ないのか?」

「そっちこそ」

 

 両者はジリジリと様子見しつつ距離を調整していく。

 

 そして――

 

「っ!」

「避けっ!」

 

 次は水科が先手を打った。瞬動による戦槌の振り落としを紙一重でかわしたツバサは、即座に殴打を叩き込む。それにより水科の体に衝撃と氷結が出来上がる。

 

「いっつ!」

「――っ!?」

 

 だが戦槌のが地面に着いた瞬間に大爆発が起き、ツバサは吹き飛ばされ、一気に地面が揺れ動く水面のようになっていた。

 

 

(地面はダメだな。何度見ても厄介極まりない能力だっ!」

「この程度じゃダメだよな」

 

 空中で滞空しているツバサへと水飛沫や水鉄砲を飛ばすが、届くことなくツバサが発生させた氷の粒に誘爆させられる。

 

 そして煙で視界が悪くなったのを見計らって、作り出した氷槍を水科に向かって投擲した。

 

「ズラしたか!」

「あぶっね!」

 

 氷槍は砕かれ破片と爆水が反応し更に視界が悪くなる。その隙にツバサは側面に回り、右フックでぶん殴ったが、水科は寸前で受け流す。

 

「冷てェ!」

「余裕そうだな!」

 

 手は氷に覆われたものの、その程度では致命傷にならない。戦槌のを振り爆水をばら撒きながら、高速低空飛行で攻撃を仕掛け続けるツバサに反撃をする。

 

(くそっ!やっぱ能力の制御が甘いな。ツバサの強めの羽ばたき一つで軽く誘爆してやがる。爆水が届かねぇ!)

(直接当たらなければダメージにすらならないか。爆発は少々厄介だけど、慣れてくると逆に利用できる。やっぱこいつの制御は甘いな)

 

 最早普通の人間には、掠れた場面を目で追う事が限界な速度で殴り合う二人。理由は超人と言うのもあるが、水科の意志とは無関係に一定の刺激で爆発してしまう爆水を利用され、ツバサの動きはより早く変速的になったからだ。

 

 

(潜るか?だがそれだと前みたいに全部氷でッ!?」

「動きが鈍いぞ」

 

「グッ!!」

 

 懐に入られ、地に足を着いた状態で腹をゼンリョクで殴られる。それに胃の中身を吐き出しそうになにながら上空に吹き飛んで、地面の爆水が大人しくなる。

 

「くそっ!」

 

 ツバサのブレスを相殺させるために爆水を放つが、すべてが氷の粒になり破裂する。そしてブレスに飲み込まれ、体表が凍り付いていく。

 

 

「終わり……ッ!?」

 

 ツバサが、落ちてくる水科を氷ごと破壊しようと拳を握るが、足が沈みこむ。そのまま足元が爆発し、すぐには治らない傷をつけられ、体勢が悪くなった。

 

「甘めぇんだよ!アイスみてぇにな!」

「ウグッ!?」

 

 氷をぶち破り、自身の負傷部位と地面を凍らせて体勢を取り戻そうとするツバサに、上から戦槌を振り落とす。それは頭部に当たり、凍らした地面にめり込み大爆発を起こす。

 

「ヨ、クもッ!」

「当たらねぇよ!」

 

 刺々しい氷が地面から生え水科を串刺しにしようと迫る。だが瞬動で回避され、戦槌を側面から振り切る。

 

「ソッチこそッ!甘いンだよ!」

「わあってるわ!」

 

 これぐらいは防ぐだろうと思っていたら案の定防がれ、距離を取ると同時に再度氷が生える。しかし地面に沈み込み爆発し、破片が飛び散るに終わった。

 

「仕切り直しなんてさせるか!これで終わりだ!」

 

 ボロボロで少なくない流血もしているツバサに止めを刺すべく、囲い込むように円柱状に爆水の水柱を作り、内部を大量の刺突で埋め尽くす。そしてダメ押しにと爆水を流し込み、盛大に大爆発を起こした。

 

 

「今回は勝ちね。ツバサもやっぱり未熟ね。特に探知が」

「すみませんが、回収していただけないでしょうか?俺もう限界なんで」

 

 勝負が終わり、ツバサの母親であるセイカやって来て感想をもらす。それに対し、見た目によらず限界な水科を見て

 

「あなたもまだまだね。一回の戦闘で体力を使い切るなんて」

「同格ですよ?マジで言ってます?」

 

 もちろんよ、と返しながらセイカは水科とツバサの二人を仕方がないと呆れつつ回収するのであった。

 

 




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