転生者の生存記~このイカれた過酷な世界で~ 作:バトルマニア(作者)
日用品の備蓄が少なくなったのを感じ、水科は久々に機所さんの店に来ていた。
「人多いな」
だが大人子供がそれなりにいる店の前で、どう入ろうか悩んでいた。こういうのが嫌だから、いつも人が少ない時に買い溜めしているのだが、最近は忙しくてタイミングをミスっていた。
「店員増えたのか?」
中でせわしなく働く気配を感じ、チラチラとその姿も見える。その気配はどこか見知ったものに近かったが、何か混ざったような明らかに違う感じもする不思議な気配であった。
「まぁ最近は人も増えたし、忙しいんだろ」
そう思い、人が少なくなるのを待つために端に避けて瓦礫に腰掛ける。それと同時に周囲を見渡し、どういうヤツらが増えたのかを観察しだした。
(一応全種族見えるな。子供が多いのは、いつもの事だ。それ以外だと、確か他の安全地帯が崩壊したって話も聞いたな。そのせいか?)
元々水科の住む安全地帯には人が少なかった。水科が特定の人物意外と出会わないように調整できる程度には。理由は、施設の端だという事で田舎過ぎたのが原因だ。だが腐っても安全地帯なので人は集まる。こうなるのも時間の問題なのだ。
(崩壊か。距離があるとはいえ心配だな)
そして安全地帯の崩壊。こうなると人が雪崩れ込んで来る。なぜなら、安全地帯に住む者たちは、子供や実力不足の若者が主だからだ。
「ま、落ち着けば人も減るだろ」
安全地帯は、一時的な拠点や旅人が休むついでにいる事が基本で、定住者は意外に少ない。理由は、一級以上の強者がいないからである。なので安全地帯は町や都市に成れないのだ。
(気軽に一級に来られても困るけどな)
怪物も一級も一般人にとっては変わりない災害である。一級以上がいる事によって保たれるものもあれば、失いものもあるのだ。その一つが人口の増加で、これにより人類同士での争いが激化する。
(一級はただそこにいるだけ。そのお陰で他の上位等級の存在は手を出しにくくなるし、仮に戦闘になっても一級が最前線で戦ってくれる。後はふらついてたり気まぐれにちょっかいかけてくるだけで、それ以外は何もしない)
キレさせたり戦闘にさえ巻き込まれなければ、一級自体にそこまで害はない。なんなら水科からすればモラルもあってマトモそうに見えるだろう。だが周囲は違う。一級の恩恵を受けようと集まり争うのだ。
(環境装置そのままだな)
一級以上は環境装置のようなものだった。どこまでも人類や下の存在の暮らしを根本から支えるだけの存在。まぁそれもただ都合がいい解釈と言うだけで、結局は縄張りの維持さえできれば、それ以外に特に口は出してこない。
(一級も都市もどう言うものなのか楽しみなもんだ)
この海底都市の中心部にある都市も勿論一級がいる。相手したくはないが、それでも一目見るのも悪くないかと、人が減った店に足を進めながら思うのだった。
~おまけ~
・安全地帯は一時的
安全地帯はあくまで一時凌ぎの場所でしかないよ。一級以上がいないとか長期間これと言った脅威がないだけで、急に滅びる事があるから、嵐の前の静けさってところかな。
まぁ彼らの感覚的に、移動する戦艦とか施設じゃない限り200年保てば結構長い方かな?
・一級以上の守護者や主は環境装置
彼らはこの世界でも、戦闘が関わらなければ人間からすればマトモそうに見える存在だ。精々個性的な人たちぐらいで終わるだろう。
で、なぜ環境装置と水科が言ってるかと言うと、彼らは明確なトップにもならなければ統治もしないからだ。住みやすい、理不尽な脅威の排除はしても他人を率いたりなど組織的な事は一切せずに、自分の縄張りを守ってるだけの存在でしかない。