転生者の生存記~このイカれた過酷な世界で~   作:バトルマニア(作者)

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都市での戦闘

 いるから飛び降りた水科は、液化した地面をすべるように移動し騒ぎの中心部に向かっていた。

 

「くそぉぉっ!!」

 

 すると曲がり角から子供が飛び出してきて、その後にこの都市の機構の一つである戦闘兵器が現れる。

 

「お!?水科じゃねえか!ってことはこっちはっ!?」

「そんな事よりあれをどうにかするぞ!」

 

 銃口を向けてくる戦闘兵器の射線から逃れるために、子供と戦闘兵器の間に液体の壁を作り出し、二人は同時に近くの物陰に隠れた。

 

 その瞬間、複数の光線が液体を突き破り、二人がいた場所に着弾する。すると一気に壁が崩れ、濁流の様に液体が戦闘兵器に流れ込み、周囲のビルを巻き込み大爆発を起こした。

 

「やっべ!助かったぜ」

「油断するな!」

 

「わかってるよ!」

 

 反撃の攻撃が来る前に、子供が刀を取り出し崩れるビルと煙に覆われた場所に突っ込んで行く。するとその中から光線や銃撃が飛び出し、周囲を手当たり次第に破壊をまき散らす。

 

「俺じゃ邪魔になるだけだな」

 

 その戦闘を外から眺める水科は、そう呟く。知り合いではあるが仲間ではないので連携は難しく、水科本人も仲間がいる前提での戦闘は得意としていない。そのことから傍観しかできないのだ。

 

「ま、あいつらが負けるとは思えないがな」

 

 そう言いいつも一緒にいるもう一人を探すために、ビルを飛び移りながら探知を使った。

 

 

「おい鉱納さん、どうしてこうなった?」

「ん?ああ、水科さんか。ちょっとしくじっちまってな。そな事よりすまんな、縄張りに入っちまって」

 

 しばらく探し回ったのち、やっと見つけたのか対物ライフルを構えた鉱納に話しかける水科。どうやら今回の狩りに失敗をしてこうなったらしい。

 

「別にいい。一応状況説明頼む。警戒はしとくから」

「いいよっと、すまんすまん。援護するわ」

 

 仲間に何か言われたのか鉱納は、謝りながら持っていた対物ライフルで援護射撃をし始める。その射撃は、たやすく戦闘兵器の防壁と装甲を貫き、対象を鈍らせる。

 

「ちょっとな。偵察用の兵器と間違えて襲っちまったんだ。驚いたよ急に変形して戦闘用になるんだからっと!」

「たまに紛れてる擬態機か」

 

 援護が入り優位になったのか、戦闘は鉱納たちが主導権を握り結果が見えてくる。それをはたから眺めながらそう思う水科だったが、一応約束したからだと周囲の警戒と取り逃がした時の対処のために気を張り巡らせていた。

 

「本家よりも戦闘能力が低いけど、不意を突かれるから困るんだよね。まぁ、低級品だから面倒なだけで済むけど」

「まぁな。そもそも維持管理に力注いでんだから、こんな末端の土地を取り戻す気なんてないんだろうよ。せいぜい邪魔者の排除と無視できない脅威対策だな」

 

 この施設は年々弱ってきている。そのため隅々まで管理が行き届かず、端になればなるほどその機能は弱くなる。なのでわざわざ偵察をしに来るのだが、ここに住み着いた者たちは“取りすぎなければ問題ない”とそれを勝手に奪ってしまうのだ。

 

「まぁ俺たちがその脅威になる事はないだろうな」

「ああ、破滅を待つだけになったとは言え元が一級施設だ。俺たち程度じゃ何十万人集まっても相手にならんだろうがなって、ちょっとすまん」

 

 そんな事を話していると、背後から気配を感じ二人はその場を飛びのく。その瞬間、銃撃がほとばしり周囲が破壊される。

 

「反応遅れたわ。呑気に話してる場合じゃなかった」

「こっちこそ、狙撃手なのに場所移動しなかったからお互い様だ」

 

 二人の視線の先には一機のドローンが浮かんでおり、小さな銃口をこちらに向けて二人の元へと急接近してくる。

 

 

「三体だ。俺がやる」

「頼んだ。じゃ俺は囲まれる前に行かせてもらうわ」

 

 そういうと鉱納は、瞬動という移動技で一瞬でその場から姿を消した。それに合わせてドローンが水科に照準を合わせ、続く二機も先に水科を始末しようと姿を現す。

 

「おっと!あぶねえ!」

 

 足場を液状化させ、下の階に逃れた水科。それにより発生した水しぶきが針の様になり、近くにいたドローンに突き刺さり大爆発が起きる。

 

「ちっ!めんどうな!」

 

 追いかけてきたドローンが、窓の外から水科を狙っていた。今の水科では攻撃を当てるには接近するしかなく、それは下手をしたら空中戦に持ち込まれ、水科が不利になる事をさしていた。

 

(くそっ!だが行くしかねえ、受けおっちまったんだから!)

 

 鉱納の元に行かれるわけにはいかない。そのため水科は突っ込むしかなく、瞬動での接近と同時に戦槌を振り切りドローンを破壊する。

 

(来たか!)

 

 最後の一機が銃撃で足場を壊し、水科を空中へと引き込む。だが水科は、即座に空間移動である空動で空間を蹴り、迫りくる追撃を多角的に躱しながら素早くドローンとの距離を詰め止めをさした。

 

(こっちは終わった。あっちは……問題なさそうだな)

 

 そうしている内にあちらも決着が着き始めており、後に水科が合流するころにはすべてが終わっていたのだった。

 

 




 ~おまけ~
 ・戦闘兵器などについて
 施設を守る全長8メートルないぐらいの四足歩行の戦闘兵器。基本は大通りを滑るように移動し、いくつかのドローンを飛ばして偵察と邪魔者の排除をしている。あくまで詰め込み式輸送車両の改造品兼対怪物用兵器なので、そもそも人類と戦うようにはできていない。武装は光線や簡易結界、いくつかの銃火器など

 瞬動……動きが直線的になる代わりに圧倒的速度を手に入れる。

 空動……簡単な空間移動ができる。瞬動と同じく動きが直線的になるが、連続使用すれば弱点も補えるかもしれない。
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