転生者の生存記~このイカれた過酷な世界で~   作:バトルマニア(作者)

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売買

 鉱納と小嶌の手伝いの為、兵器を解体して収納袋という見た目以上に物が入る袋に戦利品のすべてを詰め込んでいた。

 

「なんとなくはわかるとはいえ、何度見ても不思議だ。しかも入れたもんまで瞬時に確認できるとかどうなってんだよ……」

「商品説明とかそもそもの量子的時空次元理論でも学べばいいだろ。ネット探せばいくらでも出てくるぞ。ま、詳しいのは学者どもに直接聞かなきゃ無理だが」

「理解できんもんなあんなん。考えた奴は頭狂ってるとしか思えねえよ」

 

 雑談しながら作業を続ける三人は、相変わらずどうなってるのかわからない道具を使っていた。それも仕方がないことで、この世界の高すぎる技術力は、専門職や一部の上位の学者たちによって築き上げられたものだからだ。一般人たちはそれについてこれておらず、簡単なことしか理解していない。

 

「そうだよな。俺も最近チェックしたけど、毎回毎回最終理論とか言って、数年おきに覆ってんもんな。どうやったらあんなん思い付くんだよ」

「お前、科学者や研究者にでもなる気か?やめてくれよ?マジで」

「あと技術者もな。知的好奇心とかロマン求める怪物になられたら収拾付かねえからな。ま、お前みたいな脳筋にはムリだろうが」

 

 戦闘しか取り柄のない奴だと知ってはいるものの、鉱納は心配げに、小嶌はからかうように止めてくる。その発言からこの世界の学者や技術者は相当な厄介者であることが読み取れた。

 

「言ってくれるな、まぁその通りなんだが」

「だろ?難しい事なんて考えたところで楽しくないぜ」

「そうだな。のんびり暮らすのがいい。っとついたぞ」

 

 この世界の技術力は狂っているよな、と無駄話をしながら目的の店にやってきた三人。そこは、この街にどこにでもあるようなボロ付いた高層ビルを改造したような場所だった。

 

「相変わらずボロいな」

「何処もこんなもんだろ。キレイにしたってすぐ汚れるだけだ」

 

 水科の呟きに鉱納が返し、三人は適当に取り付けられた扉を開き店の中に入る。薄汚れた窓から滲み出る光が薄く店内を照らし、積み上げられた商品?のせいで狭くなった道を歩き、次第に人工光に代わっていく奥のカウンターのある店主の元へと足を運んだ。

 

 

「なんだいアンタらか」

 

 呆れたように机に突っ伏している若々しいおばさんは、チラリとこちらの方を見てぶっきらぼうにそう言った。

 

「これを買い取ってほしくてな」

「見せてみな」

 

 鉱納が手渡した袋を受け取り、さっと中身を確認する。

 

「随分と少ないね。擬態機ってところかい?」

「ああ、この通りしてやられたよ。で、今回はいくらになりそうだ?」

 

 参ったというジェスチャーをしつつ買取価格を尋ねる鉱納。

 

「まぁこれぐらいだろうね。大したもんも入ってないし……でもアンタの作った弾があるんならもうちょっと上げられるよ?」

 

 そこそこの金額が提示されたが、割に合っているかと言われればそうでもない金額にまぁこんなものだと割り切る三人。そしていつもの事なのか店主は鉱納に話を持ち掛ける。

 

「今は手持ちが乏しくて無理だが、売れそうにない素材を使って作るつもりだ。その時にでも売りに来るよ」

「頼んだよ。アンタの作る銃弾は需要が高いからね」

 

 ニシシ、と営業スマイルをしつつ金と袋を渡すおばさん。

 

「あといつもの……よりも保存食多めに頼む」

「水科がいるからかい?わかったよ」

 

 それを受け取った鉱納は、すぐにいくらかのお金をカウンターの上に置きばあさんにいくつか商品を頼む。それを嬉しそうに了承し、言われた商品を取りに行った。

 

 

「久々に会ったけど、やっぱ話づらいな機所さんは」

「どこもあんなんだよ、こういうところは。それに機人族だってこともあるだろうし」

「ま、仕事とプライベートはちゃんと分けてるってことだな」

 

 世の中そんなんだとか、仕事以外で出会った時の話をする鉱納と小嶌だが、出会ったことのない水科にはいまいちピンと来ないようで、と言うか変化が微妙過ぎてわからなかった。

 

「用意できたよ」

「ちょっと多くないか?」

 

 そんな雑談をしていると機所さんが商品を持ってきて、鉱納が疑問を投げかける。

 

「サービスさ。黙って受け取んな」

「恩に着ります」

 

 お得意さんだからと多めに商品を渡してくれたようだ。

 

「あと武具とかの整備が必要ならすぐ言うんだよ。壊されちゃたまったもんじゃないからね」

「そうさせてもらいます。では」

 

 そうして三人は店を後にするのだった。

 

 

 




 ~おまけ~
 ・収納袋について
 見た目以上に物が入る、狭間世界で普通に出回っている便利な道具の一つ。色々と便利だが、大切なものを入れるのはお勧めできない。なぜなら、収納袋が壊れると中身が消失するからだ。因みに狭間世界は、空間拡張技術などが普通に出回っているが、あまり好まれない理由でもある。

 ・銃弾について
 実弾と源弾の二種類がこの世界の支流であり、実弾は値が張るが防ぎにくく、源弾は安価だが防ぎやすいという、どちらも一長一短の性能をしている。
 鉱納さんは鉱人族であり、金属操作的なことができ銃弾が作れるため、実弾の弱点である入手のしずらさからくる高価格を解決できる。
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