転生者の放浪記~人間不信の異世界観光~ 作:バトルマニア(作者)
ユウヤたちは、拠点を離れ森の中を進んでいた。
「兄貴、まずはどこ行くんだ?」
「どこって、まずはあの村だ。あそこで情報収集と資金調達をしてから、道なりに進んでいくって感じだな」
行先の決まっていないぶらり旅。その場の気分でどこにでも行けるので、いけるところまで行こう、無理ならそこで諦めて帰ってこればいい。そう考えているユウヤは、深く考えず楽観的に答える。
「それに俺たちはまだこの世界を知らないだろ?まずは知ることから始めないとな。無知だと何があるかわからんし、いざってときに対処に困るだろ?」
「ん~、知らないところに行くんだからそうだよな」
大きな目標がるわけでも、目立ちたいわけでもない。しいて言うなら楽しさは期待しているが、踏み込んだことや危険なことには関わる気はないと考えているぐらいだ。
「頼むから慎重に動いてくれよ。人間関係はどうなるかわからんからな」
「魔物みたいに倒せばいいってわけじゃないからだろ?いつも聞いてるよ」
面白そうなことがあるとすぐに突っ込んでいくリアに注意するユウヤだが、わかっているのかいないのかわからない返答をされていた。
「というか村に入れるのか?今まで一度も入ったことないし」
「村なら問題ないらしい。町とかそれ以上になるとわからんが、その時はその時だ」
身分証明書などは一切持っていない二人は、場合によっては入れない場所も多いだろう。だがその時はその時だと、別に町に入らなくても旅はできるので気にしていなかった。
「ん?」
「どう……誰か来る?」
誰かがこちらに向かってくるのを感じ取り、身構える二人。そして木々の間から相手の姿が見え
「た、助けて!」
「「は?」」
大きな百足型の魔物に少女の姿が見えた。そいつは、木々の間をスルスルと移動し、高速で少女に追い付こうとしている。だが少女も負けじと二人に向かって走ってくる。
「仕方がねえ」
「俺がやる!」
ユウヤが動こうとしたが、その前にリアが木刀を取り出し高速で走り出す。そして少女とすれ違うと、闇を使うことなく、強化だけで百足を叩きのめした。それに百足も怯むが負けじと反撃を繰り出す。しかしリアにはすべてかわされ、簡単に追い詰められていく。
「はぁはぁ……た、助けてくれて、ありがとうございます」
「別にいい。あっちも任せて問題ないからな」
肩で息を切らしている少女にそう言うと、ユウヤはリアの方を見た。
(リアの奴、遊んでやがるな)
闇を使えば一瞬で終わる戦いを、闇を使わずに戦っているリアを見てそう思うユウヤ。
(やっぱあいつは戦闘狂だな)
ユウヤと違い、リアは戦いを楽しむのが主でやっている。そのため、すぐに決着がつかないように相手を見ながら徐々に力を出していくのだ。
(……だがな。こういう時ぐらいさっさと終わらせてくれよ)
実は余裕なのだが、はたから見たら危なそうに見えることから、隣にいる少女がすごく申し訳なさそうにして、話しかけずらかった。
(待つしかないな……)
そうして楽しそうなリアを背景に、何とも言えない少女とユウヤは、戦闘が終わるのを待つことにするのだった。