転生者の放浪記~人間不信の異世界観光~ 作:バトルマニア(作者)
宿屋に戻った二人は、部屋でとあることを話し合っていた。
「今回の出費が大きかった」
「そうだな。でもまだ金はあるだろ?」
魔道具でそれなりの出費をしたユウヤは、残りの残金を見せながらリアに話す。
「確かに、少ないわけじゃないが長く持つかどうかは怪しい」
「まぁ、急な出費はあるだろうし、町に入るんなら宿代で確実に削れるしな」
アルラウネから貰ったお金は大金だったが、それでも今回のような出費を続ければすぐに尽きてしまう金額だ。
「でだ。昼からは村の外へ出て稼ぎに行こうと思う」
「どうやんだ?」
そこで金を稼ぐために、一旦村の外へと出るとの事だった。
「村を回っている間に、どんなものがどんな風に売られてるのかは大体把握した。特に魔石は確実に収入になるだろうな」
村を回った理由の一つである、価値の把握は終わっている。その中で確実に金になるのが魔石だった。
「どこで売るんだ?探索者の所?」
「そんなわけないだろ。あの魔道具屋だ。交渉は必要だろうが、魔石を使うところだから粗悪品でなきゃ買い取ってくれるだろ」
その他には、雑貨店などに売りつける予定だ。
「考えるな~。あそこの方が楽だろうに」
「それは間違っちゃいないが、目を付けられるのは避けたい」
強者を野放しにするほどあちらもバカでないだろうと思っているユウヤは、極力そう言う所には近づきたくなかった。あくまでも、静かに自由に旅をしたいのだ。
巻き込まれることはあっても、中心になっていたり、標的にされたり、逃げられない状況だけは絶対に避けなければならない。
「他の町でもそうやって探していくのか?」
「そうだな。個人店なら情報は出回りにくいし、少なくとも組合なんかよりかは」
電話の件から探索者組合の情報の速さがうかがえるので、一度目を付けられたら大変なことになる。最悪自分の組織どころか、どこにも属さない危険人物として見られる可能性もあった。
無所属の強者とはそんな扱いを受けるのだ。
「ま、町を回って観光しながらゆっくり探していけばいいさ」
「迷宮だってあるしな」
迷宮に行けば確実に儲けられるし、話によると迷宮でも金が手に入るらしいので、最悪売れなくても心配はしていなかった。
「これが自給自足ってやつか」
「さぁな」
どうせなら全部一人でできるしと言うリアに、ユウヤはそう返す。
「そういやなんで宿に帰って来たんだ?そのまま行けばよかったんじゃ?」
「……いやお前、ここ昼飯でんだぞ」
呆れたようにそう言うユウヤに、忘れてたと呆けたリアは
「おお!そうだった。忘れるところだったぜ」
「そんなに外に行くのが楽しみだったのか」
ゆっくりしていたいユウヤとは対照的なリアは、外で遊べると楽しみで仕方がなかったようだ。
「じゃ行くか。もうそろそろ時間だ」
「おう、腹ごしらえだ!」
そして食事も大好きな二人は、機嫌よく食堂に向かうのだった。