転生者の放浪記~人間不信の異世界観光~   作:バトルマニア(作者)

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魔道具屋のおじさん

 魔道具屋の店主は、目の前に並べられた魔石を見て眉を顰める。

 

「俺んとこで売るより、組合行った方がいいと思うが?」

「生憎と俺たちは、探索者じゃないんでな」

 

 そうやり取りして店主は悩む。魔石は魔道具の作成に欠かせないものだ。なので魔道具を作る者としては、どれだけあっても邪魔にならない。

 

(確かに売り物になる魔石ではある。だが直接売りに来るなんてな)

 

 組合を通すと安く買い叩かれることがなく、適正価格でやり取りできる。それに面倒な交渉などもしなくて済む。なので二人のように直接取引しに来る者は少なかった。

 

(まぁ質もそれなりだし、仲介料がないだけこっちは安く済むからいいが……)

 

 二人が持ってきた魔石は、組合から卸す魔石と変わりない質のものだった。それに金を多く使う職業なだけ、少しでも安く済むのは店長としてはうれしかった。

 

「わかった……が、適正な値段で買い取るからそう期待しないように」

「だろうな」

 

 そう言って店長は並べられた魔石を見ていく。

 

(大きさ的にゴブリンとかオークのか。濃さもいい感じだな。それにこれはオーガの……)

 

 鑑定している最中に手が止まる店主。

 

「これオーガのか?」

「そうだな。森で薬草採取してたら出てきたから狩っといたんだ」

 

 後ろで待っていたリアがそう言い

 

「何か問題でも?」

 

 ユウヤが言葉通りの対応をしてきた。

 

「問題って……そりゃオークまでならまだしも、オーガとなるとな。下手したら組合通り越して騎士団が相手する奴らだぞ」

 

 それを聞いた二人は

 

「群れてなかったな」

「うん、そうだな」

 

 どうだったかと記憶を探っていた。

 

「はぐれか何だかわからんが、群れになってると騎士団とか高位の探索者が対処する奴だからな。お前らは強いんだろうが、一般人からしたらゴブリンでも数そろえば脅威だし、オークなんてどうしようもない相手なんだぞ」

 

 そいつらを平気な顔をして殲滅していた二人には関係ないが、どうやら一般人が相手できるのは少数のゴブリンがせいぜいらしい。まぁそのゴブリンも簡単に数が増えてどうしようもなくなるのだが……

 

「迷宮ってんならある程度納得がいくが、それ以外でこれとなると、下手したら群れでもできてんじゃねぇだろうな」

 

「いや、そんなこと言われてもな」

「おう、オレたちにはどうしようもねぇよな」

 

 実際そうだ。店主だってわかってる。

 

「そもそも可能性の話だろ?単なるはぐれの方が高いんじゃないか?それに確かにオーガを狩ったのは俺たちだが、だからって俺たちができることなんて何もないぞ」

「うんうん、邪魔されたから反撃しただけだし」

 

 二人からしたら寝耳に水だ。確かにオーガは強いが、そこまで戦力割く必要ある?程度の認識でしかなかった。同時に殲滅時に討ちもらしがあったことと安易な行動を少し後悔する。今すぐにでも森へ戻って殲滅をしなければ大ごとになるからだ。

 

「それはそうなんだろうが、一応な。小さなミスを放置すれば大ごとになるからな」

 

 店長は一応報告しようと考えているようだ。杞憂だったらそれはそれでいいのだが、二人の へ~、大変だな 程度の反応を見て もしもの時はお前らも巻き込まれるんだぞ と思う反面、 何もないんじゃないか とも思っていた。

 

 

「まぁ、そうか。で、そんなことより、これいくらなんだ?」

「そうだぞ。買い取ってくれるんだろ?」

 

 なので話を早く終わらせようと戻す。

 

「ああ、そうだったな。こっちのがこれぐらいで……」

 

 そうして査定された金額を提示され、納得した二人は魔石を売却し、店を出たのだった。

 

 

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