転生者の放浪記~人間不信の異世界観光~ 作:バトルマニア(作者)
村を出て、道なりに歩いていく二人は適当に雑談をしていた。
「次の町には何があるんだろうな?」
「迷宮と飛行船がある町らしい。随分と凄いものを作るもんだな」
次に行く場所は、それなりに大きな町らしく、なんと飛行船なるものがあるとアルラウネから聞いていた。
「地図の一つでもあればいいんだがな。迷宮の中とかの奴はあるんだろ?組合が売ってるっていうヤツ」
「それとこれは別ものだから無理だな。地図に限らず情報は貴重なものだ。個人で作った簡素なものならまだしも、正式なものは手に入らないだろうな」
ここは前世のように情報があふれる世界ではなく、制限や秘匿が当たり前の世界だ。人伝に聞けたり広く知られている常識的な事以外は、多くが曖昧か大雑把なものだけで、正確な情報は貴重品なのだ。
そして正確に知れる数少ない例外も、組合が出している魔物や迷宮関係の情報だけである。これは人類にとって共通の脅威として認識されているので、大目に見られているのだ。
「確かに情報は大切だよな。一筋縄じゃいかないか」
「俺も探ってはいるが、中々な」
ユウヤは大量の情報を集められるが、それを全て処理できているだけではない。そのため量か質かで使い分けているが、それが原因で見逃す情報もあるのだ。とは言っても、常人を遥かに上回る処理能力で情報を集めているので、余程の事がない限りミスなどしないが……
「飛行船気になるな。何かわかる?」
「いや、名前と用途だけしかわからんかった」
そう言って、リアに飛行船の事を話だす。
「へ~、軽く100人は人を運べる飛行船が四つはあるのか。すげ~」
「もっとあるだろうがな。それは王都と各地を繋ぐ空路らしい。空だから安全に素早く移動できるとよ」
前世の飛行機に比べれば普通に遅いが、地形を無視して一定の速度で移動できるのは大きな利点だ。きっと軍事転用したらすさまじいい戦力となるだろう。予算が持てばの話だが……
「金持ちや重役とかに使わせるんだろうな。そういうの」
「だな。じゃなきゃ採算取れんだろ。相当予算かけてるみたいだし」
こういうのは大抵、高価になりやすく金持ち連中しか使えないのが相場だ。それは大体正しいが、別に一般人も乗れないわけばない。ただ一般人では手が出せないぐらい高いだけだ。
「他になんかないのかよ~」
「ん~そういや、美味いラーメン店があるとか聞いたな」
ラーメン店と聞いて首をかしげるリア。それもそうだろう、今までそんな食い物見たことも聞いたこともないのだ。ユウヤとの生活では、常に米っぽいものを主食にして、宿ではパンにスープだけだから当然と言えば当然だ。
「都会の食いもんか何かか?」
「そんな感じだな。まぁ食ってみればわかるだろ」
実はユウヤも麺を作ろうとしたことはあるのだが、米っぽいものでは上手く作れず毎回おかゆのような謎の食べ物が出来いた経験がある。そこから普通に諦めて、騎士団の話に出てきた時に前世の食べ物として思い出していた。
実はこういう事は多々あり、時間が経ちすぎて実践していないものは、時々思い出す程度で、ほとんど忘れていたりする。だから忘れないついでに、リアに勉強と言って沢山の事を教えているのだ。
「楽しみだな~ラーメン。他にもいっぱいあるんだろうな」
「都会だからな、さぞかし人も物も集まってるんだろうよ」
都会と言うより単なる大きめの町なのだが、勝手に想像を膨らませる二人であった。