転生者の放浪記~人間不信の異世界観光~   作:バトルマニア(作者)

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魔物退治

 リアを止めて、二人で気配を感じた林に近づくユウヤ。

 

「魔物の気配がするな」

「それも結構多い。丁度いいから狩っていくか」

 

 大して強くはないが、それなりの数の魔物の気配を感じ、林の中へと入る二人。

 

「そう言やこれが初めてか。迷宮外での魔物退治は」

「そうだな。まぁ色々あいつから聞いたが」

 

 迷宮外で死亡した魔物がどうなるのかは、アルラウネに聞いていた話だと死体が迷宮に吸収されずに残るので注意と聞いていた。だが、別に迷宮内も吸収速度が速いわけではないので、死体処理が面倒なだけらしい。

 

「自然分解よりも確実に早いとは言え、人目の付いてないときに吸収するから、気が付いたら死体がなくなってた、ぐらいだしな。まぁ色々と楽だが」

「死体で埋め尽くされる光景を見なくて済むから凄い機能だろ」

 

 迷宮は色々と便利で、面倒な作業をしてくれるのだ。まぁこれも、無駄なく迷宮を回すための機能なだけだが。

 

「それと、死体とか素材は迷宮で買い取ってくれるらしいからな。ちゃんと回収するように」

「わかってるよ兄貴。じゃ行ってくる!」

 

 放置しても後々都合が悪くなると思っていたユウヤには、これは朗報だった。使い回さない手はないので、リアにそう伝える。するとリアは、準備が満タンと言わんばかりに闇を染み出させて奥の方へと走って行く。

 

 

「強い気配の方へと一直線に……まぁそこに魔物が多いってのもあるんだろうが」

 

 若干強い気配のする、恐らくリーダー的な魔物のいる場所に走って行ったリア。勿論それ以外にも魔物の気配はするので、逃がさないように後始末をする事にしていた。

 

「一匹残らず狩らせてもらうか」

 

 ユウヤもそう言うと、逃げられないように端にいる魔物の方へと走っていく。そしてその魔物を視界に捉え

 

(狼に乗ったゴブリンか)

 

 チームで動いているのか、複数体のゴブリンライダーとも言える魔物が姿を現し、ユウヤに気付いて戦闘態勢に入る。だがその時点ですでに遅く、ユウヤから放たれた水針弾が的確に全員の脳天を貫いていた。

 

(回収っと、こりゃ速く迷宮へ行った方がいいな)

 

 そして思い出す亜空間の不完全さ。腐りにくいとは言え、腐らないわけではないので、早めに迷宮に行った方がいいと思い直したユウヤは、更に速度を高めて見つけた端から次々にゴブリンたちを狩っていく。

 

「先行部隊とか歩兵とかか?それなりに大きいんだな」

 

 円を描くように移動し狩りまくる中、そう考えてた。チーム分け出来る程度には大きな群れであることがうかがえる。まぁ森の中で嫌なほど相手した連中でもあるので気にしていないが。

 

 

(っと、もうそろそろだな)

 

 明らかに逃げて来たであろうゴブリンを見つけて仕留める。どうやらリアの戦いに巻き込まれまいと、四方八方へ逃げ出しているようだ。

 

「ちゃんと仕留めろよ。まぁこの速度なら余裕だな」

 

 各方向へと逃げている気配はするが、ユウヤたちに比べれば遅すぎて話にならない。ゴブリンライダーもそれなりに速いが、木々の間から射線が通った瞬間に方向を変えることなく水針弾で貫かれていた。

 

(回収は殲滅した後でいいか」

 

 ただ回収が面倒だった。離れすぎていると異空間の回収が届かない。と言うか消耗が激しくなるのでしたくないようだ。

 

(で、こっちは終わったが、リアの方は……)

 

 ゴブリン村とも言える切り開かれた広場のにある簡素な集落。住居は草木を使ったテントのようなものが大半で、中心に大きめのものが見えるだけだ。その中心でリアと強めの気配が戦っていた。

 

「すぐ終わるな」

 

 そう判断するとユウヤは、取りそびれた死体の回収をするためにその場を離れるのだった。

 

 

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