転生者の放浪記~人間不信の異世界観光~ 作:バトルマニア(作者)
やること終えユウヤは、リアの元に向かう為にブリン村に入る。
「殺人現場みたいだな」
死体は回収されているが、斬り殺されたのがわかる血の跡がそこらかしこにあるのを見てそうもらした。
「あ、兄貴!終わったぞ」
「そいつがこの村のボスか」
中心にあった大きな家の前にある広場で、普通のゴブリンよりも大柄で見合った大剣を持ったボロボロの死体を見て、へ~と感想を言う。
「魔物ってたまにする進化で結構強くなるんだってな。そう言う個体か?普通のゴブリンより乱暴で強かったから」
「初めて見るからよくわからないが、多分そうじゃないか?知らんけど」
迷宮内でいた時は、実力はさて置き普通の見た目のゴブリンしか見た事なかったので、判断に困っていた。因みに見た目は実に邪悪そうな風貌で、暴力的なのが伺える。
「あの森にいたオーガよりちょい弱いぐらいか。上位のゴブリンといい勝負できそうだったな」
「そんなに強いのか。アルラウネの迷宮の魔物は、制御利かなくなって結構強い奴ばっかだったって話なのに」
混沌と化してしまった迷宮の魔物に匹敵するほどの強さらしい。まぁそれもトップに立っている魔物の話で、その配下たちはそうでもないのだが。
「まぁいいや、片付けておいてくれ。その後に何かないか探すついでにこの村を潰しておく」
「証拠隠滅だな。バレると面倒だから賛成だ」
トンずらしてもいいが、このまま放置して後で面倒事が降りかかっても嫌なので隠蔽工作をすることにしたようだ。
「特にこれと言ったものはないな。犠牲者も見えない」
「そういうのがあると、後始末が面倒だからよかったな」
気配を探りつつ家を見ていく。どうやら目ぼしいものも、人の犠牲者もいないようだ。最悪の事態は避けられそうだと安心しながら、次々に家を見ていった。
「武器とか衣類を作ろうとしてたのか?これを見る限り」
「簡単なもんだがそうなんだろうな。ま、俺たちには必要ねぇよ」
そんな中見つけたのが、武器や衣類を作ろうとした形跡だ。簡単なものとは言え、武器は殆どのゴブリンが持っていたので大体上手く行っていたのだろう。だが衣類は腰巻ぐらいが限界らしく、ボスがそれより少しい感じの服を着ていただけに留まっていた。
「食料もあるな。俺たちじゃ食えんが」
「腐りかけもある。干し肉でも作ろうとしたのかね?」
少し腐った匂いが漂う家に入ると、ハエが集った肉や集めてきた果物や穀物のようなものが集められている食糧庫に行き着く。勿論二人にとっては食えたものではないので、これも処分だ。
「で、あのデカい家には何があるのかね」
「お宝でもあったりして?」
匂いを払いながら食糧庫を出て近くにあったボスの住んでいたであろう、大きな家に入る。
「なんかの儀式場か?」
「初めて見るわこんなの。魔物もこんな事する奴いるんだな」
そして中に入ってみると、何かしらの儀式場のような雰囲気とよくわからないものが複数置かれていた。二人はこんなことをする魔物は初めて見たが、まぁボスが自分をトップに据えるためにそれっぽいものでも作ったのだろうと思うだけに留まる。
「結局これと言ったものはなしか」
「いい事だ。人の死体でもあってみろ。それこそ面倒極まりない」
下手するとお尋ね者になりかねない。魔物退治と言う社会貢献をしたのにも関わらず、追いかけ回されるなど頭の痛い事この上なかった。
「ま、とりあえずちゃちゃと壊して町に行こうぜ」
「そうだな」
そう言いながら外に出た二人は、証拠の隠蔽と隠滅のために村の破壊をするのだった。