転生者の放浪記~人間不信の異世界観光~   作:バトルマニア(作者)

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とある森の中

 日が昇り、とある森の中で、一人のローブを深く被った気配の薄い人が苛立ちを抱えていた。

 

「ど、どういうことだ!ゴブリンどもはどうした!なぜ何もない!」

 

 ゴブリン村があった場所は忽然と消え、何の変哲もない森へと変わっていた事に驚いているようだ。それに声は抑えているが、内心最悪の気持ちなのは言うまでもない。

 

「……いや落ち着け。昨日まではあったはずだ。何者かに潰されたのか?だが誰だ?なんの反応も痕跡も見つからない?」

 

 昨日の朝確認した時には、ゴブリン村はあった。だが今はこの通りキレイさっぱりなかったように消え失せていた。そう、何の痕跡も残さず、誰がやったのか全く分からない程に。

 

(騎士団や町の探索者ではないのは確かだ。ゴブリンが村を作るほどの群れを成している時点で騒ぎか大事になるはず。仮に秘密裏に殲滅したとしてもここまで完全にできるはずがない)

 

 ブツブツとそう呟く。確かに魔物が群れを成していれば大なり小なり騒ぎになる。数がそろうと言う事は、それほどまでに脅威だからだ。特に繁殖力が強いゴブリンのような魔物であれば、速攻でケリを着けに行かなければ後の祭りになる。

 

 

「じゃあ外部の者か?たまたま見つけて殲滅した?」

 

 町の中に怪し気配は感じられないし、警備自体も厳しくなってない事から、その可能性が高いと判断したようだ。それは正しく、ここを潰したのはユウヤたちだ。

 

(それしか考えられん、が出来すぎている。隠蔽も張ってあったんだぞ)

 

 道からも外れていて、町からも手が届きにくい距離で隠していたのだ。それも来るべき時のために徹底的な隠蔽工作をして、ゴブリンたちに人と係わらさせないようにしていた。

 

(そうなるとそいつらはどこに行った?潰すだけ潰すして終わりか?)

 

 再度言うが町では何も起きていない。正確に言うと、組合側で何かあったが、ここがバレたという情報は一切上がっていない。

 

(いやそうだとしてもだ。他の場所に被害が飛び火する可能性もある。情報収集は当然として、他の仲間に連絡を回して、別の場所も確認しに行かなければ)

 

 何はともあれ、警戒しなければいけない。相手にどんな意思があれ、気が付いたら王手を掛けられていたなどになったら大惨事だ。

 

(にしても、死体の痕跡もない。空間系の力持ちの仕業だろう。相当な手練れだろうが……)

 

 考察通りユウヤたちは非常に強い。最強には届かないがそれと渡り合える程には。だがこいつらにとってはどうでもいいことで。

 

「知ったことではない。死徒十三席を敵に回したことを死をもって後悔させてやる」

 

 そう言いローブの人物は気配を消しながらその場を立ち去ったのだった。

 

 

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