転生者の放浪記~人間不信の異世界観光~ 作:バトルマニア(作者)
次の日になり昼飯を食べたユウヤたちは、人通りの多い場所を通って観光を楽しんでいた。それが功をそうしたのか、誰にも絡まれる事もなく、変なアクシデントも起きずにスムーズに観光が出来ていた。
「ん?兄貴、あれ」
「ああ、組合か。それがどうした?」
村にあった組合よりも大きく、そこそこ人の数も多い。昼方でこの時間だと、早めに切り上げたであろう探索者が帰ってき始める時間帯だった。
「いや、強い気配がそこそこ感じるなと思って」
「そりゃな。二級探索者が数人いるらしいし」
二級探索者。下から、五級~一級、特級とある探索者を分ける等級で、それは探索者としてベテランだという事を指す等級だ。
「そうつらどんなけ強いんだ?」
「強さと言うか優秀さだな。身を守るために最低限は心得てるだろうが、戦うだけがすべてじゃねぇよ」
等級は、依頼達成や組合への貢献度などの実績と信用で決められるので、危険な迷宮や魔物のいる町の外に行く最低限の強さはあるが、採集特化の人や魔物特化などで分かれているので、一概に強い弱いは分からない。
「へ~まぁそりゃそうだよな。戦うだけがすべてじゃないだろうし」
「しいて言うなら、二級はオーガより強いぐらいらしいな」
常に情報網を張っているユウヤが調べた限りでは、以下の通りだそうだ。
一級は、オーガの群れを倒せる程度。
二級は、オーガを倒せる程度。
三級は、オークを倒せる程度。
四級は、ゴブリンを倒せる程度。
五級は、狩りが出来ればいい方。
と言った感じだ。
「ゴブリンやらオークばっかだな。比べる対象」
「まぁ分かりやすいからな。色んな意味で。で、上位種を倒せれば強い方らしい」
勿論これは戦闘専門の探索者が順当に上がって行ったらの話であって、みんながみんなこれほど強いわけではない。ただこれに匹敵する程度には優秀なだけだ。
「で、最後の特級は?」
「特級は規格外を置いてるらしいな。各分野色々あるだろうが、戦闘面だと騎士団長と互角とか、よくわからん話だったな」
相手したらめんどくさそうだと、そんな事を話しながら組合の近くを通り過ぎていた。
「さて、そろそろ着くぞ」
「ここのダンジョンってどんなんだろうな。楽しみだ」
わざわざ組合の近くを通ったのも、この町の迷宮を見る為だ。今日は観光が主なので流石に入りはしないが、場所の確認とどういった物なのかを見に来たのだ。
「おお、ここが迷宮の入り口か」
「『洞窟の迷宮』で現時点で30階層まで攻略してんだとよ」
しばらく歩くと、大きめの石造りで出来た建物が目に入り、その門の奥に迷宮の入り口が見える。この町の迷宮は地下に広がっているタイプの迷宮で、現段階で三十階層まで探索が進んでいるらしい。
「洞窟か。にしても人通りが多いな。こっちとしては願ったりかなったりだけど」
「まぁ組合の管理する迷宮は、基本的に誰でも入れるやつみたいだな」
特に身分証明書の提示などはしておらず、明らかに探索者ではない者たちも素通りしている。どうやら浅い階層で強い魔物が出なければ特に厳しい管理がなされているわけではないようだ。
「ん~中でなんか拾ったり商売してる?」
「浅い階層は危険度が低いからな。ここじゃ壁を掘ったり、たまに落ちている小さな魔石や宝石、鉱物なんを集めたり、奥に行く探索者相手に商売したりしてるみたいだ」
それが最初の数階層の浅い区域で、中階層付近になると、洞窟の様な場所から廃坑のような作りに変わり始め、本格的に魔物が出始める。
「ここどんなけ強い魔物出んの?」
「中階層時点での推奨等級は三級らしいな。まぁ俺たちなら余裕だ。そんでここ、他の迷宮に比べると罠が少ないらしい」
そうは言うが、強くはないが厄介な魔物が多いらしく、対応を間違えてしまうと痛い目を見る相手が多かったりする。
「ん?地図買うのか?」
「広いらしいし、迷ったら嫌だろ?」
他にも迷宮自体が大きく、一階層単位の範囲が広すぎて、迷いやすくなってたりするので、情報収集がてらに適当な地図を買っておいた方がいいだろう。
「で、なにしてんの?」
「これ美味いなっと、出て来たでてきた」
そうしてしばらく近くを回りながら、食べ物や地図を買ったり情報収集をしていると、探索者たちが迷宮から出てきた。そこから会話の内容や、どれぐらいの冒険者がいるのかを一通り観察し、更なる情報収集をする。
「大した情報はないな」
「ああ、なるほど」
当たり前だがそう有用な情報は出てこない。事前に収集した情報が主で、その他は誰が活躍したとか、どれぐらい稼げそうと言った、世間話程度の内容だ。まあそっからでもどんな魔物が出てくるのかとか、階層内部の事や何階層でどれだけ稼げるかと言った予測が立てられたり、外で集めた情報の照らし合わせに、厄介事の事前予測に役立つが。
「さてと、終わったからぶらぶらしながら帰るとするか」
「明日が楽しみだな」
やりたいことも終わったしさっさと帰ろうと思ったユウヤは、リアに声をかけて帰路に就くのだった。