転生者の放浪記~人間不信の異世界観光~ 作:バトルマニア(作者)
朝日が町を照らし始める頃、二人は早速迷宮へと来ていた。
「ここが洞窟の迷宮の中か。朝早くから来たのに人いんだ」
「ほんのり明るい。便利なもんだな」
一般人も入れる迷宮らしいが、流石に今いるのは探索者が中心だ。競争相手が少ない時間帯にきているのか、奥へと行くかのどれかだろう。それに話に聞いていた通り迷宮内はほんのり明るい。
「人を誘い込む天然のトラップなだけある」
「入りやすいしお宝もあるとくればな」
松明や魔道具と言った光源が見あたらない。これは壁が光っているのかと、移動しながら壁を眺めていると、誰かの話声が聞こえた。
「先輩、何でここってこんなに明るいんっすか?」
「それはな、迷宮の中にはヒカリゴケっていう、魔力を吸って光を発する苔があるからだ」
「そんなんですか?便利っすね。って事は、これを瓶にでも入れて持って帰れば、夜も部屋を明るくできるんじゃないっすか?わざわざ魔導具や魔法使わなくても済むんじゃ?」
そう言って新人探索者らしき男は、先輩探索者に聞く。
「止めとけ、ヒカリゴケは魔力のある程度濃い場所じゃなきゃ育たないからな。あと講習でも聞いてると思うが、ヒカリゴケは毒性があるから手出すなよ。迷宮内で体調崩すなんて死を意味するからな。だから装備も薬も準備をきちんとしておくんだぞ」
それを遠目に聞いていたユウヤは、良い事を聞いたと思った。こういう話は街中ではあまり聞かないからだ。彼らにとっては当然なので、こうやって誰かに説明する場面でしか聞く機会がない。
「これ危ないらしいから気を付けろよ」
「へ~確かになんか嫌なの感じるわ」
そうして魔物のいない迷宮内を探索して、地図に描いてあった階段までたどり着いていた。
「結構長かったな」
「そうだな。こりゃ結構、下に行くのは大変そうだ」
三階層までは罠も魔物も出てこない。四階層目からは弱い魔物が出始めて、七階層から罠が出てくる。
魔物の種類としては蟻やムカデ、蜘蛛なんかの虫系の魔物に、スケルトンやゾンビなんかのアンデット系の魔物。その他にもゴーレムなどと実に様々な種類の魔物が出てくるようだ。
なぜこんなに多いのかと言うと、どの魔物も迷宮との相性がいいものや、低コストで作れる魔物しかいないからだ。
「魔物は四階層目からか。で、罠は?」
「この迷宮は、召喚とか呼び寄せが主らしい」
次に罠の内容だが、この迷宮にある罠は、直接殺傷能力はあまり高くない。出てくる例えで言えば、魔物を召喚するものや近くの魔物を呼び出すものが支流で、その他にも魔物の強化、探索者への状態異常を狙ったものなんかもある。
「落とし穴で落下からの竹槍で串刺しとか、矢が飛んできて下手したら即死とかなくてよかったな」
「そう言うのもあるらしいが、罠は理不尽なものは少ないイメージだ。まぁ当然だな。殺し過ぎたら次がなくなる可能性もある」
ただ、行動を阻害してくるような小さな罠は普通にあるので、そこは注意を払わなければいけない。と言うかそっちがメインである。
「あと安全地帯もあるらしいから、休むとしたらそこだな」
「いたせりつくせりだな」
それと迷宮には、小さいながらも罠も魔物も出ない区域がポツポツあるのだ。もう完全に誘い込む気満々である。
「で、合流は?」
「あっちから声掛けしてくるらしいからわからん。とりあえず30階層まで行けばどうにかなるだろ」
そして、迷宮主との合流はいつになるかわからなかった。流石に人の多い場所ではありえないだろうから、きっと人が少ない奥の方に行けば声をかけてくるだろうと言うユウヤ。
「それh楽しみだ。ついでだ。片っ端から狩って行ってやろう。これが迷宮攻略の醍醐味だ」
「流石にやめてやれ」
そう思いながら、二人は迷宮の奥へと進んでいくのであった。