転生者の復活記~死にぞこないの物語~ 作:バトルマニア(作者)
白衣を着た顔の見えない誰かが、満点の星空を見てニヤリと笑っていた。
(誰だ、こいつ……?)
それはまるで、心の底から欲しかったものが手に入った喜びが滲み出たかのようなものだ。それを古内が認識した瞬間、そいつの周りに立体映像が投影され様々な情報が高速で流れていく。
(なに、してんだ?)
相変わらず顔はモヤがかかったように見えないが、ニヤニヤが止まらないのかそういう雰囲気だけは伝わってきていた。そうしていると、視界の端から少年が現れそいつに話しかける。
(聞こえない……なに、話してんだ?)
見た目ではわかりずらいが少年も喜んでいるようで、それと同時に世界に何かが覆いつくされゆっくりと動き出す。
(デケェ……)
そいつらが立っていた……というより乗っていたのは、巨大な動く惑星のようなものだった。それは金属の装甲で覆われており、明らかな人工物、宇宙船のようなものだ。
(どこに、向かってんだ?)
誰にも見えないように、誰にも分らないように仕掛けを施された宇宙船は、流れる周囲の景色は見えなくなり光速を超えどこかを目指して航行をしていく。
(中心?それに……)
チラリと見えた映像には、世界の中心が映し出されており、別の画面では何かを考えているのか、様々な資料が出されている。それについて少年と話し合っているが、納得のいく答えが見つからないのか、困った雰囲気が漂っていた。
(わかんね)
簡単なことは出てくるものの、難しいことは考えられなくなっているようで思考を放棄しだす古内。それもそのはずで、夢のような空間で色も音も認識できなければこうなるだろう。
(ん?どこ、いくんだ?)
そうやってボーと眺めていると、二人は宇宙船の中へと帰っていく。古内はそれを追いかけることもせず、いやできずに意識が薄れだした。
(なにも、できなかったな~)
ぼんやりとそう考える古内。それが何に対してなのかは本人にもわからず、しかし考えることすらしない。ひたすら誰もいなくなった景色を眺めるだけである。
(……?どうして、ここにいるんだろ?)
そしてふとなにかが脳裏をよぎり、次の瞬間にはきれいに消え失せる。それは何も感じないはずなのに、明確な記憶として残っていすらしないのに、善悪問わずあらゆる感情がごちゃ混ぜになったものを感じ、一瞬だけ鳥肌を立たせていた。
そして――
(ま、いっか……なるようになるさ)
最後にはそう行き着き、古内の意識は完全に闇に沈むのだった。