転生者の復活記~死にぞこないの物語~ 作:バトルマニア(作者)
自分のステータスを眺め
「くそっ……」
上がっていないレベルを見てそう口に出る。
「あんなけ殺ってるのに何で上がってねぇんだ……」
ひたすらレベリングを繰り返す古内だったが、三か月前に見たレベルから変わっていなかった。
「トレーニングだって欠かしてねぇし、格下とは言え狩り続けてんだぞ……」
毒を飲み、筋トレをし、体力を付け、技量を磨く。それに加え殲滅する気で手当たり次第の魔物を狩り続けている。無論魔導だけではなく直接戦って経験も得ているのだ。それなのに一向に好転的な変化は訪れない。
「あと三か月しかねえんだぞ……」
焦る古内。死なない期間を過ぎれば、今までのような強引で無茶な修業はできなくなる。要は強くなるタイミングが極端に減る可能性があるのだ。
これでは流石の古内でもポジティブではいられない。
「とりあえず……」
遠くにいる魔物を鑑定する。
「とりあえずだ……」
だがどいつもこいつも格下しかおらず、30レベを超える魔物すら見えない。
「あいつらに……いやダメだ!」
時より現れる高レベルな魔物を思い出し、草原を出ようかどうか考える。そうでなくても、草原の中心にいつの間にか居座るようになった風龍のような魔物もだ。しかし実力の差は絶望的に離れており、殺されるだけでは済まないのではと脳裏をよぎり頭を抱えた。
「どうすれば、いいんだ……どうすれば……」
同格が存在しない状況に、手詰まりを感じ気分が悪くなる。
「くそ、くそっ、くそっ!」
スキルも思考もフル活用して結果を導き出すが、望んだ結果は出てこない。それに大きなストレスを感じ、抑えていた声が大きくなり、表情を歪めながらギシギシと歯を食いしばる。
「勝率が低い。逃げきれないかもしれない。そもそも勝負にならない……ふざけるなよ!」
叫びたい思いを抑え、地団駄の一つもできない。それこそ自身の望む安全や安全から遠ざかることであり、同時にそれだけ弱く無力であるという証明にしかならないからだ。
「……いや、そんなこと言ってられねえよな」
だが、逃げ場も救いもない現実を受け入れなければ進めない。目的があるのなら、生きたいと願うのなら、玉砕覚悟で挑まなければ未来はないのだ。
「要は勝てばいいんだ。どうやっても……手始めに、あいつでも殺りに行くか」
落ち着いて考え直し、丁度良い相手を思い出す。
「たしか、草原と森の境目にいる魔物だったな……」
そうして古内は、フラフラと目的の魔物を殺すために歩き出すのだ。それが他の相手より勝ち目が見えるというだけで、確実性のないものだったとしても……
~おまけ~
・レベリングについて
格下をいくら倒したところでレベル上げには殆ど貢献しない。それでもどうしてもというなら、短期間に大量の割に合わない量を倒さなければいけない。なぜなら格下のエネルギー量は、相対的に見てどうしても少なくなってしまうからで、吸収率が悪く抜けたり維持管理に使われるので、基本レベルアップに使われることはない。
だから格下を倒して小分けに取り込むより、格上を倒して一気に取り込んだ方が圧倒的に効率がいいのだ。