転生者の復活記~死にぞこないの物語~ 作:バトルマニア(作者)
とある大きな平屋なのか二階立ての家なのか微妙な建築物の前に、腕を組んだ古内が経って満足したような顔をしていた。
「あれから二年。ついに俺の住居が出来上がった」
そう言い、謎の思いで話に入り出す。
「最初のころは大変だったな。建築資材の確保とか、魔物との抗争とか」
資源と土地の確保のために自然破壊はお手の物。その際に近くの魔物を殲滅させたり、逆に殺されかけたり、逃げ回ったり、敗走したり……そうやって現在七歳になっており、作り始めておよそ二年。ステータスの年齢部分で確認したので間違いないだろう。
「二年かけた最高の一品。よくここまでできたよ。そう思うだろ、ライム?」
服の中にいるライムにそう話しかけ、ライムも肯定の意を示す。そして伊達に二年経っていないと言わんばかりの完成度に、大満足な古内。ライムと協力して、超人的な身体能力と魔導、掲示板とスキルの叡智を駆使し作り上げられた一軒家だ。
「鍛冶は勿論、普通の住居としても成り立つし、増築も可能。その他思い付きで色々設備も付けたしな」
近代化改修前提もお手の物。魔導を駆使して、前世の家電や鍛冶工房などの現代設備をふんだんに取り入れた施設。ガス溶接やアーク溶接などもできるようにしてあり、最終的には3Dプリンターでの道具作成なども考えていたりもする。これぞ近未来道具とも言えよう。
「初めの頃は建築が全くうまく行かなさ過ぎて、武器とか道具作りに途中迷走したり、油断してたら魔物に家破壊されて一からやり直しとかあったけど、いい思い……」
感慨深く思い出を語り、過去を深く思い出す。その内容はポジティブなものではなく、大変だったと言う記憶だ。そして思い出が増える度に、段々と雰囲気がおかしくなっていく。
「でなわけねぇーだろ!なんであんなに簡単に崩れんだよ!魔物の襲撃もふざけんじゃねぇー!わざわざ結界まで張ったのに見つけ出すんじゃねぇよ!」
イライラが爆発する。その内容は正直言って当然のものだった。こんな危険地帯に住んでいるのだから、すべてがアニメのようにうまく行くはずがないのだ。
「確かに情報はあったがな!詳しい事は曖昧で分かりずれーんだよ!てかちゃんと書かれてねぇーんだよ!スキル無かったらこの程度じゃすまなかったぞ!」
建物を建てる立地や条件、知識や技術などなど、古内には足りないものが多すぎた。そのせいで大分苦労したのがうかがえる。
「確かにな、当然だろうな!基礎も学ばずにこんなところでいきなり本格建築始めるとか想定されてねぇよな!だってあれ、スローライフスレだぞ!馬鹿か俺は!」
しかもいきなり理想の自宅の建築である。無謀にも程がある。もう少し過程や段階を踏んだり、していくのが妥当だろうに、なんとなく出来るだろでやってしまっていた。そしてそれで成し遂げられたのが奇跡だろう。
「はぁはぁ……まぁいい。できたんだから愚痴はこれぐらいにしておこう」
随分苦労したし、遠回りだった気もしなくもないが、そこは超人スペックとスキル、ライムとの協力でゴリ押ししたのだ。スキル万々歳である。これからもよろしく感が凄い。
「さて、自宅もできたし、やるか、探索!」
そして建築のために中途半端に中断していた探索を開始するために、張っていた結界から出るのであった。
~おまけ~
一気に二年進みましたが、この期間古内は資材確保と建築と道具製作以外はあまり何もしていません。なんなら大半の時間を結界内に籠って引きこもりしていたので、探索などもしていませんね。ここからがやっと周囲を知れる最低ラインになります。