転生者の復活記~死にぞこないの物語~ 作:バトルマニア(作者)
『ではまずステータスを決めましょう』
「おお!なんか出てきた!」
システムの声に合わせて、転生者の目の前に半透明の画面が現れる。
「転生の際に決められることは、種族、性別、スキルの三つです。あればですが、固有能力に関しては転生後に表示されます」
「うおお!種族とスキルの数スゲェ―、けど容量足りねぇ!」
勝手に画面を操り、内容を見ていく転生者。そこにはファンタジー御用達の種族やスキルと言ったモノが大量に表示される。それに興奮する転生者だったが、高位の種族やスキルほど容量を要求され、殆どが選択不可になっている。
『種族の大まかな種類は、人間族、魔人族、亜人族、その他です。念じればより詳しい内容がでますが、貴方は種族も性別も固定のようですね』
「なんでだよー!吸血鬼とか魔人とか獣人とかになってみたかったのに!てかなんで性別までっ!?」
それどころか種族に性別まで既に決まっており、その内容も解析不能で表示がバグっていた。
『手出しできなかった領域のせいでしょうね。恐らくそこに大半の容量が食われているのでしょう。ですが安心してください。スキルの方は選べますので』
「選べるって言ったって低レベルなもんばっかじゃん!チートのチの字も見えない!」
初期設定でありそうな、ノーマルスキルはそこそこ選べるけど、中位のスキルは数える程度で、上位スキルは一つか二つが限界と言ったとところだ。
『選べるだけマシです。本来なら才能と努力、運などが関わって取得やレベルアップするものなので……てかもうそろそろ黙ってください。うるさいです』
「あ、ごめん……」
声色を変えたシステムに謝る転生者は、すぐに静かになり詳しい話を聞く。
『才能を無視して取得できるのはここだけですが、転生してからもスキルは普通に取得できます。ですのであまり悲観する必要はありません』
「そういやスキルってなんなんだ?」
転生者は気になったことを率直に聞いた。
『本人の行動や才能によって、各個人に合わせて技術を与える補助システムです。段階は1~10まであり、数値が上がるほど性能も上がります。因みに、基礎能力のレベルが上がれば上がるほど一部のスキル取得や成長が早くなります』
「技術の範疇しか与えられないんだな。その分学習できそうだ」
本人が出来ることの補助や強化、更には知識や技術。凄いことではあるが、あくまで万人が出来る範囲のことを補強しているだけのようだ。
そこで何かを見つけて、追加で質問を飛ばす。
「例えばこの強奪っていうスキルで他人のスキルを奪ったらどうなる?」
『その場合、システム上のスキルを奪ったことになります。ですので、使用者はその分技術が向上し、対象は経験や技術だけが残ります。まぁステータスのことを知っているのはごく一部なので、傍から見れば片方は動きが良くなって、もう片方は多少動きが悪くなる程度でしょうか』
あくまでシステム上のスキルが奪われるだけであり、全てがなくなるわけではないようだ。よって強奪者は、数値ほどスキルを扱えない振り回された状態になり、奪われた側は補助がなくなり技術の精度が下がるらしい。
「まぁ技術の範疇ってんなら当然か」
『はい。スキルレベルも当人の技量に合わせて上昇します。自分が出来る範囲+1ぐらいですね。当人の技量が上がっていることが一番効率がいいですから』
裏を返せば、レベル7の使い手は、スキルを抜かれてもレベル6相当の技術が扱えるのだ。
「スキルを取りすぎるとどうなる?」
『他のスキルが取りにくくなったり、全体的な成長が遅くなります。統合して上位スキルにすれば多少はマシになりますが、基礎レベルが低い状態でやれば、変なスキル構成になったり最悪詰みます』
そして奪った側は、その分容量を取られてしまう。おまけに実力に見合わないレベルのスキルを持ってしまうと、更に成長は鈍化する。幸い強奪スキル自体にも調整機能はついているので多少は大丈夫だが、高レベルや特殊スキルなどを適当に奪いまくってしまうとそうなるのだ。
「ハズレスキルだな」
『そうではありませんよ。使い方を間違っているだけです。転生者にありがちですがね』
ステータスを知れる数少ない存在である転生者にありがちなミス。スキルの大量取得や高レベル化などをして、後の成長に大きく悪影響が出やすいようだ。
「やっぱ地道が一番だな」
『そうですね。急激なレベル上昇は、ショック死を引き起こす場合もありますので』
唐突の告白に一瞬目を丸くする転生者。
「え?なにそれ怖い」
『基礎レベルは最大が100で、存在の成長に合わせて数値が上昇します。その中で最も効率がいいのは、他の高レベル存在を殺して、その存在の残滓を取り込むことです。その時に取り込みすぎると過剰摂取で死に至ります』
そう言って実際の様子を脳内に流される転生者。どうやら強力な存在は複数人か、特殊なスキル持ちじゃないとダメらしい。でなければ最悪即死してしまうようだ。
「そういやなんでレベルに上限があるんだ?」
『それがシステムの限界だからです。強くなりすぎるとこちらとしても管理しづらいので』
能力が上がりやすいようにしているようだが、上限を設けることによってインフレを未然に防いでいた。なぜなら、強くなりすぎて世界を壊されでもしたら困るからである。
「てかなんで強くする必要があるんだ?」
『質問が多いですね。まぁ聞かれたら答えますが……それはですね、強力な存在は膨大なエネルギーを発生させます。それをシステムを通じて回収することによって世界に還元させてるんです。それに人類や魔物などを利用しているだけですよ。……面倒なので適当に情報突っ込みますね』
そう言ってシステムは、世界の状況や自身のことについて軽い情報を転生者に見せつける。
「お、おおっ!なるほど、そういうことか。じゃなきゃ滅ぶんだな、だから調整していると」
『はい、そうです。人類や生物にとって過剰なエネルギーは悪影響でしかありませんし、こちらも漏れ出すエネルギーの回収と不足分の補填をしなければいけません。なにとぞご理解を』
事情を話したシステムは、スキル選択画面に戻す。
『ということで、スキルの選択をしてください』
「あ、はい、わかりました」
そのままシステムに言われるがまま、転生者はスキルを決めることにするのであった。
~おまけ~
・種族とコスト(最低値)
人間族……コストは100で、特殊なこと以外何にでも適性がある。主に生命力という名の気力などを扱い、基礎能力を強化できる。魔法は苦手で、それを技術にまで落とし込んだ魔術をよく使う。
魔人族……コストは200~500で、基本的に能力も高く主に魔力を使うことから、特に魔法系統に優れている。魔族と言っても様々な種族があり、人間そっくりな魔人から吸血鬼や妖精、アラクネなど魔力を主体とした者たちの総称。
亜人族……コストは300~700で、上記の二種族以外の各種族ごとに特殊な能力を持ち合わせている者たちの総称。獣人や竜人や鬼人、エルフやドワーフなど種類が豊富。基本的な主力が気力か魔力以外の使い手の集まり。
その他……コストは100~1000で、魔物や精霊などの人類以外のカテゴリ。
・基礎レベルについて
上限は100で、レベルが上がる度に身体能力やその機能が上がり、容量が増す。これにより物覚えが早くなったり、スキルの取得やレベルアップがしやすくなる。
レベル上げ方法は、戦闘なしでも年齢と共に20前半まで上がり、訓練や何かを倒すことによってそれ以上のレベルにすることができる。
また対策を取っていないと急激なレベルアップで死に至ることがある。