転生者の復活記~死にぞこないの物語~   作:バトルマニア(作者)

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夢だ

 白を基調とされた神殿、そのどこかの一室で、いつも見る女性が神かそれに至ったと思われる男の前に立っていた。

 

(またこいつだ)

 

 女性はどこまでも温和にニコニコとした笑みを見せて、神に話しかけている。それに対し神は神妙な面持ちでその話を聞いてきた。

 

(こいつが誰かのかわかってきた)

 

 プロジェクターでなにやら映像を見せながら話している様子はさながら営業マンだが、相変わらず内容も声も聞こえない。だがなぜかこの女性の名前が分かっていた。

 

 

(木枯 和夜か。マジで誰なんだ?)

 

 そう考えていると、時間が進み発展した星をバックに神々たちに囲まれた木枯の姿があり、星のすべてが観測機の作り出した構造体によって覆われていた。

 

(嘘はついてない。悪気もない。ただ交渉が決裂しただけか)

 

 木枯が何をしたのか、大体分かる。彼女は嘘も偽りもなく話し続ける。ただひたすらに現実を語り続ける。それに対し神々が怒りの表情をしていた。

 

(木枯のした事は……どうなんだろうか?わからない)

 

 いい未来を見せてやった。そうなるように協力もしてやった。だがそれは神々と協力者である木枯にとっての都合の良い未来だ。その結果この星は終わりを迎えようとしていた。

 

(意思のない星を食い尽くした。治すなんて不効率でムダだからこの星を離れるように助言した。何なら改造してやろうかと。なのに争いが起きている)

 

 木枯は正直者だ。だが聞かれた事と言いたいことしか話さない。示すデータに嘘偽りはなく、平均的で最頻値で中央値的な普通のデータを見せ続けただけだ。誰もが納得し安心しただろう、その結果がこれだ。

 

(星の内側で争いが起きても、木枯は黙っていた。別にそこまで契約した覚えがないからだな。その間も求められた結果は出し続けたはずなのに)

 

 劇的な発展に神も星も耐えられなかった。それで利益を得たのは、木枯と観測機だけだ。神秘も資源もすべてこいつらに吸い上げられていた。

 

(囲まれて感情をぶつけられて、あいつは――)

 

 それは決して契約違反でも何でもないのだが、こいつが元凶だと目の前の木枯を殺そうとした結果が、契約の破棄による争いである。

 

(残念そうにするだけか。わかってる)

 

 次々に木枯へと攻撃を仕掛け、向かって行く上位の神たち。

 

(お前からすれば、無数にある可能性を一つ潰しただけだもんな)

 

 そのすべてが、何もできずに殺されていく。

 

(もったいないから星も取り込んで)

 

 星もどんどん解体されて行き、観測機の中へと落ちていく。

 

(何も残らない。誰にも知られることなく消えて……いやあいつの中で残っていくんだな。ちゃんとしてやらなきゃダメだから……)

 

 隔離され、隠蔽された小さな世界はの中で、観測機にすべて回収されていくのだった。

 

 

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