転生者の復活記~死にぞこないの物語~ 作:バトルマニア(作者)
ベシベシと叩かれ目が覚める。
「ここは……小鬼?」
寝ぼけた様子で周囲を見渡すと、どこかの大きめの木造建築の家の中で目が覚めていた。しかも周囲には小鬼が何人かおり、外にもいる事が気配で分かった。
「だれ?てか俺はこんな所におるん?」
少しづつ意識が覚醒してきて、疑問だらけになる。それもそうだろう。小鬼に気絶させられたのにも関わらず無事に生きているのだ。
「……ライムのお陰か」
モゾモゾと服の中で蠢くライムに気を向け、そう呟く。どうやらライムのお陰で、首の皮一枚繋がっていたようだ。周囲の状況的に古内はそう判断した。
「ほいっと。で、交渉とかできるか?」
立ち上がり、この村の村長と思われる小鬼に話しかけながらステータスを除く
・
・Lv76
迷宮込みの人間界でも滅多にお目にかかれない、小鬼とは思えない高レベルである。そして途中で妨害したのか、スキルは見られていなかった。
「すまん、つい出来心で……」
干渉された事に気が付いたのか、不快そうにする村長に謝る古内。どうやらこのレベルとなると、大抵の干渉は気づかれる様だ。
「で、話なんだが。殺さないでいてくれてありがとう。俺たちと仲良くしないか?」
古内の言葉に嫌そうな顔は消えない。後ろで控えている小鬼たちも同じだ。
「俺こういうの作れるけどさ、どうよ?」
自慢の短剣を取り出し、村長に見せる。そして追加で、どんどんと自作の道具や設計図も近くにあった机の上に並べていき、どうだと小鬼たちを見る古内。
「他にも色々作れるぞ。アイデアだって出せる。だ、だからな、ほら、助けてくれ!」
なんやこいつ、とか、呆れた様子で見つめられる視線に耐えかねて、声が大きくなる。
「まだ死にたくなんだ!せっかく転生してチートやっぽいとか思ってたらそうもでもないし!人がいない所に飛ばされるし!」
凄まじい悲壮感を漂わせて、次々に言葉をぶつける。それを呆然と聞いている小鬼たち。
「魔物強いし!意思疎通取れる奴なんて殆どいないし!一人じゃ虚無感が凄いんだよ!頭がおかしくなる!だから友達になってくれ!」
悲痛な叫びを聞いた小鬼たちは、どうしたものかと悩む。自分たちと似たような存在であり、別に脅威でも邪魔でもないし、素材にも食材にもならないのだから、見逃す分には構わない。だが一緒にいさせてくれは困る相談だからだ。
「せめて何かしら友好関係を結ばせてくれないか?取引からもでもいい、用意できるものは何でもしよう!」
悪感情を感じられない戸惑いを感じ取った古内は、ここぞと言わんばかりに話をねじ込む。
「早速友好の印に、この中から好きなのを選んでくれ!いくらでもいいぞ!」
出した道具たちを小鬼に見せびらかし、チラリと横目で見た少しの興味も見逃がさずに、テンポよく説明を始める。その事により、この場の流れは古内を中心に流れ操られていた。
(そしてゆくゆくは言葉も文字も浸透させて、人化薬を作ってな……)
古内は興奮し怪しいニヤニヤがでそうになるが抑え、それを笑顔に変えてスラスラと話を進めるのだった。