転生者の復活記~死にぞこないの物語~ 作:バトルマニア(作者)
あれから半年がたち、関係も良好になってきたところで、ライムを外に置いて村長の家にてとある薬を納品しにきていた。
「今までの薬に加えなんと、新しいのを作りました!最新版の強化薬です!」
それはやっとの思いで完成させた人化薬だ。それを見て、どんな薬だと効かれる前に説明を開始する。
「どうですか村長?最近は魔物の動きも活発で被害が多いと聞きます。死人が出ていないのが幸いですが、それでも!力不足味を感じる事も多いと意見を聞いて、これを作ったのです!」
現状に適したそれっぽい売り文句である。嘘など一切混じっていない純粋な善意を前面に出しているが
「ご心配なく!安全性は検証済み!これで村の戦力アップ間違いなしです!ぜひどう、ぞ……」
どっからどう見ても怪しいその薬に怪訝な顔をして目に力が入るを感じた古内は、勢いが落ちて口ごもる。
「へ、変な薬ではないですよ?」
古内にとってはである。
「口調がおかしい?何をおっしゃっているのかさっぱり」
いつもの事だ。変なものを売りつけようとする時は胡散臭くなる。
「いや、本当に……」
眼光が強くなり、目を逸らす。
そして負けを認めたように、諦めて話し出した。
「……強制進化薬です。それも人化薬の」
そんな効果なんだ?と聞かれ、渋々答える。
「人類種へと作り替える薬だよ。ライムいるだろ?あれみたいなもんになる」
ライムに人化薬を試した結果、完璧に成功したのだ。掲示板に書かれていたものが足りずにアレンジを加えているが、そんな事些細などうでもよい。成功したと言う結果があればそれでよい。
「ってことで、ささ、一度試してみましょう!湧き上がる力にきっと驚かれますよ。グイっとお願いします!」
押し付けるように人化薬を手渡し、飲むジェスチャーをした。しかしなかなか手を付けない、当然である。
「へ?別にそんなことする必要ないって?またまた、戦力が強い事に越した事もないでしょう?」
少し押されそうになるが、踏ん張り押し返す。
「いいや、そんなことは……」
色々言われる、隙だからけの理屈を突かれまくる。
「うぐ、そんな……」
痛いところを突かれまくる。わかり切っていたことだ、今の古内は孤独ではないし、なにより小鬼側に利はないときっぱり断られてしまった。
「ことは……」
完全に消沈した古内は、渋々薬を回収し、いつも通りの納品と、心ばかしの寝装品を説明して、トボトボと村長の家を出た。
「ご主人……聞くまでもなさそうですね」
「ああ、そうだ。見ての通り惨敗だ」
外で待っていた髪型以外自分とそっくりの人物、ライムと合流し、小鬼たちとあいさつしながら帰る二人。
「他の商品は喜んでくれたんだがな」
「まぁいきなり人化してくださいは無理があるでしょうね」
そして雑談しながら村から出てしばらくした後
「でもあれは渡せた。及第点だ」
「諦めませんね、まぁそう言う所が好きなんですが」
ニヤリとした古内に、ライムは呆れつつも、二人は仲がよさそうに帰路に着くのだった。