異能学園の用務員   作:バトルマニア(作者)

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昼飯

 学園長と話をしていると昼になっており、快人は学園長に昼飯を一緒に食べようと誘われていた。

 

「知ってると思うが、ここの学食はすべてタダだ。勿論職員の食事も同じくね。これも麻希さんのお陰なんだけどね」

「まぁ母さんですから」

 

 職員用の食堂で、頼んだメニューを待つ二人。因みに今日は麻希は来ていない。魔界の件で色々あったため、一応他の世界も見てくると休みを取っているのだ。なので快人は弁当を持っておらず、定食を食べに来ている。

 

「一流の料理人が作る学食なんて世界でも数少ないだろう。流石は麻希さんが揃えただけはある」

「まぁ母さんは飯にはうるさいですから」

 

 せっかくだからいいものを食べたい。何ならみんなにも分けてあげようと言って作ったのがこの学食だ。おいしさや栄養バランスに富んだ品がなんと和洋折衷何でもそろっている。しかも過度な要求でなければ新たに品を作ってくれるサービスまで手掛けていた。

 

 

「っと、話している間に料理ができたみたいだ。私が取ってこよう」

「お願いします」

 

 渡されていたブザーがなり、学園長が取ってくると言って席を立つ。そしてササっと返って来た。

 

「今週の定食はサバの味噌煮か。美味そうだ」

「そうだね。定食を準備してくれてホント助かるよ。困ったときはこれを選べばいいからね」

 

 適当に選んでもおいしい定食を準備してくれているシステムを作った麻希に感謝しつつ、二人は食べ始める。

 

「ところで、組織内に怪しい動きがあるってホントなんですか?」

「……ああ、それは間違いない。少しづつだがそれは広がりつつある。最悪なのが、麻希さんが放置している連中と見分けがつかないってところだ」

 

 話し合いで出てきたことを再度聞き返す快人。それに頷き、困った様に渋い顔をする学園長。

 

「母さんももう少し対処してくれればいいのに。流石にこの事態は見過ごしちゃいけないと思うんだがな」

「その通りだ。だがそれ以外は問題が多いが、麻希さんの直属の部下はまだ裏切っていない。と言うか裏切る気はないだろうな」

 

 麻希の部下の多くは、裏世界の被害者や力でねじ伏せた者たちだ。その中でも直属の部下は、助けた被害者で構成されているため裏切り者は出にくい。

 

「母さんは例え全員相手しようが大丈夫なんだろうけど、こっちはたまったもんじゃないからな」

「力で抑え込んで、軽い自由と引き換えに部下にしている連中は何をしでかすかわからない。麻希さんありきの縛りなんて長くは持たない。あの人だってずっと現役でいられるわけじゃないだろう。最近は疲れが見える場面が多くなってきている」

 

 いつものことながらため息をつく二人。世界規模を個人でどうにかできるのは、この世界で麻希さん以外いないのだ。その本人が適当に動いているのだから、平和と秩序を重んじる者たちはストレスが絶えない。

 

「因みに俺は、母さんの後とか継がないですからね。身が重すぎる」

「そこを何とか頼む。麻希さんの息子である快人君ぐらいしか後継ぎできないんだ」

 

 個人としては麻希の次に強い快人だが、極端に強いわけではないため世界を相手どれるほど強くはない。なので麻希の後など継げないと考えている。だが学園長からすれば抑止力として、まとめ役として継いで欲しいと考えていた。

 

「いやいや無理ですよ。それに母さんはなんか近いうちに何とかとか言ってたし、組織についてはどっちでもいいって言ってましたよ」

 

 嘘だろ?と言う顔で快人を見る学園長だが、麻希としては世界との契約が優先な為、受け継がせてもそちらだけのつもりではいる。麻希も成り行きと面白半分で作った組織を、無理矢理快人に押し付けるつもりはないのだ。せいぜい最低限の後始末をして終わらせるのだろう。

 

「楽なんだがな。君たちに任せた方が……」

「大丈夫ですよ。裏も表も総合では似たような戦力でしょ?そもそも拮抗しているところに割り込んだのが悪いって、母さんも言ってましたし。元に戻るだけですよ」

 

 どれだけ強力でも『狭間の住人』は部外者であることには変わりない。なので極論いなくなっても何も変わらないのだ。

 

「ま、まぁその話は後々として、こちらでも麻希さんと話し合わなきゃだし」

「無理矢理押し付けようとしないでくださいね。ホント、俺じゃあいつらを制御なんてできませんから。まぁ後始末ぐらいは手伝いますけど、あまり期待しないでくださいね。ではお先に失礼します」

 

 そして先に食事が終わった快人は片付けのために立ち上がり、学園長は そうか……と呟き、二人は別れるのだった。

 

 

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