今日も今日とて出勤する快人は、あらかたの仕事を終わらせて最後の仕事場である訓練場に来ていた。
「広いな、ここ整備するのか」
当たり前だが訓練場は広い。そして多くの生徒が入り異能の訓練をする場所なので、消耗も速く短いスパンで整備しなければいけない。
「あ~めんうなどい。パッと見キレイそのにな。あ~、あそことあそこか。確かになんかおかしいな」
普段から維持管理されているので見た目では分かりにくいが、快人にはどこが悪いのか一目でわかってしまう。場所によっては、工事が必要な所もあるのだが、今回は大丈夫そうなのがせめてもの救いだろうか。
「他には……ん?誰だ?」
一応見落としがないか確認をしていると、訓練場に誰かが入ってくる気配を感じ、確認のためにそちらを見た。
「快人さん。お疲れ様です」
「こんな時でも仕事とは大変だね」
「そうですね。まぁ慣れてますから」
そこには子供を連れたシャドウとエクスの姿がおり、全員が武器を携えたやる気満々の様子だ。
「久しぶり!快人さん!」
「お久しぶりです。快人さん」
「ああ、どうも。今からここ使うんですか?」
ノルトマとアルテラに挨拶を返しつつ、訓練場を使うのかと聞き出す。
「はい、整備は昼からと聞いていたので、それまで使うつもりです。一応今日の朝に連絡は入れていたのですが、聞いていませんか?」
「そうですか。いえ、大丈夫です。分かりました。こちらも速く仕事が終わって来ていただけなので、ご自由にどうぞ」
シャドウの言葉に納得した快人は、手元にあった書類の確認をしたが何もなく、連絡もなかったがそう言う事かと身を引いた。
(今日の朝か、入れ違いだな。早く終わらせたかったら少し早出して仕事してたが悪手だったな)
よくある勝手な早出と言う奴だ。認識自体はされているが給料も出ない所謂サービス残業のようなもので、後の業務を円滑に済ませるためや現場の清掃整備、明らかに過剰な仕事量を仕方がなくこなす場合によく見られる。
「ね~、久しぶりなんだからちょっと相手してよ!」
「そうですね。少し実力が見てみたいです」
そう考えていると、ノルトマとアルテラがそう言ってきて、親であるシャドウとエクスも乗り気に頼めないか?と言ってきていた。
「そうですね。少しだけならいいですよ」
そう言い、喜ぶ四人に準備をするからと作業道具を置いて返ってくる。
「よし、どこからでもかかってこい!」
「じゃあいくよ!」
「行かせていただきます!」
ノルトマが二丁拳銃で狙い撃ち、アルテラが光る剣を作り出し距離を詰めてきた。それに対し快人は銃撃を避けて、接近してきたアルテラの手首を掴み地面にねじ伏せる。
「なっ!?」
「少し詰めが甘いな」
「がっ!?」
ノルトマからの銃撃を紙一重でかわし、反動でアルテラを投げ飛ばす。それと同時に一気に距離を詰めてノルトマを強く衝撃が伝わらないように軽く殴り飛ばす。
「で、次は何をするんだ?」
「それは――」
「攻める!」
アルテラが素早く距離を詰め、ノルトマが銃撃で快人の動きに制限をかけた。それを普通にかわしながら、二人を観察する快人。
「剣の振りが甘いな、間が待ってない。そっちが露骨に狙いすぎだ。もう少しフェイントを加えないと……っとそれはないな」
「わっ!?」
「うそっ!?」
アドバイスを聞いてすぐに実践しようと試みるのはいい事だが、素直すぎるのは問題だなと思いながらノルトマの射線上にアルテラを誘導する。そして当たりそうなところでこかしていた。
「さて、次はノルトマの方を見ようか」
「っ!?だったら!」
近づく快人にノルトマは、自身の影から鞭のような影を複数具現化し、縦横無尽に振り回す。これにより接近を阻止しつつ、銃撃で攻撃できると考えているようだ。
「制御が甘いし適当に振り回してるな?」
「入ってくるの!?」
ひょいひょい避けながら普通に散歩感覚で入ってくる快人に驚くノルトマ。そこで意を決したような表情になり
「はぁっ!!」
刺突の影を伸ばして快人を貫こうとする。
「見え見えじゃ意味ないだろ」
それすらも普通に避けた快人は、一気に距離を詰め、終わりだと言ってねじ伏せて倒していた。
「流石ね、快人君」
「まったく勝負になってなかったわ」
エクスとシャドウはそう感想をもらし、倒れた二人に近づく。
「怪我はさせないようにしましたから。では少し疲れたので休んどきますね」
そう話、次いでに何時まで申請したのかを聞き出して端の方へと行く。
「今から13時までか。昼休憩終わった辺りね。普通なら。はぁ~、トラブルがなきゃ、一日ぐらい休めるかな?ゴールデンウイーク」
快人は、四人の戦いを眺めながらそう呟くのだった。
・投稿キャラを使わせていただきました。