異能学園の用務員   作:バトルマニア(作者)

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ゴールデンウイーク最後の日

 ゴールデンウイーク最後の日になり、やっと休みが取れた快人は、町に出ていつものように散歩をしていた。

 

「土曜日まで使う羽目になるとは……まぁいい。やっとの休みだ。適当に店でも回って買い物でもするか」

 

 土曜日まで使うとは思っていなかったのか、疲れたように町を見渡す。

 

「変なもんはないな。……そうだよ、こんな時ぐらいみんな休めばいいんだよ」

 

 仕事が忙しくなり、休日も何かに巻き込まれる。そんな濃密な日々を過ごす快人は、久々の穏やかなひと時に安心したようにそう呟く。

 

「怪人が出たり、魔物?みたいな怪物が出てきたり、路地裏で異能力者がいたり、どうなってんだこの世界?」

 

 飽きがこないことはいい事だが、常にどこかで人知れず事件が起きている。巨大生物やヒーローが出た時には後始末に追われたな。と目を遠くして思っていた。

 

「なんか母さんが言ってたな。異常が多いだの、世界がどうたら」

 

 異常が多いほど世界からエネルギーが抜けて大変になっていると言う事なのだが、快人を含めた大半はそれを知らない。そんな世界だから、狭間の住人が迷い込めたとも言うが……

 

「まぁ俺にはどうしようもないな。っと、丁度いい、少し早いがここで昼食でも取るか」

 

 そう思い、近くにあった喫茶店に入る。

 

 

「ん?あいつら?」

 

 中に入り、店員とやり取りをして適当な席に向かおうとする。だがそこで見たことのある二組のカップルが目に入り、そちらに行く。

 

「渡辺にみんな、奇遇だな。こんなところで、今から飯か?」

「小崎か。久しぶり。そっちこそ」

「小崎さん。お久しぶりです」

「久しぶり~そうだよ~」

「一緒に食うか?席も空いてるし」

 

 友達の渡辺に話しかけ、その連れの三人も挨拶して、一緒に昼飯を食おうぜと誘ってくる。それに甘える形で、小崎も席に座った。

 

「降魔さんに、狼谷、晋野。久しぶりだな。お前らも散歩か?」

「飯作るのが面倒いから、適当に外食してるだけだ」

「ほんと小崎さんは散歩が好きですね」

「すぐに散策行こうとするかね~」

 

 晋野、降魔、狼谷の順に答え、で何にすると渡辺がメニュー表を手渡してくる。それを見ながら適当に品を決めて、やって来た店員に伝えていく。

 

「ここ美味しいんだよね~。毎日でも来たいね~」

「無茶言うなよ。俺たちにはそんな金ねぇだろ。なんせさえ無茶言って田舎から出てきたんだから」

「そう言えばお二人は、田舎の方から来たんですよね?どんなところだったんですか?渡辺さんや小崎さんとも始めから仲がよさそうなもの気になりますし、聞いても?」

 

 狼谷と普野の話に降魔が気になったのか聞いていた。

 

「二人の住んでた場所は相当田舎でね。何と人狼伝説がある場所だったんだ」

「人狼伝説ですか?」

 

 渡辺が彼女である降魔にそう言い

 

「そうだな。俺たちが行った時も大変な事件が起きたんだ」

「そうそう。人狼に人が襲われてって話なんだ」

「そ、それは恐ろしいですね。どうなったんですか?」

 

 小崎もノリに乗って話を続けようとした。だがそこで普野と狼谷が声をかける。

 

 

「大変な事件は起きましたが、人狼とは関係ないですよ、降魔さん。二人もそう言うのやめてくださいよ」

「そうだよ~。それに人狼伝説って、単なる言い伝えでそんな大層なものでもないし、実際いなかったでしょ?」

「そうなんですか?ビックリしました。最近色々聞きますし、つい本当かと」

「悪い悪い」

「ちょっと話盛り過ぎたわ」

 

 悪乗りをした二人は、軽く謝り話を元に戻す。

 

「ちょっと高校の時に、俺と小崎とあと山田と小林で人狼が出るって話のある田舎に行ったんだ。そこが二人のいた村で、そこで二人と仲良くなったんだ」

「事件ってのも人狼に成りすまして、村人を襲っていた強盗の事だ」

「詳しく言うと、空き巣に失敗した犯人が逃げる際に目撃者を襲った事件だ。それで話が大げさになって人狼ってことになりかけた。幸い大したことではなかったけど、ホント迷惑な話だよ」

「外から来た人は怖いね~って話でもちきりだったよ~。都会の人も無暗に田舎なんて来るもんじゃないね~」

 

 ひと昔前に地方へ田舎へみたいな話が上がっていたことがあり、それで移り住んできた人が多くなり各地で問題が起きたことがあった。その一つが今回の話に上がったことだ。

 

「それは大変でしたね」

「うん、そうだよ~。僕たちのいたような田舎には、便利なものなんて数える程度しかないしね~」

「自然豊かって言うけど、実際は自然しかないってことだ。移動も車がないとまともにできないな」

「やっぱ立地がね。大人数が住むのに向いてないんだよ、そう言う所は」

「いつの時代も変わらんな」

 

 田舎あるあるはどこに行っても同じなようだ。やはり利便性に欠けるとこうなりやすい。そんなことを話していると料理が届き、雑談しながらみんな楽しく食べ始める。

 

 

(……人狼か。ホントにいないと思ってんだろうか?)

 

 そんな様子を見ながら小崎は、狼谷をチラリと見てそう考えた。

 

(たまにこいつに狼の耳とか尻尾出てるけど誰も気にしないんだよな)

 

 小崎はたまにしか見た事ないし、見た時も堂々と生やしていて誰も気にしていないので見間違えではないかと考えていたが……

 

「あ?え?」

「僕をジロジロ見てどうしたの~。なんかついてる?」

「女性を、人の彼女をそんな目で見るのはちょっとな。なんも……ってこれか。ちゃんと食えよ、お前」

「汚れが気になったのか?だが友人相手とは言えジロジロ見るのはダメだと思うぞ。ちゃんと言わなきゃ」

「小崎さん、そうですよ。ちゃんと言わなきゃ勘違いされちゃいますよ」

 

 なんかついてると言うか、生えてる耳と尻尾が と思った小崎だが、誰も気にしない事に、幻覚か認識災害か?と思いながら、少しいちゃつく狼谷と普野に謝るのだった。

 

 

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