少ない休みを終えて、怠い体を動かし仕事に戻る。
「五月病か?はぁ~、ダメだな。こんなんじゃ」
ゴールデンウイークが終えてに三日が経っていた。この間別に大きなことは起きず、いつも通りの仕事をこなしていた。だが快人は怠さを感じ、五月病を疑う。
「心なしかみんなも調子上がってなさそうだし、もしかしたら異変だったりして?いや母さんがいるのにそこまでの事が起きるわけないか」
麻希が帰ってきて、学園内の厄介事は落ち着きを取り戻す。昔なら麻希など関係なく暴れていた連中も、麻希の恐ろしさを知ってからはみんな大人しくなっていた。そしてなにより麻希の行動範囲が広がったことが、敵対勢力にとってはすごく効いているようだ。
(それに母さん、最近ピリついてるしな)
それに加え、一部の者にしか気づいていないが、今の麻希は心なしかピリついていた。それをバレないように隠しているようだが、他人がチラリと見た時や近くにいることが多い快人は気づいていた。
(表立って動いてる奴はいないけど、裏で動いてそうだもんな。調べて見るか?)
だがそれを踏まえてもあくまでも麻希に目を付けられないように、表立って動いてないだけだ。水面下ではコソコソ動いているだろう。現にそれらしい気配は感じる。
(でも俺には詳しくわからないし、母さんも動かないし……いつもみたいに仕掛けてくるまでまってるのかね)
快人は未熟者だ。できると使い熟しているは違うように、気配は感じてもそれを特定できない。それに対処する時などは、偶然出くわすか要請があった時だけだ。それ以外だと各所で対処可能か、麻希の遊び相手になって終わる。
(でもまぁ、仕方がないほっとくわけにもいかんしな)
だが今回は放置する訳にはいかなかった。理由は仕事だからだ。学園長からも言われているが、この学園を守り維持する事が仕事になった以上、麻希が動かないのであれば快人が動かなければいけない。
(……母さんにも困ったもんだ。いくら人類が二の次だって言って……も?)
いつだったか昔?聞いた話を思い出す。だがそれと同時にいつ聞いたか思い出せなかった。
つい最近だったのか、子供の時なのか、高校卒業時なのか、コネ入社した時なのか、フリーターしてた時なのか、とにかくいつの話だったのか、探っても出て来ないし、全部で聞いたことあるような違和感を感じていた。
「まぁいいや。めんどくさいが、この仕事終わったら探しに行くか」
そして快人は答えの出ない疑問を捨てて、次の仕事のために現在やっている清掃業務を速めに終わらせるために手を速めるのだった。