休日になり、快人はレチアに付き合いながら町中を歩いていた。悪魔らしさを抜いただけとは言え、レチアは珍しく人間に擬態して、護衛たちはそれに驚いていた。因みに彼女らは、擬態して付かず離れずを維持して護衛をしている。
「母さんが行ったけど、大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ~。あれは単なる確認だしね。あと国の方も私の影武者のカケトナがいるし、その娘のカケトも護衛として優秀だからね~」
快人は詳しい事は知らないが、レチアは大丈夫と返す。一応、国としての体裁は保っているようだ。
「へ~」
「それに後釜もいるしね~。ロゼリアって言う、悪魔と竜のハーフの子。悪魔竜ってところかな?詳しい事は知らないけど」
悪魔界にも竜やその他の生物っぽいのはいる。これは、様々な世界の悪魔などが混ざった影響だ。ただそのすべてに共通するのが、悪魔の要素や関係がある事だ。
「子供いんのか?」
「違うよ~私はずっと独身だよ~。あの子は拾ったの。後任候補の一人ね。その中でも結構優秀なんだ。私がいついなくなっても大丈夫なように」
レチアは起きている時間が短いくせに、一度寝たら最低でも数十年は起きない。その間を任せる悪魔が選ばれるのが、後任の王候補たちだ。
「悪魔って長生きだったよな?レチアが寝てる期間任せる奴か」
「そんな感じ~。悪魔にとって、特に怠惰系列の悪魔は数十年とか割とすぐだからね~、多分。なのに私は十年起きてたらいい方だからさ~」
悪魔にとって十年は長い時間ではない。なんせ悪魔は数百年は普通に生きるのだ。上位の方になると千年に手が届く者も合われる程度には長寿だ。なのでレチアは、起きている時間がかなり短い。
「今回は長いみたいだがな」
「まぁ今回はね~。結構長いね~」
レチアが目覚めてからすでに10年は過ぎている。なので今のレチアはいつ眠ってもおかしくない状態のはずだった。しかし、見た目によらずにぴんぴんしている。
「もうすぐ15年目か。話を聞く限り」
「そうだよ~。最長記録!ってところかな~」
おっとりとしつつ、少しだけ元気を出すレチア。それに対し、よくなるな~、体調崩すなよ、と声掛けをする快人。
「別に頑張ってるわけじゃないのよね~。私はどこまで行っても怠惰だし~」
「そう言う時もあるってだけか」
怠惰の本質は、『本来の働きをしない』ところである。休みなさいと言っても休まない、やらなければいけない事をしない、何かを欠け捨てた時点で、程度の差はあれど彼女にとってそれは怠惰なのだ。まぁ彼女の怠惰判定は大きすぎるが……
「それにっと、着いたよ~」
「ここは……」
そこは、この町で有名な製薬会社のオフィスビルだった。
投稿キャラを出させてもらいました。