休みが明け、仕事に戻った小崎は、トラブルのない日々を送っていた。
「ま、そうそう起きんよな」
いくら異能学園とはいえ、そう頻繁には事は起きない。というか起きたとしても秘密裏に対処されるため、係わりの薄い者にとってはないも同然なのだ。そう言いながらいつ通り仕事をこなし、昼休憩を終えた小崎は次の場所へと向う。
「ん?なんだこの気配?」
だが小崎は、ここでも重要施設を任せられる程度には関係者だ。
「ウソだろ、おい」
例え表側の立場と本人が一用務員としてしか認識していなくても、トラブルはあっちから向かってくる。
「これ母さん案件だろ……」
強い気配と戦いの気配を感じそう呟く小崎。そして急いで駆け付けた先には、破壊された廊下と横たわる女性がいた。
「オーディンさん!?」
「うぅ……」
相当のダメージを負っているようで、苦しそうに唸るオーディン。
「なにが……というか何でここに……?」
「……すみません。こちらから怪しい気配を感じ取ったので……」
改造人間であるオーディンは、普通の人間よりも頑丈で回復力が高かった。そのためしゃべれる程度にはすぐに回復したようだ。そこで事情を聞き出す小崎。
「持ち場を離れたのは今回は仕方がない。それにうちは臨機応変がモットーだし。それで、手短に説明を頼む」
「地下の研究施設での暴走事故のようです。詳しくはわかりませんが、炎の異能者が暴れていました。どうにか結界で閉じ込めましたがこのざまで……申し訳ございません」
オーディンは警備員として雇われている自身が、役割を果たせないことに気を落とす。それを見た小崎は、少し考えた後に
「わかった。じゃあ俺が対応しよう」
「っ!?い、いえ!ここは私が……」
鎮圧に行こうとする小崎を止めるために、体に鞭を打って動こうとするオーディン。だが小崎は、まぁまぁとその動きを制する。
「ダメージも大きいし、結界の維持で大変だろ?それにこの様子だといつまでもつかわからんし、なによりお前の武装だと相性が悪すぎる。応援を待ってたら被害が広がっちまう」
無理をしているオーディンと、いまだに収まらない力の波動を感じ取った小崎は、オーディンを止めて提案をしだす。
「だから結界の維持に尽力してくれ。ちゃっちゃと終わらせて絞めてくるからさ」
「……わかりました」
「ありがとな。じゃ、頼んだぞ」
諦めてくれたオーディンに礼を言い
「さて……やるか」
目つきが変わった小崎は、そのまま現場に急行するのだった。
投稿キャラを出させていただきました。