オワタ式な神機使いの生き方   作:てっちゃーんッ

1 / 19
第1話

 

はいはいどーも。

 

突然ですが俺、台場マロンと言います。

 

『台場』と言えばわかる人もわかると思う。

 

俺はその人の"弟"にあたります。

まぁ、それは後々として…

 

 

 

うん、 漠然と告げよう。

 

こんなところ(GE)に転生してました。

 

はー、最悪ぅぅぅ!!

ワイはただのサラリーマンやったんやぞ!?

 

なしてこんな酷いところに放り込まれたん??

 

神のイタズラですか?ゴッドイーターと言われるくらいだから俺の命すらもイタズラですか?

 

くっそぅ……しかもここに来る前に何があったのかも覚えてない。

 

もしやトラックに轢かれた?トラックドライバーを異世界行きの切符扱いとか可哀想だろ。俺も可哀想だけど。

 

ああ、わかんねぇ。

全く記憶にございません。

 

とりあえず何とか生きている。

 

運が良かった方だ。

 

しかし最初はこの世界がゴッドイーターの世界だと知らずにいた。気づいたらこの荒廃した世界に降り立っていた。そりゃもうショッキングでした。

 

なんでこんなことになってるんですかねぇ?

本当に俺がなにをしたって言うのですか。

 

しかもこの世界に降り立ってからは体は縮んでいた始末だし。どこぞの高校探偵のように遊園地で黒ずくめの男を追いかけたりして、後頭部を叩かれてくすりを飲まされたとかそんな記憶はないです。そんな危険なことしたくないし。

 

そんな感じに天に向かって神様に吠えていたら横から荒神が吠え返してくれた。この時に理解した。もしかして?と。

 

それから現実逃避と共に死にものぐるいで逃げた。もちろん最初はわけのわからない化け物だったけどそれはオウガテイルと呼ばれる小型のアラガミ。しかし子供サイズまで縮んでいた俺からしたらオウガテイルもなかなか大きな生き物であり、森の熊さんに追いかけられてるような気分だった。いや、まだ森の熊さんの方が優しいか?そんなわけないか。

 

シロクマでさえ時速40キロは出せるから無理だな。そもそも人の身では大差は無い。ともかく混乱と恐怖の中で息を切らしながら走っていると地上に転がっているとスタングレネードを踏み潰して光が瞬いた。

 

踏んだ時に靴は焼けてしまったがオウガテイルは目潰しをくらい俺はなんとか逃げ切った。そして途方に暮れていたところでとある者たちに助けられた。大きなチェーンソーのような剣を振り回してオウガテイルを軽々となぎ倒してくれた。

 

 

この時、俺は廃回し尽くされたこの世界で戦う兵士の姿を見て一つの単語が頭に浮かびあがった。確信したのだ。

 

 

 

 

『ゴッドイーター』

 

 

 

 

残酷な世界であることを知った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さーて、今日もアラガミのフレンズがどったんばったん大騒ぎ。

 

だけどそれは「たのしー」じゃなくて「多ノ死(たのし)ー」って感じに心が荒んでいく始末である。

 

はー、泣きそー。

 

でもオラクル細胞ないと戦えない俺たちだからそんなことも言ってられない。そんなわけで俺は望みもしないけどアラガミとフレンズ(P53侵食因子)した訳よ。

 

そしてそのままとある実験室で始めて出会ったそのフレンズ(神機)と友達の印として「よろしく」の握手したけどそのフレンズはツンデレなのか握りしめた瞬間過激的な痛みが伴った。

 

なるほど。

 

これが分か『血』合うって事か。

 

 

はは…(嘲笑い)

やかましいわ。

 

 

いや、たしかに人間とアラガミの侵食因子が混ざり合い、ゴッドイーターとしてこれからその神機と『分かち合う』ことになるけど、もっと穏やかに事も進めないのかなぁ。

 

まぁ人知を超えると言うのはそれほどにと言う事にしておこう。ともかくマジで痛かった。

 

舌を噛みちぎって死のうと思える余裕もない程に。

 

しかしこれで俺にも力を得た!…って、普通な感じには終わらなかった。

 

聞き逃せなかったことが起きる。

 

不幸か幸運なのか、研究員からは『新型神機使いの"プロトタイプ"』として神機握りしめさせられた。

 

これってつまり俺はさりげなく『実験』扱いでゴッドイーターにさせられたんだよね?プロトタイプってそういうことですよね?いやまぁ俺はたしかにゴッドイーターになりたくてを志願したよ?でもまさか新型の実験扱いで使われるとは思いもしなかった。

 

いやでも時期的(無印開始前)には新型が現れ始めるくらいだ。そろそろ新型神機使いもちょいちょい溢れてくるとは思ってたさ。

 

しかしそんな事を考えれないほど緊張していたところに研究員から「ゴッドイーターやろうぜ!お前実験機の新型な!」って言われたので俺は『新型』の単語に心躍らせながらそのままゴッドイーターなりました。

 

だがゴッドイーターの検査を終えたら「実はこれって実験でもあるんですよねテヘペロ」って感じだった始末。検査(建前)であり実験(本音)だったらしい。 しかしスターゲイザー曰く「君は成功率は高いよ!」って言ってたからこの実験は成功することにはなってたって事だ。

 

 

ふ〜ん。

 

……いやいやいや!

 

人を騙すのは良くない!!

 

もし失敗してたら俺死んでたことになるよね!?って問い詰めまくろうとしたけど疲労感故に倒れてしまい、気づいたら一般兵の部屋にあるベッドに寝転がされていた。

 

 

ああもう無茶苦茶だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

って出来事はもう一ヶ月前の話。

 

いまではフェンリルの犬だよ俺。

 

あれ?そういやフェンリルも()だからこうなると犬の犬ってことか?

 

にほんごむずかしいネ。

 

そんで、そんなワンワンなフレンズの組織の傘下に入った俺はゴッドイーターとして毎日アラガミを狩ごっこ。極東と言う名の動物園でどったんばったん大騒ぎ。生きた心地がしない生きる毎日を生きている。

 

でもゴッドイーターになれた者はアラガミと渡り合える力を得る。もちろん俺にもその力はあるので戦う回数は勝手に増えていき、修羅場をくぐり抜け続けた。

 

気づいたらアラガミの動物園だろうとクソッタレな職場でも生き延びて行けるようになってしまう。人間はそんな生き物。

 

だが、しかし。

 

 

俺の使用する神機が特殊過ぎるせいで…

その…

なんというか…

うん、ヤバイのだ(語彙力ゥ…)

 

説明するよりも見てもらった方が話は早いと思う。

 

 

 

 

剣: オラクルソード

 

銃: 203式キャノン

 

盾: 超回避バックラー

 

 

 

 

どうよ?

 

銃はともかく【剣】と【盾】がなんかアレじゃないと思いませんか?

 

ゴッドイーターのゲームを114時間か、514時間以上やりつくしてる方ならこの装備を見て「あっ(察し)」って思わない?

 

うん、思いますよね。

 

そう、生きた心地がしない理由の一つ。

 

 

俺の武器は()()()()()装備なのだ。

 

 

 

「何度見ても斜め上過ぎるね、コレ」

 

 

そんな俺はガラス越しにメンテナンスを受けてる途中の神機を見てこれまでの事を思いふけていた。

 

 

「毎度ながら思うけど、オワタ式な上にオラクルソードプレイとか上級者かよ」

 

 

俺の神機はDLC特有のぶっ飛んだ武器である。

 

例えばスイーツ系の武器とかね。

 

あのあたりだ。

 

ネタ武器と捉えても構わない代物。

 

 

「マロンくん? ……ふふっ、えい」

 

 

 

スススッ、ス〜ゥ、と首筋をなぞられる。

 

唐突な快感に。

 

 

「ファ!? インド人を右に!?」

 

「!?」

 

 

思考の中で首筋を指で撫でられてしまい、ナンでも合いそうなニッコリニコのインド人が踊りながらハンドルを右に傾けるそんな幻覚が脳内に映ってしまう。いやお前誰だよ。

 

そのせいで驚かせる側のリッカが驚いていた。

 

 

「悪い、なんか変な言葉でた。あとおはよう」

 

「う、うん、お、おはよう。イタズラした私が言うのもなんだけどそんなに驚かなくてもいいじゃない?」

 

「いや、まぁ、考え事してたところからに不意打ち側は流石にね?… って、後ろから人差し指で首筋をくすぐらなくても良いので?次は目力先輩の咆哮が出でも知らないゾ」

 

「後ろから見てまだ目が覚めて無さそうだったから少しイタズラ込めて覚ましてやろうと思ってね。目力先輩ってなんだろう…」

 

「たしかに覚めたよ。 ありがとう」

 

「それは良かった。それよりも自分の神機を見てどうしたの?」

 

「いや、まぁ、その…… なんだかな、って思って」

 

「あー、そう…だね」

 

 

 

仕方ないよね… っと、最後に言葉を吐ききった整備班のリッカはその後は何も告げない。

 

リッカも俺の事情を知ってるため、余計に何も言わないことを選んでくれている。

 

 

「まあ、コレに関しては事故だよ。今となっては命あるだけマシだと思ってるさ」

 

「でも、こんなのって…」

 

「そうだな。普通は良くない。この苦労もあの装備は取り替えれたら解決するんだ。何度もそう思った。しかしプロトタイプとしての代償か、はたまたは呪いなのか、予想としなかったイレギュラーだ。この装備を手放すと俺の中のオラクルが安定しなくなる」

 

「…」

 

「姉は適合率が高い。しかし俺は低い。まあ実際のところ彼女と血の繋がりがないからそこは個人差が激しくなるのが普通の話だとしても、やはり考えちゃうのよね」

 

 

 

何度も言うが俺は新型神機使いのプロトタイプ である。

 

そして新型神機使いは私たち研究者による研究によってちゃんと機能できるのか?その最終確認のために実験機として選ばれたのが俺。その狂気から俺と言う神機使いが誕生した。

 

 

新型のプロトタイプ…

 

これから誕生する存在のための"土台"として扱われる重要な存在。

 

響は良いかもしれない。

 

でも悪くいうならば"モルモット"としての扱い。

 

不確要素をあぶり出すための消耗品。

 

失敗すればその者は運が悪かっただけの話だ。

 

そしてその実験は成功した……表向きは。

 

表向き。

 

俺は新型になった。

 

プロトタイプだがしっかり剣と銃を持ち合わせ、切り替えて戦えることが出来る。

 

新型としては成功である。

 

しかし予想もしなかった支障(失敗)が起きた。

 

俺に統合したオラクル細胞が突然変異を起こしてしまい、最終試験(実験)として扱われたオラクルソードと超回避バックラーの神機以外をこの体が受け付けなくなってしまった。

 

他の神機に触れると激痛が走るほどの拒絶反応を起こすようになってしまい、もし無理やり神機を変えてしまうとオラクル細胞が過激に反応してしまい、アラガミ化一直線の危険性もあり得るらしい。

 

そんなわけでこれら以外の装備を切り替えることが不可能になってしまった訳だ。

 

元々俺の適合率がそれほど高くない事も原因らしいが、この事実を教えてくれたスターゲイザーは申し訳なさそうにしていた。

 

それはもう責める事も出来ないほど後悔を纏ったスターゲイザーの姿は今でも覚えている。

 

もちろん当初はオラクルソードと超回避バックラーで結合を終えさせたら俺は他の神機に切り替える予定だった。

 

あくまで実験を成功させるための過程として扱われた。新型として成功させるため。

 

そうすれば新型神機使いを誕生させた極東支部の実績は他の支部よりも最先端を行く支部として大きな権限を持てるから。

 

極東は実績を欲した。

 

実験を『成功』と言う形で必ず納めるために生まれてしまった()()の果てに俺がいる訳だ。

 

 

ちなみに超回避バックラーとオラクルソードが選ばれた理由はとても簡単。

 

()()()()()()()()()()()()()とされているから。

 

どんなに適合率が低くてもこの二つなら成功しやすいから。そして丁度そこにいた俺を半分騙す形で実験は進められた。

 

こんな感じにたまたま運悪くモルモット扱いされてしまった悲しい神機使い。

 

それが、今の俺である。

 

 

 

「ごめんね、マロン」

 

「え?」

 

「私にもっと力があったらマロン君が不自由無く戦えるようにあなたのために神機を変えることだって出来る。なのに神機を整備するエンジニアとして何も力になれないなんて…」

 

「コレに関しては整備士の範囲外だ」

 

「け、けど…」

 

「リッカ、そう悲しまないで。一応この神機も扱い方次第では非常に強い武器だから」

 

「ッ、でもこれはマロン君を守る武器じゃない!」

 

「そうだな。たしかに超回避バックラーは紙切れの様にヘッポコだ。オウガテイルのような小型アラガミでも一撃で粉砕してしまう。それにオラクルソードでは傷を与えられない。この神機で近距離でアラガミを倒すことなど不可能」

 

「だ、だったら!」

 

「でも斬りつけることでオラクルを多量に回収して、破壊力のあるブラストで肉片にする。アラガミを倒せないことはない。あと紙切れの様な盾だからこそ羽のように軽い。だからどんな攻撃も『当たらなければどうってことない』って精神で立ち回れるようになる。超回避と言うに相応しい」

 

 

まあ実験成功を収めるための歯車なんだから使用者の命を考えてない神機だけどな。守れないし、逃げるだけしかできない。

 

こんなトチ狂った武器はゲームだけのネタだけで良い。

 

 

「戦えなくはない。でもそれ以上に危険なのは変わりない。でももうこれは仕方ないんだ」

 

「本当に…それで良いの?」

 

「良いわけがない。本音を言うならば俺はもっと強固な装備で固めたかった。頼もしい武器を握りしめてアラガミとは正面から立ち向かいたかった。俺を弟として迎え入れてくれた姉を守れる男としてまっすぐ踏みしめたかった。けどもうコレは仕方ない」

 

 

仕方ないことだ。

 

もう過ぎた出来事。

 

でも全てを不幸とは思わない。

 

武器は不自由だけど___弱くない。

 

原作通りバーストモード時の恩恵がとても大きい神機。近接の攻撃手段はゼロに等しいが、生存率の高い装備でもあるため、活かし方次第ではアラガミの殲滅も捗る。一人で動く分には非常に生き残りやす装備だ。

 

でも一撃も受けることが許されないオワタ式な装備なのは確か。

 

一歩間違えれば死あるのみ。

 

この場合の俺は姉以上に軟弱である。

 

だからどんなミスもアクシデントも無くしていかなければならない。

 

ミスは自分自身だとして、アクシデントは神機の調子による。

 

だからそこら辺はリッカ頼りだ。

 

 

 

「だからリッカ、いつも通りメンテナンスよろしくね」

 

 

「ッ、うん!任せて!ちゃんと任されてあげるから!でもそのかわり自分の事もちゃんとメンテするんだよ?」

 

「大丈夫だよ。ミッション返し前はちゃんとアキレス腱伸ばしてるから」

 

「もう、そういう事じゃないんだけど…」

 

「アラガミなんて化け物から絶対に攻撃を受けないためにも俺自身の体は常に柔軟で無ければならないからな。まぁ任せとけ。これでもヴァジュラを横切る際に喉元撫でて地面に転がしたことあるから」

 

「無茶はダメだからねー!」

 

 

 

リッカの声を聴きながらエレベーターに乗り込み、元気に声はシャットアウトされる。

 

 

 

「極東支部へ加入時に対する扱い方は酷かったけれど悲観的になり続ける必要は無い。別にあの武器で戦えないことはないのだから」

 

 

 

だけど忘れてはならない。

 

この世界はゲームから編み出された存在だがゲームのようにリセットやリスポーンなんて許されない。

 

誰だって命はただ一つだけな物語。

 

今日も死なないように上手く立ち回るだけだ。

 

それでも吐き慣れたため息と共に今日もクソッタレな職場に直行した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は過去に愚かな事を考えた。

愚かな事を仕出かしてしまった愚か者だ。

 

人類のために研究を続けていた。

 

そんな私は間違いを犯した。

 

同じ志を抱えていたあの頃の3人との絆を絶って別の道を進んでしまった。

 

今はスターゲイザーとして極東支部の研究員の位置付いている。

 

 

それはともかくとして極東支部の支部長であるヨハン・シックザールが突如この極東支部で新型神機使いを誕生させるためのテストを行うと言い出した。

 

やや早計な判断に私は首を傾げたが、彼は早い方が人類のためになると言い。どこか焦りを見え隠れさせていたのは気のせいだろうか。

 

しかし極東支部は他の支部よりも最前線を走り続け無ければならない場所。なんせ人類最後の希望と言われるほどの場所だ。

 

それを目の敵にするかのように極東以外の外部の支部もココ極東支部に負けじと研究を急いでいた。

 

私も研究員だからわからないことはない。

周りの人間の探求に劣るのは少し癪だからね。

 

それはそれとし私もヨハンの判断には半分ほど同意であった。

 

極東は既に新型神機使いの実用性など、あらゆるモノははっきりさせている。

 

……これは理論上に過ぎないけどね。

 

でもデータは嘘つかないことを信じる。

 

ガラス越しに見下ろす。もう間も無く新型神機使いな誕生する。それを待っている。

 

しかし戸惑いがあった。何せ成功率は95パーセントほどであり、残りの5パーセントは不安要素として残していた。

 

その残りの不安要素を全て取り除いてから私は新型神機使いの誕生させることを望む。

 

何故ならこれから旧型と呼ばれることになる神機使いと同じP55因子を使うことでゴッドイーターは更に新型へと進化する。

 

だからその進化を確実なものとするためにはやはり確実(100%)に手を伸ばさなければならない。

 

だが常に極東は先を行かなければならない場所だ。だから遅れを取ることは許されなかった。

 

極東にいる研究員(狂人)達もそれを望んでいた。

 

それ故に私の制止も無意味にとなり半端強行的に実験を早めることになった。

 

多数決以上の進行。

私は制止を諦めた。

 

でも私自身、心の奥底では『早く見たい』と急いでいたのかもしれない。

 

私は研究員と言う名の探求の塊だ。

 

やはりそこは歳を取っても変わらないのだろう。

 

 

そして実験は『極東に実績を残す事』を意識させた故、必ず成功させることに集中していた。

 

もうこれは人類のためと言うべきだろうか?

 

最後の希望と呼ばれてる名誉のために実験を行ってるように思えた。しかし私はその意識を外に追いやる。私も今だけは周りと同じ"狂人"に染まって研究を続けた。

 

そして必ず成功させるこの実験のためにオラクルソードと呼ばれる剣。

 

それから超回避バックラーと名付けられた二つの神機を選んだ。

 

 

神機はすごいものだ。

 

 

アラガミの様に何もかもを喰らうような"剣"であり。

 

アラガミの様に核兵器も無価値とする"装甲"である。

 

 

しかし。

 

それとはまったくもって正反対である神機。

 

 

何も傷つけれない……なまくら。

何も防ぎきれない……ただの板。

 

 

ゴッドイーターは逆にアラガミを喰らい返す存在だ。

 

しかしこの神機達ではどうにもならない。

 

子供が遊ぶ様な壊れやすいおもちゃで旧約聖書に登場する巨人のゴリアテを討ち倒せと言うようなものだ。

 

そしてそれらの組み合わせから『一人目の新型神機使い』を作ることになる…

 

 

 

ああ、なんと言うことだ。

 

 

これは"進化"ではない。

 

狂人の私たちの愚行による"劣化"ではないか。

 

そしてそれを何も知らぬ青年に受け渡してしまい、残酷を背負わせてしまった。

 

でも実験は止められない。

 

私は狂人として立ち回る時に持ってはならぬ後悔を今頃生み出しながらも、躊躇いを捨てたつもりで実験を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

実験は成功。

新型神機使いは極東支部で完成した。

 

プロトタイプを完成させたこの結果を極東からあらゆる支部にこのデータが受け渡す。

 

極東支部はまた一つ、世界に希望を見せたことになる。これで極東は人類の最前線と研究の最先端を兼ね備えた支部もしてコレからも突き進むことができるだろう。ヨハネスも喜んで吐いた。

 

 

しかし小さな犠牲を生み出した。

 

それは許されない事だ…

 

実験は成功。

 

だが彼は不成功な神機使い。

 

不自由な神機使いにさせてしまった。

 

許してとは言わない。

 

狂人は赦しをこう生き物ではないから。

 

それでも償いの少しは出来るだろうか。

 

唯一、銃だけは変えか効いた。

 

この青年と同じ名字を持つ姉と同じ銃の神機を彼の武器に加えてあげた。

 

 

 

 

 

「台場マロンくん、か……」

 

 

 

痛みで気絶した彼をガラス越しから見下ろす。

 

誰にも聞こえぬ声で私は呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 





この1話だけで4割近く文体を編集してます。
昔はどれだけ文体が酷かったのか…
しかも淫夢用語に手を出した頃の話です。
可愛いね。ピルグリムして♡


ではまた

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。