オワタ式な神機使いの生き方   作:つヴぁるnet

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第12話

 

〜 そこらへんのどこか 〜

 

 

 

 

「案の定、独房から出ると早々に遠征へと飛ばされ早くも二日目突入なんだが…」

 

 

なんだこのオラクル反応…???

 

えぇ…(困惑)

 

 

感じたことある反応だから知ってるアラガミと思うが…なんか今までよりやばすぎないか?

 

 

この禍々しさをわかりやすく例えるとアレだ。

 

BBで作られる野獣先輩と同等の禍々しさだ!!

 

アカン、これじゃ人類が死ぬ!

 

 

 

まぁ、9割近くが既に死んでるけどな。

 

 

 

「とりあえず見に行くか。どうせバーストモード中の俺を見つけられる訳ないし。これも超消音様様ですな。開発してくれたリッカ愛してるぞ。だが、サカキのおっちゃん、テメーはダメだ」

 

 

つけもの並の感覚でサカキ博士を否定しながら建物を活かして禍々しい反応に接近する。

 

そして到着。

 

顔をひょっこりと出して、とんでもないオラクルを放つアラガミの姿を確認すると…

 

 

 

「ふぁ!?なんだこのおっさんは!!」

 

 

オラクル反応からしてヴァジュラ種だと思ってたがまさか"ディアウス・ピター"だとは。

 

てかなんかこのピター少し違うな?

 

マントのように覆ってる部分が少し異なる上に、顔立ちもなんか違う。

 

ピターなんだけど変異したピターかな?

 

 

 

「しかし……」

 

 

 

警戒心が無さすぎる。

 

あの感じ、どうやら自分より強い相手に出会ったことなくて慢心してるな??

 

いまなら殺せるのでは?

試作品のメテオで。

 

 

 

「てか、どこ行く気だアイツ?」

 

 

 

いや、もう少し様子伺おう。

 

新種のアラガミなら新情報として調査しなければならない。

 

まぁ、本当に危険ならば即葬りたいけど。

 

 

 

「あ、バーストモード解けたか。タイミング悪いな。どうしよう。もう一回飲んどくか?いやでも前に過剰摂取でエライことなったからな」

 

 

 

強制解放剤は飲んだ時にバイタルが削られる。

 

ゲーム画面ならただ体力が減るだけかもしれないがこの世界でそれを服用すれば強制解放後に少し怠くなる。

 

あとふらふらしてしまう。

 

それだけ体に負担が掛かってる証拠だ。

 

そしてそれを何度も服用すれば大変な事になるのは明らか。エネルギードリンクを何本も飲むのと同じだ。それは薬品でもあること。

 

飲み過ぎは普通に死んじゃうよ?

 

ゴッドイーターは少し丈夫だから簡単に死にやしないが異常は起きる。

 

目眩や嘔吐はもちろん下痢も起きる。

 

ミッション中に下痢なんて最悪だぞ(二敗)

 

 

 

 

「あれは目的地があっての移動だな。どこに行くつもりだ?ハウスか?」

 

 

 

隠居するつもりならそうして欲しい限りだ。

 

何もせずそのまま朽ちてくれ。

 

 

 

「しかしピターで良いよな?見た目が違うから少し見間違えそうだがオラクル反応はピターと似てる。だけど独特の気持ち悪さはアレから発せられている…初めて感じるものだな」

 

 

 

のしのしと我が道のように歩くピター。

 

普通なら都会だっただろうこの場所は人類が楽しそうに悠々と歩くはずだ。

 

だけど今ではアラガミの場所となっている。

 

そんな人類は一つの場所に押し込まれて絶望と隣り合わせにしているのだ。

 

そう思うと苛立ちを感じる。

 

 

 

「アレは普通じゃダメだな。正面から殺せないな。ピターのマントが鋼鉄のように見える」

 

 

 

と、言うよりかは本当に硬いマントを持ったアラガミだろう。

 

生半可な刃ではどうにもならない。

 

しかしオラクルソードは斬れ味や肉質などに囚われない武器なのでそこらへんは気にしないで済む。そしてピターから回収するオラクルはとてつもない力を発揮するだろう。

 

 

 

「まぁ、近寄るつもりは無いがな。とりあえず仮拠点で報告書にまとめたらさっさと早期帰投を申請しよう。それからは極東に任せよう」

 

 

 

何せあのピターの目は相当殺ってる目だ。

 

かなり危ないアラガミなのは確かだ。

 

早めに情報共有は広めておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 ヘリコプター 〜

 

 

 

さて、早期帰投のお許しが出た。

 

やったぜ。遠征が2日で終わるなんて極東支部はホワイトだなー、わーい。

 

さて、社畜に対する皮肉はさて置きだ。

 

ヘリコプターで優雅に空のお散歩の最中1つの通信が入ったことでその時間は終わりを告げた。

 

 

 

「?」

 

 

 

操縦中のパイロットに手招きされね俺は通信機を受け取る。

 

どうやら俺宛のようだ。

 

 

「代わりました、マロンです」

 

『ツバキ教官だ。帰投中に申し訳ないが頼みがある』

 

「はい、なんでしょうか?」

 

『とある部隊の増援に駆けつけて欲しい』

 

 

 

"駆けつけて"欲しい。

 

まるで急用を欲する言い方。

 

それから導き出される答えは…

 

 

 

 

「ツバキ教官、それは戦いの増援としてですか?」

 

『ああ』

 

 

 

調査隊の俺に戦闘行為を頼むという事はつまり相当な事なんだろう。

 

 

 

「俺以外には、居ませんか?」

 

『増援に駆けつけて欲しいポイントの近くにはマロンしか居ない』

 

「分かりました。向かいます」

 

『よろしく頼む』

 

 

それからツバキ教官に軽い説明を受けた。

 

通信の回線がギリギリのところになったため詳しくは聞けなかったが、簡単にまとめると飛行する大型の輸送機がアラガミの群れに襲われてるらしい。俺はその増援に向かう形だ。

 

しかし増援先が大空なんてどんだけスタイリッシュなんだよ

 

もちろん素のゲームはスタイリッシュアクションだけど…… そこまで求めるか?

 

何というか常識外れな存在には非常識で対応って事か。随分と命がけだな。

 

人間の体ではいくつあっても足りねーや。

 

 

 

「パイロットさん、頼んだぞ」

 

 

さて、俺はパイロットに通信機を返して極東から渡されたポイントに向かわせる。

 

その間で俺はヘリコプターにストックされたOアンプルを神機に投与する。

 

オラクルリザーブを行なってもう一回Oアンプルを投入する。

 

激戦を予感させながら着々と準備を続けた。

 

 

 

「え?なんだあれ?」

 

 

 

不意に外を眺めれば何か細かなモノが群れとなって浮遊していた。

 

その群れは俺たちのヘリコプターが進む方向と同じ場所を目指している。

 

するとデジタルマップを覗いた操縦士の驚い声が耳に入る。

 

どうやらとんでもないモノがレーダーに映ったようだ。

 

俺もいま視認したから分かる。 あれは驚く。

 

 

 

「浮遊するタイプの幼体だよな?あれだけの数は初めて見るな。うへー、素直に気持ち悪い光景だな」

 

 

 

その後、俺は操縦士に指示を出した。

 

あの群れを追いかけながらかなり上の場所へ移動させる。

 

やや遅れながらアラガミの群れを追いかけていると大きな飛行船が現れた。

 

 

 

「あ、リンドウじゃん」

 

 

 

飛行船の上で孤独に戦う男。

 

そして少し離れたとこらに飛んでるヘリコプターからは援護射撃が行われている。

 

発砲音からしてスナイパーだと分かった。

 

そうなると候補は一人しかいない。

 

早速通信をつなげた。

 

 

 

「サクヤさーん、リンドウさーん、俺です!台場マロンです!増援として来ました!」

 

 

『え!?増援!?それにマロン!? 』

 

『おいおい、いいのか?』

 

 

あまり良くないんだが??一応戦闘は避けたいタイプなんだが、まあ非常事態だから仕方ないから。

 

端末機に呼びかけながら俺はトリガーを引く。

 

ブラスト弾が爆発を起こす。

 

連鎖爆撃で複数のアラガミを巻き込んだ。

 

 

 

『増援はありがたいが、そんなの聞いてないぜ?』

 

「先程まで極東からギリギリ回線届く場所にいたんですよ。そんで愛しい弟のために増援向かえとツバキ教官から頼まれた」

 

『おお、そりゃ愛されてるねー、俺も」

 

「姉を持つもの同士、身に染みるな」

 

 

軽口叩きながらもアラガミの幼体をリンドウは神機で斬り裂く。

 

するとチラリと飛行船の後方を見る。

 

 

 

「リンドウさん、チラチラ後ろ見てどうしたんだ?」

 

『いやー、ちょっと…な?てか、その距離で良く俺が後ろ気にしてるの分かったな』

 

「自分、色んな意味で極東最強なので」

 

『答えになってるようでなってないぞー』

 

『リンドウ、軽口は良いから行きなさい』

 

『おう、ならちょっくら行って来るわ』

 

 

リンドウが俺の冗談をあしらいながら飛行船の後方に飛び込み、姿を消した。

 

何事だろう?

 

 

「サクヤさん、自分はモルター爆撃で後方のアラガミを落とすの、でサクヤさんは機体に張り付くやつをお願いします」

 

『ええ、助かるわ!』

 

 

 

そして飛行船を襲うアラガミを殲滅する。

 

俺もサクヤのように真上からズッコンバッコン放つ事にした。

 

しかし、いい腕してるよなー、サクヤさん。

 

元オペレーターとは思えないや。

 

そんな感じにしばらく一方的な攻撃で次々と葬るが、違和感を覚える。

 

 

 

「俺たちに興味無さすぎでは?」

 

『そうね。アラガミは飛行船に夢中ね。まぁこちらとしては助かるけど』

 

「好き嫌いしても大きくなれないぞ」

 

『アラガミになに言ってるのよ』

 

 

 

どうやらアラガミにとってヘリコプターはどうでもいいようだ。

 

あまり美味しくないのかな?

 

 

 

「あ、でも、3時の方向に好き嫌いしなくて大きくなってる奴がいるぞ」

 

『あら、ならお仕置きね』

 

 

 

サクヤさんはバンッ!(大破)とスナイパーで狙い、好き嫌いのアラガミを貫く。

 

 

 

「お見事」

 

『お残しは許さないわよ』

 

 

 

そう、一匹たりともな。

 

アラガミは全部駆逐してやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

独房から出されると向かった先は大型の飛行船であり、自分と同じ新型神機使いをお迎えに上がるとの事だ。

 

まぁここまでは良い。

 

だが俺は今現在、とある状況に立たされる。

 

 

 

「っ!このっ! このっ!!!」

 

「おい、落ち着けよ!」

 

 

なぜか自分と同じくらいの女の子から攻撃されている。

 

彼女曰く「捕まえに来た」と誤解しているみたいだ。

 

アラガミの群れが来ているにも関わらず格闘戦を行っている。

 

 

「っ、だからやめろ!」

 

「なっ!? きゃぁ!」

 

 

しかしマロンから対人戦を学んでいた俺は彼女の攻撃を防いでは受け流し、互いに目立った傷はひとつも受けていない。

 

マロンはこれを"あいきどう"と呼んでいたか?

 

前世の記憶から引っ張り出した技術だと茶化していたが何のことだ? しかし効果的だ。

 

力の強い神機使いだからこそあいきどうの武術とやらがが活かせる。

 

大きな怪我もさせず無力化できるから。

 

 

 

「何のつもりなんです! あなたは何ですか!」

 

「極東に新しい神機使いが来ると聞いた!俺たちはその迎えに来ただけだ!」

 

 

最初は落ち着いていた彼女だが、あいきどうであしらわれる度に苛立ちを覚えて興奮に達する。

 

今は敵意むき出しだ。

 

対話は難しいらしい。

 

しかし、この空気を壊してくれる神機使いが一人現れた。

 

 

 

「おいおい、二人とも何イチャイチャしてんだ?」

 

「イチャイチャしてない」

 

「イチャイチャなんてしてません!」

 

「おお、やはり若いってのは人と仲良くなりやすくて羨ましい限りだねぇ」

 

「仲良くなんか無い」

 

「仲良くなんかありません!」

 

 

現れたリンドウのせいで緊張感が失せて行く。

 

なんとも言えない空間に染まり、とうとう彼女は呆れたように「くだらない」と切り捨てる。

 

しかし場は落ち着いた。

 

ナイスと言うべきか。

 

 

 

「イチャつく前に外にいる腹ペコ供(アラガミ)をどうにかするぞ。 異論は無いな?」

 

「無い」

 

「ふん」

 

 

それから彼女、または『アリサ』という名の新型神機使いと一時休戦の形に収まる。

 

なぜ一時休戦なのか理解できないが…

 

まあ、今この場を収束できたならまぁいい。

 

そして三人で軽く作戦会議が行われると本格的にアラガミの駆除が開始されようとした。

 

しかしアリサが「旧型は旧型なりの仕事ができれば結構です」とリンドウさんに言い放つ。

 

なんて奴だ。彼らも好きで1つの形態に囚われてる訳じゃ無い。それにいま俺たちが新型として戦えるのは旧型で戦って来てくれた先駆者がいるからだ。リスペクトと言うのは無いのか?

 

俺にも先駆者《マロン》がいる。

 

彼が複雑な新型を抱えてくれた。

 

プロトタイプとして土台を作ってくれた。

 

だから俺はこうして強くなれた。

 

だから彼女の発言に許せない気持ちになった。

 

 

「おいレンカ、怖い顔してるぞ」

 

「!?」

 

「強張りすぎるな。 まあ、かるーく行こうや」

 

「あ、ああ…」

 

 

 

でも今はアラガミの殲滅が大事だ。

 

彼女に対する気持ちは一旦置いておこう。

 

そう思って飛行船の上に戻った時だ。

 

インカムから聞きなれた声を拾う。

 

 

 

『おーい、レンカじゃねーか』

 

「!!?」

 

 

 

驚いた。

 

俺よりも先に独房から出た台場マロンがヘリコプターの側面からブラストを射ち放ち、アラガミを倒していた。

 

しかし何故ここに?

 

 

 

『成り行きでこうなった。とりあえずまだまだ上から援護できる。レンカは存分に食い荒らしてくれよ』

 

 

 

頼もしい。 この一言に尽きた。

 

不自由な外で生きて、何も持たなかった俺をここまでに仕上げてくれた彼がまたこうして共に戦ってくれる。

 

 

 

「リンドウ! やるぞ!」

 

「お、おお?そうだな。やる気がある事はいい事だ。でも少しは気楽にな?あまり気を___」

 

「うおおおおお!!」

 

「張り詰め…… っと。 やれやれ、まったく。若いって頼もしい限りだねぇ」

 

 

 

それから俺は神機を構えて飛行船の上で駆ける。

 

更に上ではサクヤさんがヘリコプターから一発分のバレットを発撃ち放つ。すると天の川のようにアラガミが次々と爆ぜた。だがそれ以上にマロンが放つバレットも規格外だ。

 

まずマロンが撃ち放ったオラクル弾はその場で停留する。そしてマロンのヘリコプターはその位置からそそくさと離れた。サクヤさんが乗るヘリコプターもマロンの通信によりその場から離れる。

 

そして停留してるオラクルは肥大しながらジリジリと密集するアラガミの群れににじり寄り…

 

そして…

 

飛行船を揺らすような大爆発が巻き起こる。

 

 

 

「ヒャッハー!汚物は消毒だぁ!」

 

 

 

アラガミの群れを散らしたマロンはご機嫌な様子で高らかに叫んで、落下する。

 

 

……え? 落下?

 

 

 

「マロン!?」

 

 

 

随分と余裕な様子で空高いヘリコプターから降りるマロン。その途中で次々とアラガミを撫でるように斬りつながら落下する。アレに殺傷力は無い事は知ってる。しかし落下しながらも簡単に刃を通すその姿はベテラン神機使い。

 

アリサもその姿に驚いている。

 

そして俺とアリサが立つ間のスペースに着地するとマロンは剣形態から銃携帯に変形させると銃口は上を向いており、トリガーを引く。

 

また1つオラクル弾が放たれた。

連鎖爆撃。

流れるように上空のアラガミをまた一掃した。

 

 

 

「この火力こそがブラストの真骨頂だな」

 

 

 

こちらに振り向きながらケラケラと笑う。

 

3日ぶりの再会だ。

 

 

「さて、再会に喜ぶ暇もない。何せアラガミはまだまだ沢山いるんだ。ぼーっとしてる暇は無いよ」

 

「「!」」

 

 

 

俺とアリサはハッとなり、神機強く握り直す。

 

アラガミへ駆け込んだ。

 

 

 

「なーにが沢山だ。俺が飛行船の中へ一時的に離れた時に随分減らしたなマロン」

 

「ヘリコプターに沢山アンプルあったから捗ったんだよリンドウ」

 

「それに見合った殲滅量てか?ったく、新型のせいで常識が壊れちまう」

 

「ゴッドイーターとなって半分近く人間は捨てたんだ。既に常識は壊れてるよ」

 

「お前の場合は規格外だっつうの!」

 

 

『二人とも話してないで動きなさい。それとも上からその頭撃てば動くかしら?』

 

 

「「ごめんなさい」」

 

 

後ろで軽口叩き合う二人もサクヤの鶴の一声によりやっと動き出す。

 

どんなに世界が壊れても男性が女性には勝てない常識は変わらないらしい。

 

さて、サクヤさんの支援射撃も交えた飛行船で俺たちゴッドイーターはアラガミを次々と喰らい始める。

 

さて、マロンやリンドウはともかく、まだまだ新人の俺と、今日初顔合わせになったアリサは長時間になるだろう戦闘に緊張する。

 

しかしそれを他所にマロンは手のひらサイズのビデオカメラを持ちながらこの戦況を撮影していた。調査隊としての役割らしいがこんな時でも遂行するらしい。

 

心強い…のか??

 

しなし撮影しながらも後ろを見ずにアラガミをブラスト弾で撃滅するその姿は異常に見える。

 

たしか『ユーバーセンス』だったか?

 

その能力を持っていればあんなこともできるとマロンが話していたが…

 

いや、そんなはずない。

 

アーカイブで調べた限りだとユーバーセンスは大まかな位置を知る程度であり、マロンのように芸達者なブラインドアタックまで出来るほどユーバーセンスの力は無い。

 

アレは純粋にマロンが研鑽して来た感覚。

 

すごい、なんであんなことが出来るんだ?

 

 

 

「あの人も新型…」

 

「どうした?」

 

「!!…いえ、なんでもありません」

 

「?」

 

 

 

アリサは最初、マロンの戦闘を見て「アラガミに傷一つ与えれない欠陥な神機使い」と酷評していた。

 

見下す事が多い彼女の性格は今回のミッションで良く理解できたが流石にそれはどうなんだ?

 

言葉に出してないとは言え、彼女の眼を見たらそれはわかった。

 

流石に俺も苛立ちを覚える。

 

しかしマロンの戦いをみて少しずつその評価が変化していった。

 

 

「レンカ、もう少しだ、頑張れ!」

 

「っ!」

 

 

少し、疲れて、腕と脚が、止まっていた。

 

声をかけられて、神機を握り直す。

 

 

「この程度乗り越えて、何度も乗り越えて、そしたらお前が強くなって、お前が迎えに行け」

 

「む、迎えに…??」

 

「約束した筈だろ?逢いにいくって」

 

「!!……姉さん(イロハ)ッッ」

 

「俺も会いにいく、姉さん(カノン)に。そして逢いにいく、リッカにも」

 

 

真横にいたマロンは一歩踏み込み、幼体のアラガミを撫で切りながら変形すると流れるようにトリガーを引き、再び敵を落とす。

 

あれが戦いに向かない調査兵の姿??

 

何を言う。

 

ここにいる誰よりも多く倒してるでは無いか。

 

襲いかかる風圧に負けない。

 

風の抵抗など感じさせない。

 

息切れを忘れたように刈り尽くす。

 

踏み込んだことで凹んだ甲板の数は幾つだ?

 

緑色の斬撃は何度この眼で捉えた?

 

いや、逃した斬撃もある。

 

激しい戦闘の過程でビデオカメラのカートリッジも入れ替えながらこの状況を記録に残す姿は色々とおかしい。よく見れば口も動かしているがもしやこの録画の状況説明のつもりか?なんて神機使いだ…… この人は。

 

 

 

「俺も……あんな風になれるか??」

 

 

それは遠い姿。

 

けれどあの人は俺に期待してくれる。

 

自分には出来ないゴッドイーターの姿は、俺ならできるんだと、そう言ってくれたから。

 

 

 

「なら、出来るようになろう」

 

 

 

頼もしい先駆者の後に続いた。

 

俺はゴッドイーターだから。

 

 

 

 

 

つづく

 

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