インフィニット・ストラトス-落ちてきた歌姫-   作:シャムロック

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今回はいのり成分少なめです。
いわば準備回ですね。


11:拡張領域

ボーデヴィッヒと私達との衝突の翌日の放課後。

私達はいつもの様にアリーナに居た。

一夏はセシリアと対遠距離戦の訓練。

私はシャルルさんが私のISと射撃に興味があるみたいで、射撃訓練をすることに。

 

「じゃあ、30秒でいい?」

「うん」

「じゃあ、始め!」

 

アリーナの一角に展開される的。

私はそれをハンドガンで見る間に打ち抜いていく。

ヘッドショットをするより遥かに簡単。

 

「そこまでっ!

…63って…」

 

結果にシャルルさんの顔が引きつる。

…すこしやり過ぎた?

 

「どうやったらそんなに撃てるの?

ハンドガン2丁でなんて僕にはとても…」

「リロードのタイミングとエイミング…。

ISのセンサーを使えば大分楽…かな」

「それでもそこまでの早撃ち、僕には真似出来そうにないよ…」

 

シャルルさんが項垂れる。

 

「でも…」

「でも?」

「やっぱり、対IS戦だと…少し火力不足…」

 

そう。

強固なエネルギーシールドに装甲。

スラスターを活かしたIS戦において、このハンドガンは火力不足を私は感じていた。

ただの兵士ならヘッドショット1発で終わる。

でも、IS戦ではあまり意味がない。

IS戦に求められるのは継続できる高火力と戦術。

だからハンドガンだと、あくまで牽制にしかならなかった。

 

「うーん…いのりさんのISって拡張領域が結構あったよね?」

「うん…」

「そこにアサルトライフルとか、グレネードを入れればいいんじゃないかな?」

「でも…どうやって手に入れれば…」

 

葬儀社みたいに涯や、メンバーが確保してくれるわけじゃないこの世界では武器の取得にも困っていた。

整備は幸い、学園がやってくれているけど、武器やオーバーホールをするとなれば、何処かの本格的な整備所や支援が必要。

…束さんに頼めばやってくれるかもしれないけど、いちいちそんなのを頼むのは心苦しい。

 

「…じゃあ、僕の国にあるIS関連会社のを使ってみる?」

「…いいの?」

「うん、そこはISのパッケージとか武器も売っているからどうにかもらえると思う」

 

どうしよう…

ISについて勉強して得た知識だと、ISは各国に所属しているのが原則。

私みたいな番外個体は何処にも所属していない。

今のところはIS学園所属ということになっているみたいだけど、いずれ何処かに所属するかもしれない。

そこにフランスの会社から武器を買っているからとか何とかでフランスに強引に引き込まれる可能性もある。

GHQがそうであったように、こういうのはどこも強引な手を使ってでもやるのは明白だった。

 

「うーん…やっぱり、遠慮しておく…。」

「そっか…じゃあ、しばらく僕の予備の武器を貸してあげる」

「いいの?」

「うん、グレー・スケールのは無理だけど汎用武器なら予備があるからね」

 

そう言いながら、シャルルさんはISのモニターで色々操作をする。

 

「…はい。ひとまず基本的な兵装の共有を許可したから渡すね」

 

そう言って武器をどんどん出してくる。

アサルトライフル、サブマシンガン、グレネードランチャー、物理シールド…etc.

それらをISに格納すると、シャルルさんが告げる。

 

「僕やいのりさんは決定打になる武器が少ない。でも、いのりさんがやっているみたいに戦術次第でどうにでも出来る。

それがこれらの持ち味だと思うんだ」

 

確かに、私がハンドガンで多くのアンチボディズと対峙したように、涯がハンドガンでゴーチェに挑み、勝ったように、私達が使ってきたものは殆どが型遅れか心もとない物だった。

でも、それを補うのが私の身のこなしや涯の戦術。

少ない戦力や火力でもアンチボディズに挑めたのはそれらに寄るものが大きい…。

 

「そう…だね」

「だから、僕はいのりさんの戦い方には注目しているんだ。

…いつか、父さんにちゃんと会いたいし…」

「え?」

 

後半の言葉は小声で上手く聞き取れず、思わず返してしまう。

 

「あ、ううん。何でもない…そろそろ戻ろっか?」

「う、うん…」

 

そうして私達は各々、ピットに戻っていく。

因みに…一夏はセシリアにビットでブースターを狙われて落ちていた。

 

「メインブースターがイカれた!?

狙ったか、セシリア!」

「私の華麗なる攻撃の結果ですわ!」

 

 

_______________________________________

 

数日後、私と一夏は、シャルルさんでアリーナに向かっていた。

 

「うーん。やっぱり白式、燃費悪すぎじゃない?

これじゃ、継戦能力ガタ落ちじゃないかな?」

「そうなんだけど…俺に整備なんか出来ないし、開発元の倉持はデータが足りないってんで駄目だったし」

「う…やっぱり初の男子操縦機だとノウハウとかが違ってるのかな…?」

「かもなぁ…」

 

一夏とシャルルさんで話しているとアリーナに着く。

更衣室に向かうため、通路を歩いていると他の生徒の声が聞こえてきた。

 

「ちょ、ちょっと…やり過ぎじゃない?」

「う、うん…あれ、ちょっとヤバくない?」

 

なにか緊迫した空気を感じて、私達もアリーナの様子を見に観覧席に行く。

 

 

そこには

 

 

ボロボロのISを纏ったセシリアと鈴さんが居て

 

 

ボーデヴィッヒが二人を滅多打ちに殴っていた。

 

「酷い…あれじゃ、ISのエネルギーが持たない!

そうなれば、命に関わる!」

 

シャルルさんが危惧する。

 

 

「その手をどかしやがれェええええええええ!!!」

 

 

 

 

一夏が激昂して白式を展開し、零落白夜でドームシールドを切り裂いて進入路を作る。

そのまま一夏は先行してボーデヴィッヒに突っ込んでいく。

 

「いのりさん!僕達も!」

「うん!」

 

直ぐに私達もISを展開して侵入する。

でも、目の前の一夏はなぜか途中で止まっている。

 

その一夏に向けてボーデヴィッヒが右手を向ける。

 

「させない!」

 

私とシャルルさんが突っ込みながらランスビットとショットガンを発射。

ボーデヴィッヒの右手を弾くかと思ったら…

 

「…フン」

 

ランスビットとショットシェルの子弾がある位置で止まってしまい、動かなくなる。

 

「クソッ!」

 

その間に一夏が動けるようになり、距離を取る。

 

「お前たち、なんの様だ。」

「その状況で私達が出てきたのが分からない?」

「…フン。いいだろう、お前たちから潰してやる」

 

完全にこちらを向き、対峙する。

そのまま戦闘が始まると思い、身構えていると…

 

 

ズドォ!

 

 

何かがピットから飛んできて私達とボーデヴィッヒの間に突き刺さる。

 

「っ!何だ!?」

 

一夏が驚いて見ると、実体のIS刀だった。

 

 

「お前たち、どういうことか説明してもらおうか」

 

響き渡る声。

黒のスーツを着た女性。

 

織斑先生だった。

 

「ち、千冬姉!?

生身でアレを投げたのか!?」

「織斑先生と言え!」

 

確かに、IS刀はそのままでは生身では両手で持ち上げるのがやっとの言わば、バーベル。

それを投げて、それをここまでの威力にするなんて…常人には無理なことぐらいわかる。

織斑先生…どこまで身体能力高いんだろ…。

 

「やれやれ…これだからガキの相手は疲れる…

模擬戦をやるのは構わん。

だが、ドームシールドを破壊するような事態は黙認出来ん。

何があったのか知らんが、決着は後日の大会でやってもらおう。

いいな?」

「教官がそうおっしゃるのなら」

 

ボーデヴィッヒが素直にISを解く。

 

「織斑、楪、デュノア。お前たちもそれでいいな?」

 

「あ…ああ」

「教師には『はい』と答えろ、馬鹿者」

「は、はい…」

 

「分かりました…」

 

「僕も依存は有りません」

 

「では、学年別トーナメントまで一切の私闘を禁止する。解散!」

 





次回から色々原作から逸れていくと思います。
箒の出番ェ…
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