インフィニット・ストラトス-落ちてきた歌姫- 作:シャムロック
大体レポートによる忙殺と、光の戦士やってました(白目)
それはさておき、今回はあの力が出ます。
あの曲をかけてお楽しみください。
織斑班の壊滅、福音の合流。
その2つは絶望ともいえる状況を表していた。
唯でさえ、2機に手間取っているのにここにきて福音が追加。
質でも、数でも劣勢な私達に勝てる術は残されていなかった。
通信からは山田先生の撤退命令が幾度となく繰り返される。
なのに……集は敵を見据えて動こうとしなかった。
「…束さん。」
「はいよー!何だねー?」
「あのシステム…使わせてもらいます。」
「…分かった。機体とバイタルデータは常時監視しておくから、危なくなったら止めるからね。」
「ありがとうございます。」
集が束さんとの通信を終える頃、敵2機は福音との接触をする為に遠ざかっていた。
既にこちらの望遠カメラで福音を確認できる程度に接近している。
だけど……不思議と危機感は感じなかった。
状況的には圧倒的劣勢。
普通なら全力で撤退しなければならないのに、そういう気持ちにも…そうしなければならないとも思えなかった。
それは多分…集が居るから。
集が戦うというなら私は全力でそれを支えよう。
集が前に出るなら私もその隣にいよう。
集が…もしも倒れるというのならその前に…私が今度こそ助けよう。
私は、もう集と一緒に居ると決意したんだ。
もう、その手は離さない。離したくない。
そう思ってるからこそ、ここに居る。
「いのり…。」
集が不意に話しかけてきた。
その顔は一つの決意をした表情で…私にはとても嬉しくなるような感じが、した。
「僕は…君を必ず守ると決めた。その気持ちは決して揺るがない。」
「うん…。」
「だから…受け取って欲しい…。僕の覚悟を。
そして…僕に渡して欲しい。いのりの…本当の気持ちを。」
そうして私のISに送られてきた一つのウィンドウ。
僚機 ロストクラウンより双方向リンクシステムの受諾依頼が来ました。
承諾しますか?
YES No
双方向リンクシステム。
それがどんなものかは分からない。
でも、私の気持ちは本物だ。
集とずっと居たい。ずっと守ってあげたい。
だから……私は迷わずYESを押した。
双方の受諾を確認。
双方向リンクシステム《ギルティクラウン》起動します。
そのアナウンスのあと、私達のISに変化が起こる。
お互いが光に包まれ、その中で私と集の右手が赤い糸状の物で結ばれ、二人の腕に絡みつく。
そして、集の右手が私の胸元に迫ると、そこに光の穴が開く。
「んっ……ああっ!」
懐かしい感覚。
私の中の本質が掴まれ、取り出される感覚。
その感覚に苦しくも心地よい気持ちを抱き、身をよじらせる。
「……フッ!」
そして集の右手が引き抜かれ、ソレは頭上に突き出される。
初めは光の柱だったソレは紫の結晶と化し、先端からパリパリと弾け飛ぶ。
結晶が全て取り払われた時、私達を包む光は消え去り、代わりにソレは世界に光の柱を見せながら顕現する。
ヴォイド。
私の心を具現化させた、あの剣が、集の手に握られていた。
ふと、意識が集に向いてたのを周りに戻すと、私はいつの間にか集に抱えられていた。
まるで、収監所の時みたいに。
そして、私の機体と思考が大きく変わっていた。
まず機体のシールドエネルギーは通常の二倍になり、武装はさっきまでは無かった集の武装がリストに加わっていた。
そして、もっとも変わったこと。それは。
『いのり…聞こえる?』
集の思考が伝わってくる。
コアネットワークを介した通信じゃなくて、もっとこう…集の考えがダイレクトに伝わってくる…。
『うん…大丈夫。』
『これは僕といのりを精神レベルでリンクするシステムだ。だからISのシールドエネルギーは2機の合計になり、武装は共有され、思考は言葉を介さず、ダイレクトに伝わる。そして…僕はもう一度、君を守る力を手に入れた。だから…』
『集。』
そこから先は何て言うのか分かってた。
だから…私も言いたい。言わせてもらいたい!
『私は、守られてばっかりじゃない。今度こそ、集を守って、一緒に居たい!
だから…私も戦う。』
『いのり……。ありがとう…。じゃあ……一緒に、生きて帰ろう!』
『……うん!』
そして私達は動き出す。
目の前の障害を倒し、あの世界へ帰るために。
今度は、二人で肩を並べて帰るために!
リンクシステムによるヴォイドは擬似再現であるため、原作と同等の性能ではありません。
とはいえ、かなり破格の性能をもっていますが、詳細は福音戦の後に。