インフィニット・ストラトス-落ちてきた歌姫- 作:シャムロック
あけましておめでとうございます
ようやくまとまりましたので投稿を。
ここから話が一気に広がっていくと思います。
「あー……やっと事情聴取終わった…」
「連日、随分聞かれたからね……帰ってシャワー、浴びたいよ」
福音の事件から1週間。
あれからというもの、機密事項の説明や状況の説明などで連日の事情聴取が参加メンバーに行われ、お陰で全員疲労困憊していた。
特に実戦記録が無い白式とロストクラウン(どちらかと言うとロストクラウンの戦闘記録が欲しがっていたが)について機密事項以外のことでかなり聞かれた。
「少し休むか、ジュース奢るよ?」
「おっ、悪いね」
寮への帰り道の途中、自販機の前を通りかかるときに集が言い出し、一夏がそれに乗った。
「…ふう。そういえば、集はなんであんなに強いんだ…?」
「僕?」
「ああ、俺が敵わなかったヤツを、集は簡単に倒してみせた……。集のISが俺の白色より特別だってのも分かる。だけど、それだけじゃあの状況はひっくり返せない。だから…。」
一夏が真剣な表情で集を見る。
その目は強い意思を秘めている事がまじまじを感じられた。
「頼む!俺に訓練をやってくれ!このままじゃ千冬姉や皆も守れない…っ!」
「一夏…」
集は考える。
力を持つ者にはそれ相応の責務が生じる。
敵を倒す、人を正しい方向へ導く……その責務にも多種多様だ。
なら、一夏の責務は何だ?当然、誰かを守る力だ。
白色を手に入れた時からそれは付いていくものだ。
だが、一夏にそれを成す為の実力が伴っていないのも確かである。
なら、自分がやることは一つだ。
「い「いいよ……私も手伝う」っていのり!?」
いいよ、と言うつもりがいつの間にか近くに居たいのりに奪われてしまった。
「いのり、君もいいのか?というか、私『も』って?」
「だって、集なら…」
一度言葉を止めて集を見上げて笑い掛けてくる。
「……断らないって、思ってたから」
「……参ったな、いつの間にか僕の思考も読むようになってたなんてね」
「エクソダスの後から、集みたいに自分らしくない事をやるって事を…考えるようになってきたから。私も、たまには自分らしくないことを…ね?」
「僕のせいか…ハハッ。なら僕も自分らしくない事をやろうかな…。というわけで、一夏。君の訓練、受けよう。」
「ありがとう…!なら明日の放課後からよろしく頼む!アリーナの申請は俺がやっておくよ!」
「ああ、それじゃ。」
飲み終わってた缶をゴミ箱に入れ、集は寮へ歩みを進める。
その隣には勿論、いのりも居る。
「そういえば、こうやって二人で家に帰るって事、あまり無かったね」
「うん……あの頃は葬儀社の事が主体だったから…」
「確かに。でも、僕はずっと思ってた。こうやって二人で普通に帰れるようになりたいって。」
「それは……私も、思ってた」
「そして、今こうやって一緒に帰れてる。僕はこんな事がとても嬉しいんだ。」
「集…」
「だからいのり。絶対、あの世界へ二人で帰ろう」
「……うん!」
そんな会話をしながら二人は寮へ入っていった。
☆
翌日のアリーナにはスラスターの噴射音が響き渡っていた。
「くそっ!ビットを見る余裕が無い…!」
「落ち着け!ビットを見て避けるんじゃない、当たらない様に動くんだ!」
白式駆る一夏がブルー・ティアーズのビットからひたすら避けている。
操作を行うセシリア自身は主兵装であるスターライトMarkⅢを持っておらず、上空からビット操作に集中している。
「一夏さん!もっと多角的に!出ないと動き読まれますわよ!」
「無茶言ってくれる…!でも…やってやるさ!」
そう言って一夏は更に回避機動を上げていく。
しかし、途中からその動きは急に鈍くなり、ビットからの被弾が増えていった。
「…そこまで!一旦休憩しよう。」
僕の合図で訓練は一時中断となる。
まず一夏に不足している物として三次元機動が絶対的に不足していることが判明している。
福音戦のログを見るに高度は殆ど変わらず、横軸線上での戦闘となっており、完全に動きを見られている状態だった。
地上戦と違い、ISバトルは空中での戦闘が殆ど。よって三次元戦闘になるのは必至だ。
そこで生きるのが高度、スラスター調整によるアクロバティックな機動だ。如何に相手を惑わし、自分が優位な位置、機動を得るかが戦闘に置いてアドバンテージとなり得る。
一夏はそこが致命的なまでに欠落していた。零落白夜の一撃必殺であることも如何に即取り付きからの斬撃という男の子らしい戦闘スタイルになった要因でもあるだろう。
だが、ISバトルは殆どが軍人無いし一定の訓練を受けたパイロットが相手だ。子供のチャンバラごっこやゲームとは違う。まずはその思考と戦術を一夏に入れることが必要だった。
訓練としてはセシリアのビット攻撃からとにかく避け続けるというだけ。しかし、ビットは全方位あらゆるところから撃ってくる。それをレーダーや自分の思考で把握しどんな機動をすればいいかという思考と動きを叩き込む訓練になっている。
ビットのビーム自体は威力を落とし、衝撃が来る程度にしてあるからシールドエネルギーが切れる心配も無い。しばらくはコレが主となりそうであった。
「ゼェ…ゼェ…。駄目だなぁ。どうしても三次元機動に入ってスピードを上げると自分がどこに居るのかが分からなくなる。」
「そこも含めて、慣れていくしか無いね。一夏にはそれが今一番必要なのだから。」
「整備班に掛けあってきた…。後で白色のエネルギー配分調整やってみるって。」
一夏と集が話しているといのりが入ってきた。
いのりには整備班に掛けあって白式の燃費調整を依頼してもらっていた。
今の白式は燃費が最悪という問題もある。そこも改善すべきだと僕は思っていた。
「思った以上にヤバイ状況だったんだな…俺は。」
「自覚出来てるなら良いよ。それが伸びしろになるんだから。」
「それもそうか…!よし!もう一回だ!」
その日は夕暮れまでスラスターとビットの音がアリーナに響いていた。
☆
そんな訓練をしていること数日。
その日のクラスは少し様子が違った。
「ん…?どうしたの?」
やけにザワつくクラスメート達が気になり、僕は近くに居た子に聞いてみた。
「なんかまた転校生が来るって話なんだって。」
「最近多いよね…。ここまで多いと何か仕組まれてるとしか思えないよ…。」
「IS学園はどんな権力からも守られてるから大丈夫でしょ…。」
そんな会話が広がっていた。
転校生…?1組ばかりに…?
明らかに怪しいと思えるがそれが何なのかが分からない以上、僕はいのりの傍にいるしか出来ない。
まずはその転校生を見てみない限り…。
ややあって、織斑先生が朝のHRでやって来た。
「おはよう諸君。早速だが…えー、また転校生を紹介する。」
クラスがザワつく。いよいよ転校生の登場か。
「校条、入って来い。」
……え?
今、
次の瞬間、僕の思考は止まった。
濃い栗色の髪を赤いリボンで結び、優しそうな顔立ちをしている女の子。
「初めまして…」
その口から発せられる声。快活そうで優しさを秘めた声。
僕は
「事情で編入が遅くなりました…」
その人物を
「皆さんとこれから勉学に励みたいと思います…」
彼女を
「名前は…」
『私ね…集はきっと…いい王様になれると思うの。』
目の前で僕を助け、砕け散った彼女を
「
知っていた。
先日、EGOISTツアーFINALに参加してきました。
和風金魚服、最高です。
いのりがどこまで行くのか、楽しみです。
延期となった虐殺器官、待ち遠しいですね。
それと会場にてギルクラの再編成を独自に書いていっしゃる方とお会いしました。
とても哲学的な内容を含んでおりますが、ギルクラの世界を緻密に考えていらっしゃる方です。
今回はその人の情熱に動かされたと思います。
感想、評価お待ちしております
評価等あればモチベに繋がりますのでよろしければお願いいたします。