インフィニット・ストラトス-落ちてきた歌姫- 作:シャムロック
ライブやらコミケやらで忙しかったので(殴
それはそうと今日はギルクラがアニマックスで再放送だそうで
私の部屋にはBSは無いのですがね
だが私にはブルーレイBOXがあるので悲しくない!(涙
あと、カバネリ本編と新曲で嵌っていました(
ライブの旗振りマジかっけえ…
その日、私はまた夢を見た。
____300と10の鐘が鳴り、また生命が誕生する。
(誰……?)
真っ暗な空間。
天と地すら分からなくなる程の闇の空間。でも前は見えてる、そんな不思議な空間。
____皆、その瞬間から死へと向かっていって、終わりへ進む。
(誰なの…?)
声がどこから聞こえてくるのかも分からないその空間。
____前に出した問題の答えは出たかしら?
そして思い出す。
その問いかけは、『完璧なものとは何か』
学年別トーナメント前に見た夢で問いかけられたあの問題。
(……分からない。ただ…)
____ただ?
(この世に完璧なものなんて、無いと思う)
____……その理由は?
(皆誰だって、誰かに愛され、憎まれ、生きている。
ヒトやヒトが生み出した物は、必ずどこかが綻びている……だけどそれがヒトがヒトであるがための摂理だと……思う。)
あの日、自我を真名から取り戻したあの時、集の思いが私にも伝わっていた。
『僕を憎んだ人も……誰かに愛されていたんだ』って……
ヒトは、必ず心の底では誰かを憎んでいる。
何かが自分より上手い、強い……
他者を憎む一方でその人や他からは愛され、また憎まれている。
そんな堂々巡りとしたこの世界は歪で、でも一つの円として動いている。
私は、そんな世界を見てきて、集と出会って、恋をした。
その中で誰かを恨んで、誰かを愛して、ヒトとしての心が満たされた。
だから……世界は定義出来るほどに完璧なものではないのだと思うの。
____そう……貴女がそう思うならそれでいいわ
(一つ聞かせて……貴方は…誰なの……?)
____私?そうね……
微かな沈黙が続き、暗闇はまた声を伝える。
____『 ろ』……かしらね
(え……?)
重要な部分が聞き取れず、聞き返そうとしたところで急にその声が遠のく。
____お目覚めね……貴方が愛す人を…支えて…
☆
「ん……。」
カーテンから漏れる朝日に目を細めながら目が覚める。
ベッドに横たわったまま寝返りを打つように横を見るとセシリアがまだ寝ていた。
(夢……。)
そう、夢。
夢であるはずだったのにその記憶ははっきりしてて……だけどその声だけはぼやけて何を言っていたのかだけが頭に残っていた。
(私が愛す人……集…。)
夢とは脳が前日の記憶を整理する過程で見るものだと何処かで見た事がある。
それなのにそれとは全く関係がなくて……まるで誰かと話に出かけていたような感覚が残る。
(関係あるなら…校条祭の件…?)
突如として転入してきた校条祭。
同姓同名がいるというのは異世界において十分に考えられる。
でも…いくらなんでも姿まで全く同じというのは怪しいとしか考えられない。
昨日今日でクロだと判断するのは早計だと分かっていても……胸騒ぎが収まらない。
それに……もし彼女が集の敵だったとして、私は……彼女に刃を振り下ろせるの……?
☆
かつて、僕の目の前で砕け散ったハレは何を思ったのだろうか。
直前まで意識を失っていた僕を治療し、何らかの理由で急速なキャンサー化してしまった彼女。
微かな意識をたどると何かを言っていたのはわかってたけど、そこまでで彼女の真意までは分からなかった。
そして今、彼女は目の前で生きている。
「どうしたの?桜満君?」
「あ、いや……何でもないよ」
昼食の時間、皆で食事を摂っているとハレがこっちを見ていた。
どうも考え込んでいて箸が止まっていたようだ。
「いや、ちょっと考え事をね」
「今度の期末テストのことでも考えてた?一般教養なら私が教えても…」
「大丈夫だよ。校條さんはIS科目のことをやったほうがいいと思うし、そこまで迷惑かけれないよ」
「そっか…そうよね。」
僕の前に現れてからというもの、ハレはこちらへの接触をよくやってきている。
それは生前と同じようでもあるけど……僕はそれに対して、一歩引いたような反応を返していた。
やっぱり目の前のハレが同じハレと結論付けるのは早いと思ってもいるし…何より、僕が殺してしまったようなものでもある罪の意識が自然とそうさせていたのかもしれない。
だけど、このハレが本物である証拠が無いように、偽物である証拠もない。
今は……ただこのギクシャクとした関係でいるしか無かった。
それから数日後、期末テストが近づいてクラスメートがそわそわし始めた頃にハレからISについてのお願いが来た。
「ISの飛行訓練?」
「うん、私どうしても飛行が苦手で……ホラ、期末の実技試験に飛行もあるでしょ?だから少しでも飛べるようにしときたいなって…」
確かに、ハレの飛行技術はお世辞にも良くなかった。
浮かぶまでは良いものの、ホバリングからの移動(体を水平にせず、重心をずらしてゆっくり移動するだけ)がどうにも出来てなかった。
ISの実技試験ではその辺までが試験となってるためこのままでは評価は低くなってしまう。
幸い、僕は筆記試験に関しては対策は大方終わっているため余裕はあったため引き受けることにした。
その迂闊さが後でどうなるかなど知りもせずに…
☆
放課後、僕はいのりを連れてアリーナのハンガーへ向かった。
いのりは自分のISのメンテナンスと言っていたけど…多分、ハレの監視が目的だろう。
ハンガーへ行くとハレは既に着替えて待っていた。
「あれ?いのりさんも来たんだ。」
「うん…ちょっとISのメンテナンスしにね」
「そっか、じゃあ桜満君お願いね」
そういうと打金を装備して歩いてアリーナに出て行った。
練習を始めて1時間ほど経つとハレはホバリングしながらの移動がほぼ形になっていた。
元々、人一倍努力家でもあった彼女だ。そうなるだろうとは思っていた。
「私ね…時々不思議な夢を見るんだ」
「夢?」
「うん。優しい王様だけど皆から嫌われてひとりぼっちで、それでも優しい王様であろうとする……そんな夢。」
「王様…ね」
「その王様はね、不思議なチカラを持ってたの。人のココロを形にするチカラ。」
「……。」
「そのチカラで王様は国を統べた。そしてソコからはそのチカラで国を良くしようとしたの。でも、国民はそんな王のチカラを恐れ、疑心暗鬼になり、国は荒れた。王様は嘆いた。『どうしてこうなったのだろうって』。そして気づいたの。人のココロは願いや恐れなんかを詰め込んだパンドラの箱だったって。」
「それの何処が優しい王様だったの?」
「王様はね、チカラを持つ前は人を大事にする性格だったの。それがいつしかチカラに酔ってしまった。そして気づいた時にはもう遅かった。だから王様はチカラを封印して国を立てなおそうとした。けどそれを成し遂げる前に死んでしまったの。」
「力は時として人を変えてしまう…お金の力だってそうだね。」
「そう。王様は優しい王様であろうとしたけどそれをするにはもう遅かった。」
「…なんでそんな話を僕に?」
「そのチカラの名前がね…『ヴォイド』って言われてるの」
「っ!!」
思わずハレから飛び退き、距離を取る。
その一言で全てを察した。彼女は…僕の知っているハレだ。
「なんで私がここにいるのって顔してるね……簡単な事。私は生き返った…ううん、生き返えさせらせたと言うのかな。」
「それをやった奴は誰だ…っ!」
「分からないわ。ただ私を生き返らせたヒトはこう言った。『桜満集を殺せ』と」
「お前は…っ!ハレじゃない…ハレはそんなことに従わない!」
「そう、死ぬ前の私ならするはずがないよ…。でもね、従わなきゃ私は消えてしまう…。」
「っ!」
「私だって集を殺すなんてしたくないよ…でも…怖いのよ。」
ハレが涙を流しながら叫ぶ。
「私が私でなくなるのが!!」
その姿が姉…桜満真名がロストクリスマスを起こした時の姿を重なった。
「だから私は戦う。例えそれが集を殺す結果になっても…!」
ハレの打金がIS刀を抜き放つと同時に上空から何かが2つ、シールドを破って落下する。
青い塊だったソレは変形し、エンドレイヴ・ゴーチェへ姿を変えた。
「今のアナタに私は一人じゃ勝てない。だから…ごめんね?」
ゴーチェの銃口がこちらに向けられる。
今からじゃ展開は間に合わない…このままじゃ…!
「集!」
声がしたと同時にゴーチェのレールガンが火を吹く。
だけどその光は目の前で何かに防がれてかき消された。
「いのり!」
「良かった…間に合って…!」
IS『ギルティ』を纏ったいのりが飛んで来る。
そこへ帰っていく砲弾を防いだのであろうビット。
危機を察知して直ぐに来てくれたみたいだ。
「やっぱり、邪魔するのね。いのりさん。」
「集を守るのが私の信念!」
「なら、二人とも相手してあげる…行って!」
ゴーチェ2機がこちらへ向かってくる。
IS展開を終えた僕はいのりと共にスラスターを吹かして立ち向かった。
ハレを救うために。
今回は集がメインですが次回はいのりメインになります
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