インフィニット・ストラトス-落ちてきた歌姫- 作:シャムロック
先日、いのりの声優さんこと茅野愛衣さんの耳かきボイスなるものを発見しまして、即買いして聴いたところ声質が割といのり寄りで思考がビーバー化した作者です。
というわけで速攻で書き上げました。
ある日の午後。
何も予定が無い休日。
僕は唐突にいのりに散歩に誘われた。
気候は夏を過ぎて秋になりかけた少し暑くもあり、出歩くには心地よい晴天。
二人で学園の遊歩道を歩く。
……そういえばこうやってゆっくりした時間を過ごしたのはいつ以来だっただろうか。
そんなことを思っては消えていく状態を繰り返しながら歩いてると、傍を歩いていたいのりがツンツンとつついてきた。
「集、あそこ……座ろ?」
指差したのは一つのベンチ。
ちょうど樹木の影が重なってて日差しの影響も受けない、休むには絶好の場所。
「いいよ、なら何か飲み物も持ってこようか?」
「じゃあ、お願い。」
☆
そよぐ風が心地よく撫でていき、秋の始まりを感じさせる匂いを運んでくる。
ベンチに腰掛け、買ってきた飲み物を飲みながら瞼を閉じて季節の変わり目を感じていた。
思えば、春からここまで季節の移り変わりを思う暇も無く動いていたから、この時間はとても貴重で、心が安らぐ。
隣でいのりは何か新しい曲でも考えてるのか、僕の知らないメロディを鼻歌で奏でてる。
制服ではなく、白いワンピースを来ている彼女はとても眩しく、その存在を主張する。
隣ににいのりが居る。その事実だけで僕はとても満たされ、心は踊る。
再び掴んだこの手を、絶対に離さない。そのために僕は何としても……
そこまで考えたとき、唐突にいのりの手が僕の頭を掴んでぐいっと引き倒してきた。
「ちょ、いのり何をうわっ!?」
ボフッという音の後に遅れて感じる柔らかい感触。
これってまさか……
ゆっくり瞼を開けると見える景色は90度横向き。そしてその視界の隅には見覚えのある脚。
つまり……僕はいのりに膝枕されている!?
「そのまま。」
急いで起きようとするといのりに制されてしまった……。
珍しく有無を言わさないような声音で諭されてしまい、大人しく膝枕されるがままになる。
風はそんなことお構いなしに心地よい風を運んでくる。
ちょうどいい気温、気持ちいい風、いのりの膝枕という天国もかくやという状況。
図らずも睡魔に襲われかけ、意識が揺らぐ。
「あ……集の耳、結構汚れてる。」
「なっ!?」
唐突に言われたショッキングな一言に思考が一気に戻る。
そんな……風呂の度に耳もきちんと洗っていたのに……!?
「だから耳かき、してあげる。」
しゅりしゅり、カリカリと耳にダイレクトに音が伝わり、そこから得も言われぬ快感が襲ってくる。
どういうわけか、僕は今『ベンチでいのりに膝枕されて耳かきされている』という状況になっている。
なんで耳かき道具なんか持ってるの、とかそもそも膝枕なんてなんで、とか色々聞きたいことはあったけど、膝枕の心地いい感触と体温の温もり、耳かきの快感にそんな気力はAP結晶が砕けるかのように霧散する。
「集…気持ちいい?」
「あ、ああ。物凄く良いよ…。」
「なら、よかった……。」
時折、そんな風に会話はするものの。大半は耳かきの音だけが響く。
そんな時、ふと音が途絶えた。
「右耳、終わり。集、今度は逆向いて。」
!?!?!?!?!??!!!?
逆ってことは、お腹の方に、視線をむけ……!?
いやいやいやいや、それは不味い!いくら耳かきとはいえ、それだけは……!
「早く」
「はい」
またもや有無を言わさない声に従うしか無い僕だった。
目の前は真っ白な布。
僕は今、いのりのお腹を目の前にしている。
これほど近くで見たことがあっただろうか、いやない。
既に僕の思考はオーバーヒートしかけつつ、左耳を耳かきされてる。
「寝たかったら寝ても、いいよ?」
そんな優しい声が上から降ってくる。
さっきであればその声に甘えている所だが、今は状況が状況。
心拍は上がり、思考は暴れている状態で寝れるほど、僕は出来てない……。
結局、終わるまで眠れることは無かった。
☆
その夜、なんで耳かきなんかと聞いた所、箒さんに『嫁が耳かきを夫にするのは夫にとって天上の幸せ』というのを聞いたからだという。
いや、確かに天上の心地ではあったのだけど……。
「集は、耳かき……嫌い?」
「いや、そういうわけじゃ……。」
「なら、これからもたまにはしてあげる。」
……自分で耳かきすることは今後無くなりそうだ。
気になる方は「茅野愛衣 耳かき」で調べれば出ますので是非に
え、本編?
……もうちょっとお待ち下(殴
感想などあれば火付け剤になって早く書き上がるかもしれません。