インフィニット・ストラトス-落ちてきた歌姫- 作:シャムロック
VSセシリア戦です。
一週間後、第三アリーナ
私はアリーナのピットにいた。
あの後、話を聞いてみたらクラス代表を決める際に専用機持ち三人が推薦された結果、模擬戦によって代表を決めることになったと聞いた。
そんな訳で私はピットで出撃準備をしていた。
「楪」
織斑先生が声をかけてくる。
「お前にとって最初の戦闘だ。
無理はするな。」
「大丈夫です。」
そう言って、私はカタパルトの前に立ち、ISを呼ぶ。
(来て……ギルティ。)
するとあの時みたいに粒子が体を包み、ISが展開される。
カタパルトに足を乗せ出撃準備を整わせる。
「……行きます!」
カタパルトで加速され、射出される。
若干のバランスを崩したけど何とか定位置に着いた。
「先ずは貴女からでしたわね。お手柔らかにお願いしますわ。」
対戦相手のセシリアがこちらを見る。
ISが相手の情報を呼び出し、表示する。
IS ブルー・ティアーズ
遠距離型のISで主武装はビームスナイパーライフルのスターライトmkIIIとビット。
情報を目にすると葬儀社で培った戦闘経験からどうすればいいが頭に次々と展開される。
ブザーが鳴り、試合が開始される。
「行きますわよ!」
開始早々ビームを撃つセシリア。
ハイパーセンサーのお陰で私は難なくビームを避ける。
此方の武器はハンドガンと槍一本。
どう考えても此方が不利。
でも、近接戦に持ち込めば逆転できる。
そう考えた私は、ブルーティアーズの狙撃を避けつつ、チャンスを伺う。
「良くも避けますわね……ならコレはどうなさいます?」
焦らしたセシリアがビットを射出。数は4基。
私を囲む様に展開し、撃ってくる。
この時を待っていた!
私はあるシステムを起動させる。
次の瞬間、私はセシリアの前に居た。
「っ!?
そう、ISの能力 瞬間加速を使ってビットの隙間から接近した。
私は右手に槍を。左手にハンドガンを展開し、斬撃と銃撃を叩き込む。
だが……
「っ!! 好きにはさせませんわ!!」
ブルーティアーズの腰の右バインダーが跳ね上がり、中からミサイル弾頭が覗く。
「くっ!!」
私はすぐにセシリアから離れ、回避行動に移る。
ミサイルはしつこく私を狙ってくる。
なら……!
私はビットの一基に接近する。
ビットが撃ってきて被弾するけど、構わない。
私はそのビットを踏み台に方向を180度変えた。
「なっ!?」
セシリアが驚愕する。
そして私はハンドガンでミサイルを後ろから撃ち、踏み台にしたビットを爆風に巻き込んで破壊する。
「良くも私のブルーティアーズに傷を付けましたわね!」
ビットの攻撃が激しくなる。
でも、1基減り、隙間が増えた事で隙は大きくなる。
私は槍で一基ずつ破壊していく。
1基をハンドガンで撃ち、砲門をずらせてビームの照準に隙を作り、そこで槍を刺して破壊する。
残り2基。
そこからはもう苦じゃなかった。
実戦で実際の命の削り合いをした者と、そうじゃない者。
ビットが全滅するのにそう時間はかからなかった。
私はセシリアのISまで急加速で接近する。
「くっ!」
慌ててセシリアがスターライトを構えて撃つも既に得意レンジを過ぎている。
難なくビームを避けて、セシリアに槍を突きつける。
「お願い……降伏して?」
「……その様……ですわね」
セシリアが観念したかのようにスターライトを下げる。
だが……
「かかりましたわね!!」
左の腰バインダーが上がり、最後のミサイルが発射される。
セシリアと私の間で爆炎が上がり……セシリアが吹っ飛ばされていた。
「な……なんで……。タイミングは完璧だっはずですのに……?」
煙が晴れた時、いのりはハンドガンを向けていた。
もちろん無傷じゃなかった。
でも、最初の1発が右から出ていたのは確認していたため、もう1発が左から出ることを予想し、すぐに撃てる様にしていたお陰で、セシリアを爆発に巻き込め、こっちのダメージを直撃ではない量まで減らしていた。
「……バカな人。」
勧告はした。
それを破った。
私はセシリアを倒すことにした。
瞬間加速を使って踏み込み、その勢いで槍を刺す。
その威力だけで、セシリアのISのシールドエネルギーは尽きた。
『勝者!楪いのりさん!』
ブザーが鳴り、私はピットに戻っていく。
「流石だな、楪。
伊達に戦場に出ていないな。」
織斑先生が話しかけてくる。
先生には私の事情は話してあるからだろう。
「少し休憩を挟み、織斑との模擬戦に入るがいいか?」
「はい……。」
私はその間にシャワーで汗を流しておくことにした。
「すげぇ……」
観客席で織斑一夏は感動していた。
流れるような接近しての斬撃。
ビットを踏み台にしてのミサイルへの銃撃。
戦術を知っていたかの様な動き。
全てが一夏の目に焼き付いていた。
「あんな相手とやれるのか……」
セシリアの多方向からのビット攻撃。
楪のスピードアタック。
どれもが男子である一夏の戦闘欲をかきたてた。
「織斑、次はお前の番だ。ピットに来い。」
千冬に呼ばれ、ピットに向かう。
納入された白式を纏い、フィッティングを行う。
それらが終わり、出撃準備が終わった頃にちょうど時間となった。
カタパルトに足を乗せる。
「織斑。」
千冬が声を掛ける。
「油断するんじゃないぞ。」
「……はい!」
そうして白式は出撃していく。
シャワーを終え、ピットに戻る。
戦っていた時、私は自然とあの世界の思い出を思い出していた。
戦闘。出会い。自分の役割。そして恋。
(……集。)
生きているのなら会いたい。
そう、思ってしまう。
私はそれを振り払ってISを展開し、カタパルトに足を乗せる。
(集……私は、この世界でどうしたらいいの?)
不安を抱えつつ、私は空に飛ぶ。
次回はVS一夏戦となります。
そろそろある人sideの描写入れようかな……