インフィニット・ストラトス-落ちてきた歌姫- 作:シャムロック
戦闘描写力が欲しいと思えた回です←
※心理描写を追加しました。
私の朝は走り込みから始まる。
朝5時に起きてジャージに着替え、セシリアを起こさないように部屋を出る。
そして人気が無いコースを探して数キロ走る。
私の体はどういう理由でか身体能力は飛び抜けて高く、エンドレイヴのクローや銃撃を避けながら飛び越えた事があるくらいに高い。
そんな事で私は体力を維持する為、こうして走り込みをする。
途中、グラウンドで篠ノ之さんを見かけたけど走るのに集中しているせいか、こっちには気付かなかった。
走り込みを終えると部屋に戻り、シャワーを浴びて汗を流す。
ベトついた肌を温く設定したお湯が心地良く流してくれる。
この感触は前の世界ではあまりしなかった感覚だけに好きだった。
シャワーから上がり、制服に着替える辺りにようやくセシリアは起きる。
「おはようございます。楪さん。」
「おはよう、セシリア。」
二人とも制服に着替えると食堂に向かう。
セシリアはトーストとサラダに紅茶。
私は具がランダムで入ったおにぎり数個とお茶。
ここの食堂におにぎりがあって良かった。
他にも和食等はあったが、私はやっぱり集に作ってもらった時からおにぎりが一番の好物だった。
セシリアと話しながら食べていると一夏がトレーを持って来た。
「ここ、いいかな?」
「構いませんわよ」
「うん」
一夏が私達のテーブルに座る。
「セシリア、楪、折り入って頼みがある」
「何でしょう?」
一夏が物凄く真剣な顔で話しかける。
どんな大事な内容なのかと思っていると……
「俺にISの訓練をしてくれ!!」
「「え?」」
あまり重要な内容じゃなかった。
あれから一夏の話をまとめると、
・1週間後にクラス対抗戦の代表マッチがある。
・当然、一夏が出るわけだけど、まだまだ弱い。
・そこで私達に訓練してもらいたいとのこと。
こんな感じだった。
「だから頼む!」
そう言って一夏が懇願する。
「まあ、私は構いませんが……楪さんは?」
「私も……大丈夫。」
「ありがとう!今度何か奢るよ!」
そう言って一夏は笑顔を向けた。
所変わって朝のSHR。
織斑先生が伝達事項を話している。
「……以上だ。
それと織斑、もうすぐクラス代表戦だが訓練はしているんだろうな?」
「は、はい!」
「1組代表として無様なマネはするんじゃないぞ」
なるほど、これは焦るのも無理は無い。
何かと代表とか言うのは重責だ。
涯も幾度と無く輸血の時等に、その重みを私に漏らしてきた。
「ねえ、代表戦誰が勝つと思う?」
「織斑君じゃない?専用機持ちなんだし」
「だよね~。他のクラスには専用機居ないしこれは勝ったも同然じゃない?」
織斑先生が出て行った後、近くの女子がそんなことを話している。
と……
「その情報、古いわよ!」
ドアの方から大声で制する声がする。
そこには見知らぬ女子が居た。
ツインテールの小柄な女子。
「お前……鈴か!?」
一夏が驚いた様子で鈴と言われた女子に向く。
「ええ、久しぶりね。一夏。」
「お前、いつ戻ってきたんだ?」
「昨日よ。IS学園に中国代表候補生として編入してね」
「凄ぇな!」
どうやら友達だったみたい……。
その後の会話を聞くに、あの鈴という人は2組の代表ということらしい。
これで、一夏の訓練の必要性は更に増した。
私はどうやって一夏を教えるか考えながらその日の授業を過ごした。
放課後、アリーナ。
一夏駆る白式が私に零落白夜を繰り出す。
私はそれをバスターブレードで受け流す。
「クソッ!何で避けられる!」
「動きが単調。それだと避けてくれって言っているようなものだよ」
「じゃあ、どうするんだ?」
「こうする」
「へ?」
機体を加速させ一夏に迫る。
バスターブレードを横に振る。
一夏はどうにか雪片弐型でガードする。
そこに蹴りを一夏に繰り出し、体勢を崩させる。
そこに一度バスターブレードを引いて、素早く袈裟斬りに繋げる。
流石に斬りはせず、寸止めに留める。
「……こんな感じに普通は数で攻撃を仕掛ける。
一夏のワンオフアビリティは強すぎるから最大限に警戒する。
だから、最後の切り札にしておいたほうがいい。」
「なるほど……わかった!
もう一回頼む!」
「うん……」
そうして、私は基礎的な近接戦闘を。
セシリアが射撃者への訓練を行い、一夏の戦闘スキルはどうにか実戦レベルまでは行った。
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代表戦当日。
私は一夏のオブザーバーとしてピットの管制室にいた。
1週間の成果を見てて欲しいという一夏の希望だ。
まあ……1週間でどうにかといったところだから目に見えて変わったという訳でもないんだけど……
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俺は白式を纏い、アリーナに上がる。
鈴のISは既におり、こっちを見ていた。
「随分と特訓していたみたいね」
「当たり前だ。曲がりなりにも代表だからな」
「じゃあ……見せてもらおうじゃない!」
ブザーが鳴り、戦闘が開始される。
まず鈴が接近して青龍刀を振りかざしてくる。
すぐに俺は雪片弐型でガードするが、その重さに少し飛ばされる。
「ぐっ!! 重いっ!」
「ほらほら!行くわよ!!」
鈴がすぐに追撃を仕掛けてくる。
俺は今度はそれを真っ向から受け止めはせず受け流して回避する。
すると、鈴がこっちを向いた途端、何かに吹き飛ばされた。
「っ!?何だ!?」
「へえ、龍咆を耐えるなんてやるじゃない」
そう言うと、肩の砲門から歪みが発生し、不可視の弾丸を撃ってくる。
「くっ!!」
スラスターを全開にしてそれを避け、逃げまわる。
「逃げてばっかりじゃ話にならないわよ!!」
「だったら!!」
一度壁を蹴って方向を変え、直ぐに瞬間加速を使って接近し、零落白夜を発動する。
「喰らえ!!」
雪片弐型を振り、当たるかと思った瞬間、アリーナのシールドを突き破って何かが落ちてきた。
「!? なんだ!?」
視界が失われ、見えなくなる。
視界が晴れた時、その落ちてきたモノが明らかになる。
青い装甲板が目立ち、
頭が平べったく、赤いツインアイが光り、
足にキャタピラが付き、
ISより遥かに大きいその機体。
エンドレイヴ・ゴーチェの姿がそこにあった。
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「あれは……っ!?」
間違いない。
エンドレイヴ!
なんでこの世界に!?
そんなことを考えていると、ピットのシャッターや観客席のシャッターが締まり始める。
「くっ!!ギルティ!」
直ぐにISを呼び出し、シャッターが閉まる前にアリーナに飛び出す。
「一夏君!下がって!!」
バスターブレードを呼び出し、ゴーチェに向かって斬りつける。
「はああああああっ!!」
キンッ!
甲高い音が鳴り、
バスターブレードはその刃を通せなかった。
「……え?」
ゴーチェが直ぐに反応し、クローで私を壁に叩きつける。
「きゃあっ!!」
「楪さん!!」
叩きつけられ、銃撃が私を襲い、意識が遠のく。
薄れゆく意識の中、一夏達の戦闘が見える。
一夏がゴーチェに雪片弐型で攻撃を仕掛けるも、右手にマウントされた銃で反撃され、思うように近づけない。
鈴さんが龍砲で攻撃しても、衝撃砲だけにゴーチェにはあまり効いていない。
それどころか、ゴーチェは肩のミサイルや銃を巧みに使い、一夏や鈴さんをジリジリ削って行く。
(私は……また……失うの……?)
そう思いながら、意識を失った。
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______マスターとの同調率、良好。
(ここは……?)
また、暗い所に私は居た。
どこからか、声が響く。
______ワンオフアビリティ、解放シークエンススタート。
ワンオフアビリティ?
それって……
目の前にいつの間にか結晶が浮かんでいた。
アポカリプスの結晶。中にはヴォイドゲノムの象徴で集の右手にあったマークが入っている。
《みんなを守りたい……?》
不意に男のような女ような声が響く。
《ねえ…?みんなを守りたい?》
「私は……守りたい!
今度こそ、失いたくないの!!」
《なら……それを取りなさい……
守る力を貴女に貸すわ。》
(私は…っ!)
取れば私の身に何かしらの影響が出るのは明白。
それでも…私はその結晶を、取った。
たとえ、これが禁忌や罪の果実だとしても、私はその罪を背負って行く。
そう決めた。
どれも、集の元へ帰る意志に比べれば安いもの。
そう、思えた。
______ワンオフアビリティ『ノゥネーム・モンスター』起動します。
その瞬間、私の意識は浮上する。
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「くそっ!!
どんだけ固いんだよ!」
突然現れた、巨大な機体。
その防御力はISでさえも通さない未知であり、ISの概念を覆す性能だった。
楪さんは簡単に倒され、俺と鈴もシールドエネルギーがヤバイ。
どうすれば……っ!
「あああああああああああああああああああっっっっっ!!」
突然、雄叫びが響き、楪さんが居たところが紫色に光る。
光が収まった時、何かが飛び出した。
「はあああああああああああああっっっ!!」
ソレは敵の右手を簡単に斬り裂く。
その姿をハイパーセンサーが捉える。
それは、全く違う姿をした、楪さんだった。
俺はその姿、行動を見た時、思わずこう言ってしまった。
「まるで……獣だ……」
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私の意識が回復し、ワンオフアビリティが起動すると、ISはその姿を大きく変えた。
スラスターを残して、殆どがトゲと化し、体の各所から生えた様に配置される。
両手からは長大な剣が伸び、背中の肩甲骨辺りからも長いトゲが伸びる。
それは、私が力を解放した時とほぼ同じ外観を持っていた。
ISスーツさえも吸収され、体を薄く覆うように変えられる。
(これって……っ!?)
どう考えても、理解が出来なかった。
今、頭にあるのは、
敵を破壊し、二人を守りたい。
それだけが頭を支配する。
「はあああああああああああああっっっ!!」
力の限りの声を出し、ゴーチェに肉薄する。
ゴーチェは反応出来ないまま、右手を切り落とされる。
着地し、直ぐに反転してスラスターを吹かしつつ剣を構える。
ゴーチェが肩のミサイルを大量に撃ってくるも、私はソレを斬るか、ジャンプで避けながら接近する。
「うああああああああああああああああああああっっ!!」
裂帛の気合と共に、跳躍し、胴を両断する。
背後で爆発するのを感じながら、私は着地する。
(やっぱり……私は……)
そして、ISが解除され、1つの真実が私を絶望に落としつつ、私は倒れた。
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「ふむ。ゴーチェの改良は上手く行きました。
ISの攻撃を耐えるのであれば良好です。」
人には認識出来ない空間で誰かはつぶやく。
「真名の意識は徐々に復活している。
もうすぐだ……もうすぐ、我がダァトの想いは完遂される!!」
薄気味悪い笑いを残しつつ、誰かは消えた。
ようやくいのりのワンオフアビリティが出ました
詳細は後ほど
ゴーチェの銃ってパルスライフルっぽいけど、何なんでしょう?
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