雨宿り   作:特遅やくも

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雨晒し

 どこまでも鬱屈とした森の青緑の下でたった独り、立ち尽くす。

 

 他に人も、獣の気すら感じない。それなのに絶え間無い雑音が耳を殺到して、心までをもざわめかせる。

 ずぶ濡れになった帽子や服の重みが、身体を泥濘んだ地面の底へと沈めていくようだった。

 

 

 

 外は雨。

 雨は嫌いだった。

 その匂いに触れるだけで、奥へと埋めた憂鬱の泥が這い出してきてしまうから。

 ……瘡蓋にもならないあの日の記憶を、思い出してしまうから。

 

 

 あの日も同じ、雨だった。そして___

 

 

 

 ____今日と同じ、血の匂いがしていた。

 

 

 目前に一つ、人の身体が転がっている。

 鋭利な氷柱が胸に突き立って、止めどなく流れる血が雨水と混ざっていく。

 

 死んでいる、否。

 

 私が殺した。

 

 

 

 

 

 

 私の生まれは街から遠く離れた農村の外れ、近所とも多少距離を置いた、拓かれない森の真横に在るような自然と壁一枚の家だった。

 

 きょうだいは無く、父と母との三人暮らし。

 すらりとして背が高く、狩人として私達の生活の柱を務め上げる父。

 端整な顔立ちで、父の取ってきた食料を毎日美味しく料理してくれる母。

 

 人並みに怒鳴られたりもしたし、撲たれた事も、食事を一人除かれた日もあった。

 それでも、大切な家族だった。

 

 かけがえのない、二人だった。

 

 

 

 

 

 

 未だ崩れる呼吸、冷え切った体の芯、震える手足を押して、死体の側へ恐る恐ると躙り寄る。

 大人の男だった。右手には、短剣が握られている。

 

 それが物語るのは一つ、こうでもしなければ、同じ末路を辿っていたのは自分の方だった。彼は奇襲に失敗し、返り討ちに遭った。それだけだ。

 だからこれは、仕方の無い事。当然の報い。

 

 

 最も、私の命の大半は既に無かったようなものだった。雨の暗幕と轟音の中に融けていた殺意を完全に放心していた。襲撃等久しい旅程で油断していたとか、突然の雨で気が揺れていたとかは言い訳で、あるのは一人身で隙だらけの少女という格好の獲物がぶら下がっていた、その事実だけ。

 

 前方の木陰から不意に躍り出た男の一突きは人体の急所、胸部を的確に狙っていた。皮の防具程度ものにもならない切れ味と威勢、それが凶刃と化すには十分過ぎたはずだ。

 

 何の事は無い。

 その程度でまさか、かの地龍の甲殻が容易く貫かれるはずも無かったのだ。

 

 

 

 冒険者とはシビアな生き様だ。食い扶持に安定等は無く、いつその心身が折れるかも分からない。だから、稼げる時に兎に角稼げ。口酸っぱくとだけでなく、眼でもそう教わってきた。

 故に、道すがらの屍はこれ幸いとばかりに皆漁る。冒涜、卑劣との謗りは必然で、世間で冒険者という職が嫌厭される一因にもなる。だが道徳等を綱にしては渡れもしない世界だと、未熟者のこの身でさえ弁えているのだ。

 

 それでも。いくら赤の他人、それも自分を手に掛けようとした相手と言ったって、その遺物を剥ぐのに良心が咎めない訳は無い。教会の僧の真似事だけして、漸くと死体へ手を着ける。

 

 一先ず、嫌でも目に入る短剣を懐に忍ばせる。血の染みた衣服はそもそも作りから簡素で金にならない。ズボンや外套の衣嚢からは申し訳程度の貨幣の他に幾つか不揃いの小物が出てきた。貧窮した末、こうして殺しと盗みを働く事で辛くも糊口を凌いでいたのかも知れない。

 

 こんなものか。内心の端で落胆している自分に嫌悪を催しながら立ち上がろうとした矢先、開いた外套の内側が不自然に膨らんでいるのに気付いた。裏にも隠しがあったらしい。

 

 入っていたのは、貴金属製と思しき輪。人肌の温もりが残るそれは腕輪にしてはやや大きい。外縁を撫ぜると一点、取り外せそうな箇所がある。チョーカーだろうか。

 内周も同じように擦ると、妙な感触が伝わる。窪んでいるようだ。傷かと思えば、どうやら内のほぼ全面に刻まれている。

 

 これは……文字?

 

 そう思い至った時、私は結節を外して内面を覗き込んだ。悪天で目が利かず、火も点かない中、暫くでそれが何か掴む。

 

 

 二人の人の名前だった。

 

 共に女性名だったので、男の名では無いはずだ。或いは彼が奪い貶めた人間という可能性もある。しかしここまで精緻な細工が施され相応の売値も付くだろう代物を、上着の裏何ぞに大事に抱えているだろうか。

 

 

 誰であったところで、私には関わりない事。そう分かっていても。

 もしそれが例えば、男が愛した者の名だったとして。そんな人間が居てくれていたのに、非道へ堕ちざるを得なかった彼の境遇を推し量ろうとする程。

 

 言い知れない悲しみが、心中に波を打って広がるばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 私の藍紫の髪、翠の瞳は、何れも父親譲りだ。

 水を浴びた後、母が私の髪を梳く傍らで、

 

「あなたは、本当にあの人そっくりね」

 

 と、気持ち低い声色でよく呟いていたのを覚えている。

 

 

 そんな父と私だったが、常日頃に言葉を交わす事は殆ど無かった。

 たまに話をしたとして、嫌いな食べ物を前に渋る私を叱る時とか、転んで土草に塗れたまま家の床を踏んだ私の頬を叩く時とか、その位しかない。

 

 けれど、ある一時に限っては違った。

 父は時折、私を散歩に連れて行ってくれた。母親が街へと買い出しに下り、父が私の子守を任される日の間、母には内緒とその度に言い含めながら、近場の野山へと一緒に繰り出すのだ。

 

 

 そしてそこで父は、私の生きる導___魔法を、私に教えてくれた。

 

 父は元々魔術師で、数多の魔法を扱えた。中でも得意としていたのが、水と氷の魔法。

 色鮮やかに架けられる虹や、綺羅星のように煌めく氷の粒は、幼き私の目を虜にして離さなかった。

 

 更に父はその魔術の腕で、往時は冒険者として鳴らしていた。在りし日に見てきた珍しい光景や失敗談、勇ましく脚色された冒険譚を、“散歩”の時間だけは、嬉々とした様子で流暢に語ってくれるのだ。

 私が冒険者に憧れを抱くようになるのにも、何ら不思議は無かった。

 

 

 その夢を父に伝えた時、しかし父は喜び、嘆きとも付かない微妙な面持ちを浮かべてから、

 

「お前には無理だ」

 

 と、普段みたく冷淡に突き返すだけだった。

 

 

 

 それでも、私は輝きを追い掛けた。父に借りた魔導書に夜な夜な読み耽り、密かに鍛練も重ねた。

 一度だけそれが母に露見し、その時はかつてない程の剣幕で激怒された。散々の罵詈雑言を被された挙げ句書も取り上げられ、父の言った「母には内緒」の意味を痛感した。その父も手酷く当たられたのか、半月全く口を聞いてくれなくなってしまった。

 

 尚も、私は諦めなかった。魔導書の暗記していた部分を只管復唱して脳に焼き付け、親の睨みの合間を縫っては外で実践練習。熱りが冷めた頃にまた父との“散歩”に赴けるようになれば、父の披露する魔法を目で盗み術式の解釈を試みた。

 

 描いた将来像への断片が一つ嵌まる度、歓喜がまた私を強く駆り立てる。その積み重ねで少しずつ、少しずつ私は、夢想の彼方、羨望の先へと手を伸べていった。

 

 

 

 ある真夜中の事。

 言い争いのような喧騒で、私は目を覚ました。

 

 自分の私室は二階にあり、声は床を隔てた向こう、一階から聞こえてくる。いつもの夫婦喧嘩と思って持ち上げた身体を戻そうとしたが、その日は様相が違った。

 

 昼間、父は泊まりになると言って出て行き、今晩は帰らないはずだった。そのつもりで今日は母と二人早くに夕食を済ませ、夜も浅い内に寝室へと促されたのだ。

 

 それを思い返すと、不安が根付いて再び寝入る事もできなくなってしまう。

 嫌な胸騒ぎがした。恐らく声は二人、母ともう一人、何者か。この家には来客が滅多に無い。況してこんな深夜ともなれば、考えられるような人となりは限られてくる。真っ先に過ったのが、押し入り強盗。亭主の留守を如何様にか聞き知った人間が、母子のみが残る家を標的に選ぶ。有り得る話だ。

 

 現に危険人物であったなら、闇雲に首を突っ込む方が命を脅かす。しかし私にそこまで思案を回せる余地は無く、ただ早くなる脈に突き動かされるようにベッドを抜け、足音を殺して暗中の廊下を歩く。

 杞憂に終われば良い、それで夜更かしを戒められるだけで済むなら軽いもの。その程度の心持ちで、下へ続く階段の手摺を握った。

 

 

 __この時、何をするのが正しかったのか。今でもまだ、わからない。

 

 

 

 足を踏み外さないようにとは及び腰の誤魔化しで、一段一段、ゆっくりと降り進む。段差の間隔が平時のそれと噛み合わない錯覚がして気持ち悪い。

 

 一階までに曲がり角は二つ。一つ目で、下からの灯りが暗がりに慣れた目に刺さる。母は眠っていなかったのだろうか。微かに酒の臭いが鼻を擽る、珍しい事だ。父が下戸なので、此処の食卓で酒が振る舞われる機会はほぼほぼ無い。

 

 声が近くなる。やはりその主は二人だが、両者共に此方が萎縮する気迫でがなり立てていて、母と思われるそれすら、本当に母のあの細い喉から出てくるのか疑わしくなってしまう程だ。

 

 

 二つ目。

 

 陰から顔だけを覗かせた途端に、それが見えた。

 

 母だ。

 馴染み深い姿に刹那、安堵してしまう。

 

 

 だが、事はそう悠長でなかった。後退るその目差しは、対面しているらしい相手への恐怖で塗り潰されていて。

 

 

 次には、母の頭が殴られていた。

 

 

「____っ!!」

 

 憂慮が実となるのを確信した私は、前方へと転がるように駆けていた。右の手に魔力を練り、家族を守るべく、前へ。

 

 

 この頃の私は魔法の習得が順調で、どこか浮かれていた。

 躊躇いを踏み倒していたのは少年期の軽薄の至り、身不相応な英雄願望、浅ましい自己顕示欲。母親と無力な子供だけと思って乗り込んだだろう下手人を、愚かと笑ってやりたい慢心すらあった。

 

 

 母の前へ飛び入る。

 

 敵の姿を捉える。

 

 右手の蒼光が最高潮に達する。

 

 

 

 

 

 

 今にして思えば。

 

 その時一番愚かだったのは、紛れもなく、私だった。

 

 

 

 

 

 

 未だ戦慄く指先、乾き切った口の中、滲む眦も忘れて、死体の側へ恐る恐ると躙り寄る。

 大人の男だった。左手には、欠けた硝子瓶が転がっている。

 

 心臓を氷柱が穿ち、仰向けのまま、動かない。多分、致命傷のはずだ。

 

 やった。

 達成感に満たされるまま、不用意にも、その死に顔を屈み見る。

 

 

 

「____え」

 

 

 息が詰まる。

 理解できない。

 だってこれは、余りにも…………おかしい。

 

 

 雨具を目深に被った男の口元は、私のよく見知った形で。

 その上の目鼻立ちもそれはまたよく、似過ぎていて、それから。

 

 どれだけ現実を先送りにしようとしても、認識が勝手に追い越してしまう。

 

 

 

 それは、父親の顔をしていた。

 

 

 

「え。なんで…………え?」

 

 

 狼狽する私の視線と、父の驚きを孕んだようなそれが交錯する。

 

 何がしか声を発そうとしたその口からは、血ばかりが吐かれた。最早、一言の猶予も無い。

 

 それを自ら悟ったらしい父の瞳は、最期に今一度、私のひどい表情を写して、

 微笑んだ。

 

 

「あ。や、待って」

 

 

 私の願いも虚しく、静かに、瞼が閉ざされる。

 

 

 死んだ、否。

 

 

「……わ、たし、が……?わたしが…………」

 

 

 だめだ。

 

 齢十半ばの少女に、これを受け入れるにはとても

 ___重すぎる。

 

 

 逃げるようにして、もう一人。後ろに居た母親の身体へと縋り付く

 

 

 

「ひっ」

 

 

 身震いした。

 

 既に喪われつつあった四肢の体温、その根本へ、先へ、吸い込まれていってしまう。

 

 

 だって、あんなにも綺麗だった母の顔は。眼も瞳孔も醜く開き切って、濁々と溢れる赤でブロンドの髪が汚れて、艶やかな肌から、瞬く間に色が、抜け落ちて、

 

 

 

「い、いや。やだ、やだあっ」

 

 

 決壊する。

 氾濫する。

 

 

「ごめんなさい、ごめんなさい、待って、いかないで、おねがい、誰か助けて、お父さん、お母さん、お母さん、お父さん、おかあさんっ、おとうさぁぁぁん!!」

 

 

 濁流の中で叫んだって、誰も手を延べてなんかくれない。

 だって、お前が殺したんだ。だからこれは、当然の報い___

 

 

「あ゙ぁぁああぁあ゙あ゙あぁあぁぁ゙ぁぁあああぁあ゙あぁあああ゙あぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 ____嗚呼。所詮私は、物分かりの悪い子供。

 

 

 我が儘に鳴き喚くしかできない、無力な雛だった。

 

 

 

 

 

 

 私は、何も知らなかった。

 

 父があの日、予定より早く帰ってきた理由も。激昂し、母を殴り付けた動機も、正確な所と語れるのは一つとして無い。

 

 

 ただ、後に初めて街へ下りた時、かつての両親を知るという冒険者に出会えた。

 

 その話では、当時の母は聖職者だったのだそうだ。

 冒険者の父とは度々行動を共にしていたが、飽くまでも仕事上の付き合いで、然程仲が良い訳でもなかったらしい。

 

 しかし、一夜の過ちで母は私を身籠って、清純を美徳とする教会を追われてしまう。

 その為に父も冒険者稼業を退かざるを得なくなり、二人は夜逃げ紛いに街を去って、僻地の隅に現居を構えたのだと言う。

 

 それを聞いてしまえば、あの日起きた出来事の顛末も単純だ。本来反りの合わない二人が一つ屋根の下暮らす内、積もり積もった不満が爆発した、何処にでもあるような話だろう。

 

 

 でも、その時の私はやっぱり、何も知らなかった。

 知らなかったのだ。

 

 

 

 一つ確かな事は、私は世界に一人で放り出された。

 親戚や、近所に住む人間の伝手もわからない。寄る辺を無くした私が頼りにしたのは、魔法だった。

 

 母を憤らせ、父を殺めた魔法を、私は遠ざけるどころか今まで以上に妄執するようになった。

 それ以外に身を立てる術を知らなかった、というのもある。だが同時にそれは、弱い自分との訣別を期していた。

 

 あの日、もし私に力があったなら。例えば回復魔法を使えたなら、両親が死ぬ事は無かったかもしれない。そうでなくても技術さえ持ち合わせていれば、父を殺さずとも抑えられたはずだ。

 

 

 何より、その手で家族を壊してしまった私には、一人でも天下を歩いていける事を示す責務がある。両親の過去を聞いた後には、尚更その決意は強くなった。

 

 私が台無しにした二人の人生は、他ならぬ私が背負わなければならない。

 

 

 

 丸半年掛けて、火の魔法、水の魔法、解毒魔法。旅をする上で最低限必須とされる魔法三種を、どうにか実用に足る域まで届かせた。

 その間の生活は、両親の私室に遺された物で賄った。最初こそ気は引けたが、どの道冒険者になれば持ち出せない。他、父の部屋には私に貸していたもの以上に発展的な魔導書が何冊かあり、私の独学に大いに役立ってくれた。

 

 

 十一歳、旅立ちの日。

 その父の部屋に残った、最後の遺品を手に取る。

 

 気難し屋の父らしくもない、目立つ装飾の為された黒い魔術師帽。

 そして、私の背丈の過半もある、立派な杖。

 

 流石に帽子は埃を纏っていたが、杖は最近に至るまで丹念に手入れされていたようで、新品同然の状態だった。売れば懐事情の苦悩とも縁遠かったはずだが、できる訳がない。旧くから両親を見守り、私よりも長い年月を彼らと過ごしてきたそれは、変な話をすれば兄か姉のようなものだ。

 

 

 どうか今度は、私の歩みを支えてください。

 そう低頭したつもりで、私は杖を握り締め、帽子を戴き、生まれ育った家を後にした。

 

 

 

 

 

 

 あの日。

 

 父と母の亡骸を葬る為に外に出た私を待ち受けたのが、大粒の雨の群れだった。

 

 雫が肩に落ちる毎に、心の型に歪みが出来て、二度と癒えない傷になるのを自覚する。

 水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、軟らかくなった土を徒に、爪が剥がれても、夜が明けるまで掘り返し続けていた。

 

 

 

 そして、現在。

 

 土魔法を身に付けた私には、人一人埋められるだけの穴を、簡単に作る事ができてしまっていた。

 

 そこに男の死身を臥せる。

 本当は燃やしてしまうのが最善だが、生憎の土砂降りだ。ならば有情に食らい散らかされる前に地に還してやるのが、私にできるせめてもの手向け。

 

 しかし、こうも手間を注がず送ったのでは、些か淡白に過ぎる。

 余分な情を起こした私は跪き、手ずからそれを埋め立てる事にした。

 

 指に土が(こびりつ)き曲がらなくなる。

 枝から滴り落ちる雨粒が帽子の鍔を叩いて、煩わしい。

 

 情緒を押し殺しでもしないとやっていられない。ごく機械的に、掌で土を掬い続ける。

 

 

 幾何とも数えない時間が経ち。

 ふと、止まった手の隙間から土が零れてしまう。

 

 足の方から順に沿っていた作業の、その終わり。

 そこに差し掛かった時、また、昔の場面が想起されてしまった。

 

 

 望まぬ死を遂げたはずの父の、しかし見惚れる程に安らかな表情。

 

 それに泥を被せる、胸が罅割れるような、あの瞬間___。

 

 

 

「____ねえ、お父さん。」

 

 

 独り言。

 

 

「お前には無理だなんて、もう言いませんか?」

 

 

 独り言だ。

 

 

「私は、一人でちゃんと、歩けていますか___?」

 

 

 どうせ、独り言。

 返す言葉は無い。

 

 

 

 

 

 

 ただ、雨だけが降り続いていた。




一応、完結となります。
ここまでご清覧頂いた方、本当にありがとうございました。
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