のんびりまったりと遊べて、面白楽しいゲームでした。
本編の雰囲気を出せるよう頑張りました、よければご覧ください。
魔王山での騒動からしばらく経ったある日の秋、今日もゆうは困っている人を助けています。
「はいこれ!頼まれてた素材だよ!」
「ゆうさん、いつもありがとうね」
村の魔物もゆうのおかげで大助かりです。
「えへへ、どういたしまして」
感謝されてゆうも嬉しそうに笑います。
「ゆうサン、そろそろ休憩しませんカ?」
「コンコン!」
「そうだね、少し休もうか!」
一緒にいたサカサとコンコの提案で3人は村の広場で休憩をとることにしました。
(ガラガラガラ…)
「何の音だろう?」
村の入り口からこちらに向かってなにか大きな音が近づいてくるのに気づいたゆう。
やって来たのは大きな馬車。
馬車はゆう達の前に止まると、荷台からフローラが顔を出しました。
「あら、皆さまごきげんよう」
「フローラだ!久しぶり!」
馬車から降り、3人のところへ向かうフローラ。
今日は温かそうなマフラーと外套を着けてました。
「皆さんお久しぶりですわ…ってゆう、貴方何て格好をしていますの!?」
ゆうの姿を見て驚いた表情を浮かべるフローラ、ゆうは自分の格好を見直します。
いつもの服にいつものマント、そして頭にはピカピカに磨かれたお鍋。
「別にいつもと」
「変わりませんネ」
「コン!」
「そのいつもの格好が問題なんです!何故そのように薄着なんですの?」
徐々に冬の訪れを感じるような寒さが身に沁みる毎日。
ゆうの格好はフローラからすれば薄着もいいところ、見ているだけで寒くなってしまいます。
「えっ?わたしは寒くないよ?」
子供は風の子元気の子、ゆうはケロっとした表情で答えます。
「ワタシも特に寒いとは感じませんネ」
「コンコン!(氷月の丘はもっと寒いよ!)」
サカサもコンコも同じような事を言います。
それもそのはず、2人の体はふかふかの体毛で覆われているからです。
「もう…それは貴方達だからでしょうに」
フローラは自分の首に巻いていたマフラーを外すと、ゆうの首に巻いてあげました。
「あったかい!フローラ、ありがとう!」
ゆうはフローラにお礼を言います。
「ところでフローラさん、気になっていたのですがその馬車ハ?」
サカサはフローラが乗っていた馬車を見ます。
「そうでしたわ、実はこれを持ってきましたの」
フローラが手を鳴らすと、お付きの兵士が荷台にかかっていた幌を外します。
「うわぁーーー!」
「これはまた、壮大ですネ」
「コンコーン!」
そこには色とりどりの新鮮な野菜が山積みされていました。
「今年は大豊作で沢山の作物が採れまして、村の皆様にお裾分けに来ましたの」
フローラは野菜の山に注目している3人に説明をします。
「そうなんだ!じゃあ早速、村のみんなを呼んでくるね!」
ゆう達は村のみんなに声をかけ、野菜のお裾分けを始めました。
美味しそうな野菜を受け取って、みんな大喜びです。
-しばらく後-
「ふぅー、みんなお野菜を受け取ったかな」
「いいえ、まだですわね」
ゆうの問いかけにフローラは答えます。
「えっ?まだいたっけ?」
「いますわ、わたくしの目の前に」
フローラは野菜の入った紙袋を3つ持ってくるとゆう達に渡します。
「そっか!ありがとうフローラ!」
「これはこれはありがとうございまス」
「コン!」
「どういたしましてですわ、ところでゆうはどう料理するおつもりで?」
「えっとね、いつもおとうさんが火を吹いて焼いてくれるんだ!」
「焼き野菜も素材の味がしていいでしょうけどここは…」
フローラはしばらく考え、ゆうがかぶっているお鍋を見て何か閃いたようです。
「シチューとかどうかしら?」
「シチュー?」
「ええ、シチューといっても沢山ありますが、わたくしはやはりホワイトシチューが好きですわ、ミルクの甘さとホクホクの野菜達が絶妙で…」
フローラの話を聞き入るゆう、シチューが何かは分かりませんが、とても美味しそうな食べ物には違いないと思うと段々とお腹が空いてきました。
「わたしもシチュー食べてみたいな」
「なら明日また材料を持ってきますわ」
「良いの!?」
「当然ですわ、是非あの味を知って欲しいですから」
フローラは馬車に乗り込むと、お付きの兵士と一緒に村の出口へと向かいました。
「楽しみだなぁ」
ゆうは明日が待ち遠しくてたまりません。
「ゆうサン」
「コンコン!」
サカサとコンコは野菜の入った紙袋をゆうに渡します。
「2人ともどうしたの?」
「いえ、フローラさんのお話を聞いていたらワタクシも食べてみたくなりまして、具沢山の方が良いのではとコンコさんと決めたしタ」
「2人ともありがとう!明日、一緒に作ろうね!」
「任せてくだサイ!」
「コン!」
「でね、明日みんなでほわいとしちゅー?を作るんだ!」
「それは楽しみだなぁ」
山のすみかに戻ったゆうは今日の出来事を王様ドラゴンに話します。
「うん!フローラが持ってきてくれた野菜を切って煮込むんだって!」
「そうかそうか…うん?切って煮込む?つ…つまり包丁や火を使うというのかい?」
「そうだよ?サカサがマダムと相談して、マダムが見てる間ならキッチンを使って良いって!」
「そ…そうか」
大人が見ているなら一安心…とはならない王様ドラゴン。
ゆうが包丁で怪我をしてしまったら、ゆうが火傷をしてしまったら…そう思った瞬間から心配でなりません。
(勇者として成長したとはいえ、ゆうはまだ子供…ああ心配だ)
その夜、王様ドラゴンはそわそわしてしまいあまり眠れませんでした。
-翌日-
「火や刃物を使う前は必ずワタシに言う事、良いかい?」
「はーい!」
「了解デス」
「分かりましたわ」
「コンコーン!」
マダムの号令のもと、4人が元気よく返事をします。
「まずはええと…野菜を洗いましょう」
フローラはお城の料理人からもらったレシピを読み上げます。
近くの泉で野菜を洗い、泥を落としにいきます。
「コーン!」
泉に到着するとボフン‼︎という音とともにコンコはゆうと同じ姿に変化しました。
「わたしがいる!?」
「よく見ると目が違いますわね」
「コン!」
コンコは両手で野菜を掴むと、洗い始めました。
「なるほど、この姿ならコンコさんも手伝えるますネ」
みんなで協力して野菜を綺麗にしたあと、キッチンへと戻る4人。
「さあ次は…いよいよ野菜を切っていきますわ、マダム、よろしくて?」
「こっちは準備出来てるよ、誰が切るんだい?」
「わたしがやる!」
ゆうが元気よく手を上げます。
「ゆう、包丁はとても危ないんだ、必ずこれから言うことを守る事、いいね?」
「分かった、守るよ!」
「よし、まず当然だけど刃は人に向けない、持ったまま歩かない、使い終わったら必ず元のところに戻す、そして最後に…」
「最後に?」
マダムの真剣な表情にゆうに緊張が走ります。
「野菜を抑えるは手を丸める事、こうすれば間違って指を切る危険が減るってもんさ」
「わ…分かった…」
ゆうはまな板の上に人参を1本置くと、そーっと包丁を近づけます。
先ほどまでの和やかな状況が一変、静寂に包まれる室内。
「ゆ…ゆう、猫の手、猫の手ですわ!」
フローラはゆうに気をつけるように言います。
(ハラハラしますネ…ん?)
同じく緊張しているサカサは何か気づいたようです。
(ああ…ゆうが包丁を…大丈夫だろうか…)
遠くの窓から王様ドラゴンがビクビクしながらこちらを覗き込んでいたのです。
王様ドラゴンはゆうの事がよほど心配なのか、身を乗り出しています。
しかし、みんなはゆうに注目しているので王様ドラゴンには気づいてません。
(王様…隠れきれてませン)
1人気づいているサカサは何も言わない事にしました。
「ふぅー…終わったよ!」
ゆうは無事に野菜を切り終えたようです。
全員から安堵の表情が出ます。
王様ドラゴンも隠れてない事に気付いたのか、静かに窓から離れていきます。
「最大の壁は乗り越えましたわ!あとはレシピ通りにお鍋に材料を入れて…」
切った野菜を鍋に入れ、少し炒めた後、小麦粉、ミルク、調味料を加えて弱火でコトコト煮込む事数十分。
「出来ましたわ!」
「うわぁー‼︎」
お鍋のふたを開けると美味しそうな香りが部屋に広がります。
「美味しそうですネェ」
「コンコン!」
サカサもコンコもゆうと同じように目を輝かせます。
「ほら、お皿に盛ってあげるからテーブルで待ってなさい」
マダムがシチューをお皿に盛ってくれました。
「ただいまー!クンクン…なんかいいの香りがする」
ちょうどその頃、ヤマネコが帰ってきました。
「ヤマネコちゃん!今ね、みんなでシチューを作ったんだ!ヤマネコちゃんも一緒に食べよ!」
「えっ?い…良いのか?」
「勿論だよ!ねっみんな!」
「ええ、大勢で食事をした方が楽しいですもの」
「そうですね、是非ご一緒ニ」
「コンコーン!」
「あ…ありがとうな…」
ヤマネコも照れながら感謝の言葉を述べます。
「いいお友達を持ったねぇ…ほら、まずは手を洗ってくるんだよ」
「はーい」
全員が揃ったテーブル、ゆうは手を合わせて元気よく大きな声で言いました。
「いただきまーす!」
「おとうさん、ただいま!」
「ゆう?どうしたんだい、そんな走ってきて」
まだ日も暮れ始めたばかりの夕方、ゆうが鍋を抱えながら山のすみかへと帰ってきました。
ゆうは小さなお鍋を王様ドラゴンの前に出します。
「これは?」
ゆうが鍋の蓋を開けると、中にはほかほかのシチューが入ってました。
「えっとね、みんなでシチューを作ってね!おとうさんに食べてほしくて!フローラ達がね、片付けはやっておくからおとうさんに食べてもらってって!」
肩で息をしながら王様ドラゴンに説明をするゆう。
「ゆう…」
王様ドラゴンはゆうとみんなへの感謝への気持ちでいっぱいになりました。
「はい!おとうさんどーぞ!」
ゆうがスプーンでシチューを掬って王様ドラゴンに差し出します。
王様ドラゴンは大きな口を開けて、シチューを食べます。
「おいしいよ、ゆう」
「エヘヘー」
ゆうはとても嬉しそうに笑います。
「そうだ、おとうさん、ゆうがシチューを作ってるときのお話を聞きたいな」
「いいよ!でもシチューが冷めちゃうからお話は食べ終わってからね!」
「おお、そうだったな、ではお話は食後の楽しみにとっておこう」
王様ドラゴンは一口一口を味わいながらシチューを食べます。
食べ終わった後、ゆうは王様ドラゴンに今日の出来事をいっぱいお話しました。
-おしまい-