ドッペル名:dishonal 祈りの壁 説明 『聖人』ドッペルの名を持つ少女が一人いた。 しかし『神の力』の加護を受けた人間は、ある日突然「壁」と呼ばれる場所に迷い込み、そこで見たものが、自身と同じ存在である「人間」だという事に気がつくのだ。(中略) あるとき少女は決意した。この「壁」から脱出する方法を見つけ出す事を......。
【本編完結】幼女戦記 比翼幸福勲章 - 第01話 "who could reach out of host a bad?" - ンはその少女と出会った - ンと出会った
-interlude1-5
1925年3月18日
午前10時30分
帝都中央駅構内
鉄道憲兵隊隊員のクレア・リーヴェルトはその日たまたま休日だった。だから普段はしないような場所で買い物をしたりしようと考え、駅前にある百貨店を訪れたのだが――
「......あら?」
百貨店の4階にあるジュエリーショップには見慣れない2人の子供が立っていた。クレアはその子供に見覚えがあった。
(あれってたしか......)そう、クレアにとって今日初めて出会うはずの子供たちなのだが、その内の片方、長い黒髪をポニーテールにした少年はどこかで見たことがある気がした。もう一方、金髪の少年はそんな少年の隣で緊張したような顔をしている。二人は兄妹なのかとも思ったが、髪の色は確かに似ているものの顔立ちはまったく違う。だがクレアはその少年たちの顔を見てすぐに気がついた。
「――もしかしてトールズ士官学院新入生ですか!?」
すると少年たちはびくっと体を震わせてこちらに顔を向けた。やはりそうかと思い、クレアはそのまま彼らに近づき声をかけた。「すみません、驚かせてしまってごめんなさいね!
実は先ほど、貴方たちに似た風貌をした人たちを見かけて声をかけようとしたんですが......」「――っ!」少年はさらに身体をビクつかせ、一歩後ずさった。隣に立つ少年が何か言ってあげようとしているように見えたが、それを気にかける余裕はなかった。なぜならこの時、クレアはほとんど無意識的に自分の胸元に手を伸ばしていたからだ。それはクレア自身にも理解できないことだった。ただこの手が何かを掴もうとしている。そう思ったのだ。しかしいくらまさぐってもそこにあるべきものが触れることはなく、ただ虚空を掴むだけだった。まるでそこにあるものを自分が探し求めているかのように......。
(え......?)困惑するクレアをよそに、少年はまた一歩後退した。(私、今何をしていたんでしょう......?)その時クレアは思った。目の前の少年たちに会ってから自分はずっと『探して』いるのだと。一体なにを?何を探しているのかすらもわからないままなのに。でも探すのはやめられない。やめるわけにはいかない......だから探さなければならないんだ......!
真伝・深花の御紋 - 2話 ノルドへ(前編) - ンはその日突然訪れたその報を喜んだり悲しんだり怒ったり哀しみにくれたりとしたりと大忙しな心持ちになったものだった。 ――あの娘が......いなくなったそうだ。 それは一月ほど前の晩のことだった。 娘はいつものように夜遅くまで遊んでいて、いつもならとっくに眠っているはずの時間になっても帰ってこなかったという。初めはみんなで心配していたのだが娘を信じて待つことに決め、結局誰一人として帰ってくることはなかったらしい。 娘が帰らないまま二ヶ月が過ぎようとしていたある日のこと、ふと家の前に白い羽毛のようなものが落ちてきたかと思うと、娘の部屋に飾ってあった髪飾りの鈴の音だけを残し、娘の部屋は誰の手つけられることなくそのままの状態を保っていたのだそうだ。それからというもの娘の両親は毎日どこかに出かけてしまい、家の中には明かりも灯されない寂しい空間が広がるばかりだった。 そうこうしている内に一ヶ月。娘の部屋の扉の前に一枚の紙きれが置かれていることに気付いた父親はその手紙を拾い上げると、そこにはこんなことが書かれていた。 『しばらく家を空けますが、決して死んだわけではありませんよ。少し長く旅に出ようと思います
親愛なる母上』「旅......」少女の頭にある言葉が浮かんだ。
ある町の宿屋の一室で、青年は一枚の羊皮紙に書かれた文字を読んでいた。部屋の片隅では猫のように丸まって寝ている猫が一匹。その黒猫は腹の上に小さな箱のような物を載せていた。 青年は今届いたばかりの手紙を読み終えたところだった。「またかよ」読み終わった羊皮紙を丸めてくずかごの中に放り込みながらうんざりとした声で呟くと「最近多いよな、こういうこと」と言って椅子の背もたれに体重を預けた。
ドッペル - 第4話 - ンは目を丸くした。目の前に突然現れた人型のそれは確かに自分の言った通りの人物だったからだ。