目指せ813個のスキルすべて活躍! 安心院さんのスキルを使う少女のヒーローアカデミア 作:U.N.とーすた
やあやあやあ、始めましてボクの名前は品口ハコ。個性は10の-13乗を表す『模糊』。
自分にまつわるすべてを0.0000000000001にするという超ハズレ個性さ。
出会って5秒でバトルって漫画だと威力が10分の1になる代わりに隙も10分の1になるなんてのがステキ設定があったけど、『模糊』の個性にはそんな便利な物はなく、それどころか個性の発現とともに身長体重がみるみる縮み始め死を覚悟するはめになったぜ。
ホントなら発現とともに死んでいたボクだけど運良くその場にいた何者かが、ボクにもう一つ個性を与えてくれたおかげでなんとか一命を取り留めることができた。
与えられた個性はとあるキャラクターの力を扱えるという個性。
自分にまつわるすべてを0.0000000000001にするという縛りでも十分無双できるキャラクターがいるのだからジャンプのインフレってやべぇよな。
平等なだけの人外。 ジャンプのバトル漫画も真っ青のインフレクイーン。めだかボックスより安心院さんこと安心院なじみである。
つまりボクは7932兆1354億4152万3222個の異常性と、4925兆9165億2611万0643個の過負荷、合わせて1京2858兆0519億6763万3865個のスキルを持っている安心院なじみのスキルのすべて......ではなくソレのおよそ10の-13乗のたった813個ぽっちのスキルが使えるんだぜ。
分母はより大きく分子はより小さい訳だから実際には1模糊にも満たない数しか扱えないんだけど。
ちなみにこうして痛々しくも読者の皆々様に向けて話しかけているのもたった813個のうちの一つ
――地の文に干渉するスキル
によるものだぜ。
◇
――問12. 3 以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる自然数の組 (x, y, z) は存在しないことを証明しろ
(これがかの有名などんどん高圧的になる問題文…)
学年ごとに〇〇しましょう、〇〇しなさい。と変わっていくあれに感銘を受けてるハコはさておき、この問題はぱっと見三平方の定理を理解できていれば解けそうな風変わりなだけの問題だがその実、提言から証明成功までに300年以上かかった数学界屈指の難問。フェルマーの最終定理である。
(なるほど、もし『答えを出す』なんて個性に頼りきっている奴がいたらここで落とすのか、なんせ完全証明には論文で100頁以上必要。どうしたって時間内には書ききれないし、そもそも枠は他の答えと同じくらいしか取ってない。かといえ空欄が正解ということも無いだろう)
ただ解けるだけでも、わからないことが分かるだけでもダメ。……ならば雑学の「私はこの定理について真に驚くべき証明を発見したが、ここに記すには余白が狭すぎる」が正解かな?
こういうのはあまり趣味ではないのだけれど答えが気になる。
――答を知るスキル
正解。こんな小ネタを答えにするとはさすが雄英、詰め込み勉強しかできないやつはいらないってか。
今日まできっちり勉強したボクにはその他の有象無象な問題は大した障害にならず試験時間を20分以上残し、手持ち無沙汰だぜ。
怪しくない程度に周りを見ると、ウンウンと頭を悩ませている人が多数を占めているが、 完全記憶の個性や答えを出す個性持ちだろう数人がボクと同じようにすでに終わったのか退屈そうにしている。
他校の学科試験では個性の使用は原則禁止だが雄英高校の試験では個性の使用は可である。今までの枷が外れた彼らにとってはあの捻った問題以外はなんの障害にもならないだろう。
元より一定点数以上取れればほぼ合格のこの試験では何度も見直す必要もなく暇で暇で仕方がなかったので解答用紙を裏に向け、
ーー相手の視界を盗み見るスキル
他の生徒の視界を見て時間を潰す。
『欲視力』は相手の視界を得るという性質上、相手がどう世の中を見ているかがダイレクトに伝わる。ひとりひとりの見え方の違いを楽しんでいると受験者たちの中にひと際面白い視界をしていた子がいた。
◇
「ボクは品口ハコ。その少し変わった形の靴素敵ね!」
「ありがとう自慢のドッ可愛いベイビーなの!私は発目明よろしく」
「試験中に書いてたのはコレの改良版?」
「そうなの!今のベイビーはバネの力で速く走れるんだけど次はジェット式にしようと……そういえばどうしてそれを?」
試験終了後、下駄箱のところでボクは変わった視界をしていた子、ピンク色でドレッドヘアのような髪が特徴的な発目明に声をかけてみた。
「ボクの個性の中の一つに相手の視界を盗み見ることができるものがあるの。それより、ジェットよりプロペラの方が良くないかな?速く走るだけじゃなくて逆転させたら壁とか走れるようになりそうだけど」
おお!と目を輝かせた彼女はその場でカバンからスケッチブックを取り出し、設計図を書き始めた。
彼女の視界から見るスケッチブックには設計図しか写っていない。
『欲視力』で覗いていると、はじめは朧げだった設計図は次第にはっきりとした形を浮かび上がらせていく。ある程度形になったところで抵抗器がコンデンサがモータが銅線がヒートシンクがマイコンがその他多種多様なパーツが設計図に現れ、最適な位置を探るように着いては離れを繰り返す。
その様子は万華鏡のように美しく、同じ形をとらない。
しばらくし舞い踊っていたパーツたちが落ち着いて来ると次はベイビーが動き始める。
少し動いては破綻し、修正。少し動いては破綻し、修正。机上の空論に配置されたパーツたちが段々と現実を知っていく。
最初は一秒待たず修正されていたベイビーは段々と修正までのサイクルが長くなり最後には破綻することなくスケッチブックの上を動きまわる。
「――――――できた!! あとは家に帰ってコレを作るだ…け……」
パチパチと拍手をするハコにとびっきりの笑顔を見せていた発目だが随分前に暗くなった外に目を向けてやらかしたと理解し固まる。
「……えっと、終電なくなっちゃったね?」
◇
「えーーハコちゃんは813個も個性もってるの!?」
「と言っても一つ一つは発目ちゃんのべイビーより応用が効かないけどねー
発目ちゃんの改良版シューズと同じことするのにスキルを3つ、4つ必要だぜ」
明日というか今日は雄英高校の実技試験。これ以上夜ふかしするわけには行かないからとボクが送っていくのを拒否った発目ちゃんとボクは前もって取っていたホテルで休むことにした。
ホテルまでは繁華街を超えて少し距離がある。
性格はともかくグラマラスなプロポーション少女と病的なまでに細く、スレンダー超えて虚弱体型な少女の二人。夜の街で何も起きないはずもなく……
チンピラや不良に続々と絡まれていた。
「――ねぇねぇ、おねーさんたち俺らと遊ばない?」
「――ちょっとでいいからさ」
ーー催眠のスキル
「「Zzz……」」
「うわぁ…」
若干いやかなり引いている発目ちゃんは今後で見たことがないほどレアだった。
総登場スキル数4/813
最近ユーチューブとか見てるとめだかボックスの人気がぶり返してるのを感じます。
完全院さんのバトルシーンアニメでみたいなぁ