目指せ813個のスキルすべて活躍! 安心院さんのスキルを使う少女のヒーローアカデミア 作:U.N.とーすた
次の日、案内されたアリーナで実技試験の概要を聞いた後決められた試験会場に移動する。
バスを降りグループAの試験会場に着いたボクは会場内につながる固く閉ざされ扉の隅の方に陣取り、先ほど受けた説明を思い出す。
◇
「受験生のリスナー。今日は俺のライブにようこそ!」
「……………………」
「こいつはしびぃー。なら、受験生のリスナーにさくっと実技試験についてプレゼンするぜ。アーユレディー!」
「……………………」
ほとんどの受験生にとって人生初の大勝負であろう入試会場にその緊張を解くようなあざ笑うようなこの場に似つかわしくない冗談げなどこかで聞いたことのある声が響く。
近くにいたモジャ頭の男の子から盗み聞くところこの聞き覚えのある声の主はプレゼントマイクといい、『ヴォイス』という音を操る個性のプロヒーローらしい。 音を操るのなら某少女趣味の殺人鬼の妙技や某最強の特技、声真似を使えたりするんだろうか?
「各自、プレゼン後は渡されている受験票に書かれている実技試験の会場に向かってくれよな。OK?」
「――会場には仮想ヴィランを配置してある。それぞれ1ポイントから3ポイントまでのヴィランで、倒すごとに得点が入る仕組みだ」
簡単にいえば、この試験は仮想ヴィランを倒して回ればいいのか。
気をつけないといけないのは後は他人への攻撃が減点になること。それと相手がロボットであることか……生物であるなら見たら死ぬスキルで一掃しようかと思ってたけど、他の人を巻き込まないわけないし2つの意味でやめたほうが良さそうだな。
◇
「――はい、スタート」
重厚感のある音を立てながら内開きの扉が開いていくそれと同時にボソッと開始の合図が聞こえた。
足にいつも以上の力をかけ駆け出す。最初の1、2歩目まではいつもより走りにくいがさすが天才発明家発目ちゃんの靴。それ以降はバネの力を利用しいつもより走りやすくそれでいて速く走れる。
高速移動を可能とするスキル持たないボクと10分しか時間のない今回のテストは相性が最悪と言っていいだろうし嫌な予感的中。朝貸してもらって良かったぜ。
対価としてお願いもされたが0ポイントヴィランを利用すればなんとかなりそうだ。
――遥か上空から剣を降らすスキル
中ほどまで駆け抜けたところで1Pヴィランがこちらを認識し向かってくる。
殴りかかるも先読みし、放ったスキルにより空から降ってきた日本刀が深々と刺さり沈黙する。
「直線的な動きで読みやすくて助かるぜ。まずは1ポイント」
2ポイントと1ポイントの3機による混成団が先と違い『刀下錐体』を警戒するように不規則に動き回りながらコチラに向かってくる。
降ってきた剣をヴィランから抜き、返し刀で一人突出してきた1pヴィランに斬りかかる。
「学習機能持ちか……チッ」
『模糊』の個性により同年代より輪をかけて非力なハコの剣はヴィランの装甲に弾かれる。
「ただ筋力を増やしただけだと剣が耐えられないだろうな、――刀が戦い方を教えてくれるスキル
そもそもスキルの副産物の急造品。本物より脆く、素人が扱ったことで刃こぼれした刀を見てボソリと呟く。
するとピクリと動いた刀から流れ込んでくるイメージに従い後詰めに来た2機を切る。先ほどより力を込めていなかったがイメージ通り今度はしっかりと切り伏せられた。
引き返してきたさっき切れなかった1pもドラえもんの名刀電光丸と化した刀で討ち取る。
受験生が増えてきたら別の場所に移動するを繰り返しつつポイントを稼いでいく。
その移動中。狭い路地に入ったところで前後からきたヴィランに挟まれた。
「おっと、挟撃か」
刀の指示に従い先に前方の2pヴィランを刺す。
動きを止めたヴィランを踏み台にし後ろに向けて跳躍。体勢を整え
――――「爆!殺!」
「おいおい、ほか受験者の妨害は禁止だぜ?」
「あん?オレはただ二対一になってるマヌケなオマエを助けてやっただけだろ?」
犯人の爆破音に引き寄せられたのか次々と現れるヴィランを横目に切る前にスクラップになったヴィランの上から犯人に声をかける。
「確かに。ボクは品口ハコ。君は?」
「……爆豪勝己」
戦闘の最中なのにちゃんと返事してくれるなんてコイツきっと見た目に似合わずとんだマジメちゃんだぜ。
ボクが1機処理する間に右手と左手で1機ずつ更に吹き飛ばした残骸で更に1機と八面六臂の活躍をする爆豪くん。
「あ、アブナーイ(棒)」
少し離れたところからボクらに照準を合わせる3pヴィランを見つけそれに向けて刀を投げる。爆豪くんもそれに気づいてヴィランの残骸を撃ち出して対処しようとしてたけどボクの刀のほうが早い。
投げられた刀は3pヴィランに当たるも非力なボクの力では薄くしか斬れず、かすり傷を与えるのが精々。
しかしかすり傷でも切り傷は切り傷。
――斬ったら爆発するスキル
見事に爆発し3pゲット。さっき横取りされたのが2pだったからこれで意趣返し完了だぜ。
「爆破は別に爆豪くんだけのものじゃないんだぜ」
「てっめぇ……」
「――残り三分。ここからは0ポイントヴィランを追加する」
アナウンスとともに遠くから建物を破壊する音が聞こえてくる。
「0ポイントヴィランはアッチか……爆豪くん一緒に来るかい?」
「あ?行かねぇよ。ポイントにならねぇのに行く理由ねぇだろ」
さっきぶん投げた刀を拾い、0ポイントヴィランを避ける受験生の流れを器用に逆らいながら発目ちゃんから靴を借りるときの約束を果たすためハコは大型ヴィランにむかう。
(私のドッ可愛いベイビーちゃんで受験生だけじゃなくて先生達の度肝を抜いちゃってください。なんて言われたんだしド派手にやるぜ)
避けるではなく逃げるに変わってきた受験生たちの間をすり抜けていると前方に大きなロボットが見えてきた。
威嚇するように周りの建物を破壊しながら進むソレは向かってくるハコを見つけるとアームをこちらに叩きつけてくる。
アスファルトがひしゃげる音を背に緩慢な動作で叩きつけてきたアームをくぐり抜けるように躱すとアームに手を掛け靴のバネの力を使ってアームに飛び乗る。
動くのも相まって非常に足場が悪いが靴に付いているバランサーのおかげで問題なく走れそうだ。
残り時間一分を告げる放送を聞きながら0ポイントヴィランに向けてアームの上を走る。妨害もなく足場の悪さも靴のおかげで問題なし。
自分に倍のダメージを受ける代わりに三倍のダメージを与えるスキル
スキルの重ねがけはできないため『武指導』の効果は失われるが0ポイントヴィランを斬るイメージはすでに見えている。
「――ハァッ!」
ヴィランの肩あたりから胴部に向けて跳躍し、刀を振る。
ヴィランはその超火力に耐えれるはずもなくバターのように切れていく。
しかし、ここまでの酷使とスキルのデメリットにより途中で刀がバキンと音をたてて折れた。
(やばい、このままでは受け身もロクに取れないまま地面に叩きつけられる)
今までの超火力が仇となりハコは反作用の力で跳ね飛ばされる。
『壊死三倍化』を使っている今もし地面に叩きつけられたりしたら確実に死ねるだろう。スキルの効果時間的に不死系スキルに上書きすることもできない。
――死、
体に強い衝撃が伝わる。
しかし、体が砕けることはなく。何かガッシリとしたものに包まれているようだった。
ハコが恐る恐る目を開けると道着のような服を着た太い尻尾が目立つ青年に抱きかかえられていた。
「……良かった生きてる」
「助かったぜ……ボクは品口ハコ。ありがとうね命の恩人さん」
「俺は尾白猿夫。助けられて良かったよ。……女の子ってこんなに軽いんだ」
「数十キロのモノを持って軽いなんて……ああ個性のせいか」
アリが高いところから落ちても無傷なように命の危機においてソレが最適だと本能がたどり着いたであろう、個性『模糊』の唯一まともな使い道の体重を10兆分の1にするを解除する。
「ぐぁ……うん、やっぱり軽いな」
一瞬呻いたもののしっかりと支えてくれている。それどころか世辞まで言えるのだから出来た漢だぜ。
「はい、しゅーりょう。お疲れさま。今倒してもポイントにならないぞ」
終了を告げるアナウンスが聞こえてきた。
「大切な試験時間奪っちゃったな」
「いや、いいんだ。地味な『尻尾』の個性でヒーロー科に入ろうなんて諦めれなかったけどやっぱり烏滸がましい事だったんだよ」
「そんなことないよ、そうだ!一つ予言してあげよう。予言のスキル
「……そっか、ありがとう……気休めでも嬉しいよ」
「ボクの予言は当たるぜ」
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デクくんが安心院さんの対になっているならハコちゃんの対虚弱体質+強固性と鍛えられた体+地味個性で尾白くんかな?
...個人的性癖で尾白くんにはバームクーヘンエンドがすごい似合いだと思う。