目指せ813個のスキルすべて活躍! 安心院さんのスキルを使う少女のヒーローアカデミア   作:U.N.とーすた

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第8話

 「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト 、それともう1人の3人体制で見る事になった」

 

 今日は特別時間割で一日ヒーロー基礎学の日。その場で言うかプリントを貼るだけの相澤せんせプレゼンツ爆速HRでは珍しく口頭による追加の指示があった。

 

「相澤先生! 何をするんですか?」

「地震雷火事台風、なんでもござれのレスキュー訓練だ」

 

 ほう、災いを司るスキルを持つボクに災害訓練ね...別に災害が起きなくてもいいのだろう?

 

「レスキュー……今回も大変そうだな」

「水難なら私の独壇場、ケロケロ」

 

 カエルの蛙吹ちゃんをはじめに戦闘訓練を得意としない面々が盛り上がる。

 

「コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を制限するコスチュームもあるだろうからな。訓練は少し離れた場所にあるからバスに乗って行く。以上、準備開始」

 

 

 コスチュームに着替えバスに乗り込む。目的地まではしばらくかかるようで着くまでの間車内でみんなと仲良くおしゃべりに興じる。

 

「派手で強えっつったらやっぱ轟と爆豪だな」

「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそう」

「んだと!コラ」

 

 ムードメイカーの上鳴くんと峰田くんにからかわれる爆豪くん。流せないあたりホント根は真面目っ子だな彼。

 

「個性と言ったら気になるのはやっば品口だよなぁ。個性把握テストのときマジビビったわ」

「まともな記録は持久走くらいだもんね!」

「はっ!入試のときもそうだけど地味なんだよテメェ」

「確かに雷を操ったり、猛毒を出したり、爆発を操ったりできるだけだから地味だよなぁ」

「「「あ゛喧嘩売ってんのか?」」」

 

「おいお前らもう着くぞ」

 

 相澤せんせに言われ外を見るとそこには大きなドーム状の建物が建っていた。

 

 ◇

 

「水難事故、土砂災害、火災、etc……。あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も……、ウソの災害や事故ルーム!略してU•S•J」

 

 ドーム状の建物、U•S•Jで出迎えてくれたのはスペースヒーローこと13号。宇宙服のコスチュームとボイスチェンジャーが目立つ先生で災害レスキューを得意としているそう(緑谷くん調べ)

 

「おい、13号オールマイトはどうした?」

「制限ギリギリまで人助けに回っていたそうで今学校の休憩室で休んでます」

「一切成長が見られない、不合理の極みだな。……仕方ない、始めるか」

 

『不老所得』のデメリットというか個性の弱体化が止まったデメリットというかあの日以降オールマイトはより一層人助けに尽力しているらしくたまにこうして力尽きる日があるらしい。

 

「えー、訓練を始める前に、お小言を一つ二つ…三つ……四つ……」

 

ちなみに13号せんせは女性らしい。僕っ子女子なんてボクとキャラが被ってるって?馬鹿言うんじゃねぇぜ。僕っ子とボクっ子は(わたし)(わたくし)くらい別もんだぜ。

 

「僕の個性は皆さんの知っての通り『ブラックホール』なんでも吸い込みチリにしてしまう個性です。僕はこの力を使って災害から人を救い上げていますが、この個性は簡単に人を殺せる力でもあるの

 です。皆さんの中にもそういう個性の方がいるでしょう」

 

爆豪くんや轟くんを筆頭に何人かの表情が引き締まる。

 

「超人社会は個性の使用を資格制にし、厳しく規制する事で一見成り立っているように見えます。しかし、一歩間違えば簡単に人を殺せる行きすぎた個性を個々が持っている事を忘れないでください。そしてそれらはそれは戦闘系個性に限った話ではありません」

 

 八百万ちゃんがいい例だろう。武器に限らずもし彼女がお金を生成したら...

 昔の人は言いました、悪貨良貨を駆逐する。日本の経済はそのうち崩壊するだろう。

 

「相澤先生の体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイト先生の対人戦闘訓練でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。

 この授業では心機一転、君たちの力は人を傷つける為にあるのでは無い。助ける為にあるのだと思って下さい以上ご清聴ありがとうございました。

 

それではまず――」

 

 一同の真剣な様子にうなずき施設へ案内しようとする13号先生が止まり、その視線の先に目をやると中央部の噴水前に黒いモヤができている。

 

「一塊になって動くな!」

 

 ゾロゾロと出てくる何者からが想定外らしくアレが何か考えてしまっている13号先生に代わり経験豊富な相澤せんせが指示を出す。

 

「13号生徒を守れ!」

「は、はい!」

「どこだよ、オールマイト…せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ…子どもを殺せば来るのかな?」

 

 ヤンキーや中二患者が好みそうな悪趣味な恰好をした一団の中でも特に趣味の悪い手の形をしたオブジェをいくつもつけた男が嗜虐的な笑みを浮かべながら言う。

 

「ヴィランがヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」

「何にせよセンサーが反応してねぇ。なら向こうにそういう事が出来る個性がいるって事か。バカだがアホじゃねぇ」

 

 悪意に晒され、足が竦む。が一年A組のヤンキー担当の二人が果敢に言い返してくれたことで少しリラックスできた。

 

「13号避難開始!学校に連絡試せ!センサー対策も頭にあるヴィランだ。電波系の個性が妨害している可能性もある。上鳴、品口、八百万お前らも個性で連絡試せ」

 

 さすがは対ヴィランのプロヒーロー。相澤せんせが的確な指示を出しつつ戦闘に備えている。

 

 上鳴くんがコスチュームに備え付けられている通信機で八百万ちゃんが『剣康診断』で使い勝手の良くなった個性でポケベルから衛星電話、ラジオ無線機などの通信機を作り出し試す。

 ボクにも声をかけたのはスキルでなんとかしろってことなんだろうけど人と話すスキルなんて持ってねぇ。

 バサ姉風に言うならなんでもはできねぇぜできることだけってな。

 

「先生は1人で戦うんですか!?あの数じゃいくら個性を消すと言っても!イレイザーヘッドの戦闘スタイルは個性を消してからの捕縛だ、正面戦闘は……」

「一芸だけじゃヒーローは務まらん。いいから逃げろ」

 

 緑谷くんの心配を相澤せんせはぶった斬り一人で突貫する。

 

上鳴くん、八百万ちゃんは通信を相澤せんせは陽動、殲滅をやっている。だからボクもできることをやろうか。

 

 ――先攻のスキル『先出しじゃんけん』(サービスエース)

 ――粘性の糸を出すスキル『粘膜粘糸』(スティッキーライン)

 

「逃しませんもガッ」

 

 先手必勝。先ほど噴水のところで黒いモヤを出していたヤツがそのワープ能力を使ってボクらの退路を絶ちに来たのを糸で捕縛する。

 ……てっきりワープホールを作り出す個性かと思っていたのだがワープホールになる個性とは。おかげでボクの『粘膜粘糸』はワープホールの中に吸い込まれてしまったぜ。

 

「はじめまして。我々はヴィラン連合」

「もガッ…」

「ちっ、僭越ながらこの度ヒーローの巣窟である雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして」

 

 先ほどの情けない声を真似するとすごい形相でコチラをひと睨みして舌打ちをした後にそうのたまった。

 

「本来ならばここに件のオールマイトがいらっしゃるはずなのですが、何か変更があったのでしょうか?

 ……それとは関係なく私の役目はこれ」

「――その前に俺たちにやられる事は考えなかったか!」

 

 切島くんと爆豪くんが前に飛び出し、ヴィランを肉迫するもワープホールに変え躱される。

 

「ダメだ!どきなさい2人とも!」

「回収!」

 

『粘膜粘糸』を使い二人を引き寄せ、ワープヴィランの反撃と13号の『ブラックホール』範囲外に引き戻す。

 

「危ない危ない。そう、生徒と言えど優秀な金の卵。だから散らして、嬲り殺す」

 

 13号が『ブラックホール』で黒いモヤを必死に吸い込むも一向に消えることはなく、ついにボクらは包み込まれてしまった。

 

 ◇

 

「黒霧、イレイザーヘッドの強さが想像以上だ。一人こっちに寄越せ」

「……了解。ちょうどいい女がいる」

 

 ◇

 

 黒いモヤが晴れたときボクがいたのは先ほどまでいたエントランスではなく噴水の近く。一対多数のプロフェッショナルのイレイザーヘッドと有象無象のヴィランたちの戦場のど真ん中だった。




27+2/813

ヤッターマンの導入ってすごい完成されてるよね。
ドロンボーが謎い商売をする→ヤッターマンらが気づく→商売のネタが割れ、逃げる(オチ1)→追いかける→目的が明かされる→爆破☆(オチ2)

分かりやすく今回の目的と敵組織、目指す先を飽きなくコミカルに書けるの天才的すぎる。
クトゥルフでもシノビガミでも短編ものの小説書くときもつい使いまくっちゃう
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