「そういえば他のアイドルたちはどうしているんだ?」
社長が出ていってしばらく経った。
先ほど世界一やる気のないプロデューサーになった銀時だが、社長の言葉もあってか他のアイドルたちのことが気になったようだ。
そこで近くにいた春香にそのことを聞く。
「千早ちゃんたちですか? 今は2人のプロデューサーたちと一緒にいると思いますよ。もう少ししたら帰ってくると思うんですが……」
千早という人物はわからないが、文脈から察するにアイドルの1人だろうと銀時は結論付けた。
春香曰くもうすく帰ってくるとのことだそうで、普通なら不安や心配とともに楽しみであろう。
だがそこはさすが銀時、ソファーに一人寝転がっているだけだ。
さらに言うと呑気に鼻をほじっているのだからある意味大物である。
「なるほどな……じゃあ帰ってくるまでの間俺はシエスタしとくわァ」
「いやさっきまで寝てたと思うんですけど……」
春香から他のアイドルの予定を聞いてまだ余裕があるため、寝ると言い出す銀時。
春香はその言動にさっきまで寝ていたのにまだ寝るのかと少々呆れる。
『ただいまー』
とそんな折複数の声が事務所の扉の方から聞こえた。
女の声が大多数で男の声は1人であろうか。
結構な人数の声が聞こえている。
「お帰りなさい!」
春香も声で帰ってきたのがわかり元気よく返事をした。
次第に声の主たちは部屋の中心に入ってくる。
「よぉ~、お帰り~」
『いや誰ですか!?』
銀時も春香と同じようにアイドルたちに挨拶をするがアイドルたちに突っ込まれた。
そりゃそうである。
「目を覚ましたのですね」
突っ込まなかったアイドルの1人、青味のかかった長い黒髪と華奢な体が特徴的な少女は銀時が起きたことにほっとしてるような口調で話だした。
他のアイドルたちの一部も同じように安心しているようである。
逆に銀時のことを知らないアイドルも複数いるようでその子たちは、興味を持っていたり怪訝に思っていたり、さらには銀時を睨みつけてる人物までいる。
アイドルたちの後ろにいる眼鏡をかけた青年は銀時のことを知っているようだがアイドルたちの様子に苦笑いしていた。
「あ~先に言っておくが怪しいものじゃないぞ? ちょっとそこである理由で倒れてて拾われて目を覚ましたらなぜかプロデューサーになってただけだ」
『いやそれ十分怪しいと思いますけど……』
これまた突っ込まれているが銀時は気にしていない。
「そういえばプロデューサーや真とかは知ってるみたいだけどなんでなの?」
前髪がアップではっきり出たおでこが特徴的な少女が眼鏡をかけた青年の方を向いて疑問をぶつけた。
真という人物はわからないが彼女が向いてる方向から察するにプロデューサーというのはどうやら先ほどの青年のようである。
「ああ、それならさっきこの方を運んできたのは俺と真だからね。だからそのとき居た春香や千早は知ってるってわけさ。と言ってもそのときは寝ていたしプロデューサーになったっていうのは初耳だったけどな」
プロデューサーと思われる人物は銀時との出合いのあらましを話した。
銀時は気を失っている時のことはよく知らなかったが、春香や小鳥からある程度の事情は聞いている。
それを聞いて「こいつが運んでくれたのか」と改めて納得した。
「ああ、お前が運んでくれたのか。ありがとよ」
「いえ、いいんですよ。困ったときはお互い様です」
銀時はふざけることなく素直にお礼を言う。
プロデューサーもお礼に謙遜していた。
これだけでプロデューサーの人柄がわかりそうである。
「社交辞令もいいけど、早く名前を教えて欲しいな」
「亜美たち名前すらわからないからコミュニケーションしにくいよぉ」
銀時とプロデューサーが会話しているとある声が会話の間に入ってくる。
銀時はその方向を見ると2人の双子の少女が頬を膨らませているのが見えた。
2人だけで話しているのがつまらなかったのだろう。
「ああ、すまんすまん。じゃあここらでお互い自己紹介といこうか」
「ハイハーイ! まずはミキが紹介するの」
すると金髪にアホ毛が一本生やした少女が我先にと主張してきた。
プロデューサーは彼女に「じゃあ美希から順番によろしくな」と後を任せる。
美希と呼ばれた少女は大きくうなづき、他のアイドルたちも各々で返事をする。
「私の名前は
美希は銀時の方に向き合って元気よく自己紹介をした。
銀時はよろしくなと言い終わると2人の声が横から届く。
「次は真美たちがするよ。私は
「そして私が
美希に続いて紹介したのはこれまた無邪気そうな笑顔を貼り付けた双子の少女たちだった。
2人はそっくりで自己紹介した今でもわからなくなりそうなくらいである。
いや実際に入れ替わっていてもわからないだろう。
「ああ、よろし……っておい。誰が兄さんだ。俺はお前らみたいな
「別にいいじゃん。プロデューサーは『お兄ちゃん』だからあなたは『兄さん』。プロデューサーより年上っぽいし」
「そうだよ、そうだよ。あっ、呼び方は『おじちゃん』でもいいよ」
「……『兄さん』でお願いします」
銀時は双海の2人から兄さんと呼ばれむず痒く感じる。
そのためその呼び方に嫌そうに答えた。
だが代わりに『おじちゃん』と呼ばれそうになりもうどうでもなれと『兄さん』で妥協することになった。
銀時は魚のような目がしているため多少老けているように見えるかもしれないが、銀時はまだ20代である。
さすがに『おじちゃん』は拒否したかったのであった。
「あははは。次はボクがかな。ボクは
「(九兵衛みたいな奴もいるんだな……)あぁ、わかった」
真は女の子という部分を強調をして紹介した。
今までの経験柄、真は男の子と間違われたことがあるのかもしれない。
そのためボーイッシュな少女である彼女だが人一倍女性らしく見てもらいたいのであろう。
銀時は元の世界に九兵衛という真と同じような少女がいるため扱いは大丈夫だろう。
むしろ九兵衛と違い触っても問題なさそうなので、安全といえる。
「わ、私は
次にしたのは真が「ほらっ」と肘で小突き紹介を促されたボブヘアーの大人しそうな少女であった。
さらに言うと少し気弱そうで銀時に紹介する時もびくびくしている。
「私は
腕を組んでいたのをほどいて話しかけてきたのは先ほどの青味のかかった長い黒髪と、華奢な体が特徴的な少 女。
見た目からも生真面目そうな性格をしていそうで銀時からしたら少々反りが合わないかもしれない、そんな少女であった。
「次は自分が行くぞ。私は
千早の次に出てきたのは長い黒髪をポニーテールにしていてアホ毛が2本生えた八重歯が特徴的な女の子の響である。
さらに響は手を前に差し出してきて、なぜかそこにはハムスターが乗っていた。
どうやらハム蔵と言うらしく、響の
ハム蔵も響の手の上で敬礼していた。
どうやらそれがハム蔵の挨拶らしい。
「バナナにハム太郎か。変わった名前だがよろしくな」
「バナナじゃなくて我那覇! それにとっとこなハムスターじゃなくてハム蔵だぞ!」
銀時の遠慮のないボケに思わず響は突っ込む。
無論銀時が悪いのは言わずもながらである。
「ここってペットの持ち込み可なのか? じゃあ
「定春君って犬かなんかなんですか?」
銀時の呟きにまず反応したのは春香だ。
銀時の性格でペットを飼っていたのが驚きだったのか、それで質問したのだろう。
「あぁ、犬だぞ。俺の頭を丸々噛むようなでけぇ犬だよ」
「それは会ってみたいぞー!」
たぶん響は定春の大きさをわかっていない。
定春はとてつもなく大きな犬だが、ここにはあんなにデカい犬はいないので仕方ないとも言える。
少々皮肉ぽく銀時は言ったのだが響は想像を膨らましていた。
よほど動物が好きらしく目をキラキラさせている。
「次は
響が妄想に浸る中、銀時に話しかけてきたのは銀髪の少女だった。
古風な話し方で、服装を除けばどこかの姫みたいな雰囲気である。
「私は
先ほどから銀時が返事する間もなく矢継ぎ早に紹介をしているが、それはまだまだ終わりそうにない。
次に出てきたのは明朗快活なツインテール少女である。
『うっうー』とは口癖だろうか。
そんなことを思いながら銀時は聞いていた。
「私は
というか――
「神楽……?」
「神楽って誰よ。私は『水瀬 伊織』って言ったでしょ!」
「神楽っていうのは俺の世界にいた従業員の1人だな。いや声が似ていたもんでな。たぶん声優が一緒なんだろ」
「もう普通にメタ発言してますね……」
銀時のボケにはアイマスのメンバーも突っ込みに回ざるえないようだ。
「それより元の世界ってどういうことよ。あんた本当に何者なの?」
しかしそんなことよりも伊織は銀時の正体が気になるようだ。
確かに今時こんな格好していて、木刀なんかぶら下げているなど不自然極まりないものである。
「あぁ、俺の紹介がまだだったな。俺は坂田銀時。まぁ、銀時でも銀ちゃんでも好きに呼んでくれや」
「名前なんていいから早くあんたが何者か教えなさいよ!」
「たく、せっかちなやつだな……」
銀時は名前をまず紹介したのだが伊織はそれが気に食わないようで、いち早く正体を知りたいみたいだ。
「まあ、結論言うと俺はこの世界の住人じゃねぇな。お前らから言うと平行世界の人間ってところか」
ついに銀時は正体を明かした。
隠すつもりなどなかったが言った後の反応は気になるもので、その死んだ魚のような目を見開き反応を伺おうとする。
しかしその視線の先には何やら円陣を組んでひそひそと話し合っているアイドルたちがいた。
「ねぇ、あの人のことどう思う?」
「えっ、どう思うって……」
「決まってるじゃない。あの天パのことよ。どう考えても髪と平行して頭もおかしくなったんじゃないの」
「いおりん、いおりん。亜美が思うにああいうのは電波っていうらしいよ」
銀時のことを信じていないアイドルたちは疑っているようであった。
銀時はこの光景に額に怒りマークを浮かべている。
近くにいて銀時の正体を知っている春香と小鳥は少し苦笑いしていた。
「おい、こら餓鬼ども。誰が電波だ。あとこれは天パじゃねぇ。散髪でちょっとお茶目に失敗しただけだコノヤロー」
「いやどう考えてもそうはならないと思うぞ……」
銀時の軽いボケに少し呆れながらもアイドルたちは真面目な姿勢で聞くことにしたようで、1人1人銀時の方に再び体を向けていた。
そこからは春香と小鳥の時と同じように説明をした。
同じことを説明するのはめんどくさかった銀時だが、途中からは春香が引き継いでくれたので銀時は楽ができた。
大人なのにダメな人間であるのは間違いないであろう。
ここのアイドルたちもうっすらだが銀時(こいつ)がどんな人間かわかってきているようであった。
「ふーん、どうやらその話は本当のようね」
「で、行く当てがないからここで働くと……そういうことですか」
「まぁ、そういうことだな」
現在説明は終わり状況を整理している。
春香や小鳥以外の皆もどうやら信じてくれたようだった。
「じゃあこれから銀時さんは私たちの新しいプロデューサーになるんですね、うっうー!」
やよいはそのことにとても喜んでいるようだ。
「ではこれからよろしくお願いしますね」
「ミキもよろしくなの!」
他のアイドルたちも基本的には受け入れてくれているようで、一部素直ではない子を除いて随分と好意的である。
これも765プロの気風なのだろう。
「ああ、よろしく頼むな」
これから働く者としては軽い挨拶だが、向こうも同じ感じなので問題ないだろう。
むしろこれからの関係上堅くなるよりは良いかもしれない。
もしかしたら社風だけで言えば銀時はここの会社は向いているかもしれない。
もちろん基本は働かなかったり、さぼったりするので論外なのだが。
「そういえばあずささんたちはまだ帰ってきてませんね」
「なんだまだいるのかよ……」
「あずささんとプロデューサー仲間の律子さんがまだ帰ってきていませんね」
「確か2人は別の仕事をしているはずですけど、もうすぐ帰ってくると思いますよ」
春香はふっとまだ帰ってきていない2人を思い出す。
銀時はまだいるのかと少し辟易している。
プロデューサーはちゃんとプロデューサーの仕事をしているで2人の予定を把握している。
彼曰くもうすぐ帰ってくるとのことなので、銀時もまた少し待つことにした。
「つか毎度ながらタイミングよく帰ってくるもんだな……」
それだけ長く話し込んでいたのだろう。
アイドルたちの中でも年少グループは少々疲れたためか台所にあるテーブルに座り休憩していた。
「おい、神楽俺にも茶を入れてくれ」
「はい、ただいま……って何やらせるのよ! 自分で入れないさいよ。あと私は神楽じゃないって言ったでしょ!」
「いやお前今『神楽』で認識したじゃねぇか……」
「そ、それはノリでやってあげただけでしょ!」
なぜか『神楽』という言葉で反応しています伊織。
その後も銀時にツッコミを入れるなど(銀時は知らないが)良いとこのお嬢さんなのに早速銀時の影響を受けているのであった。
「お茶は私が入れてきますね」
2人の漫才の最中、気がきく事務員である小鳥が入れにいってくれた。
『ただいま~』
そんな折残りの人物であろう2人の声が聞こえた。
『お帰りなさい』
「お帰りぃ~」
765プロの皆は帰ってきた2人に元気よく挨拶をする。
銀時は帰ってきた方向に顔も向けず不貞寝しながら挨拶をしていた。
「あら、私たちが最後だったのね」
「少々仕事が長引きましたからね~」
おっとりしていそうで青味のかかった黒いロングヘアの女性――三浦 あずさは事務所ないの様子を見てつぶやく。
それに対し眼鏡をかけている女性――秋月 律子は帰ってくるのが遅れた理由を話した。
仕事が長引くことなど、アイドルをしていれば日常茶飯事なので誰も気にしない。
「!!」
銀時はトイレに行こうと立ち上がり、先ほど帰ってきた2人をふっと見る。
そこで彼に電撃が走った。
銀時はすくっとたち唐突にあずさの前に立つ。
そして言った――
「お、俺と一発やりませんか?」
「はい?」
『なんの誘いだぁぁぁ!!』
「うぼぉぉぉっ!!」
――銀時の下ネタ発言炸裂であった。
もちろん銀時には制裁という名の『蹴り』でそれ相応の対処をする。
蹴ったのは真や伊織、響などである。
あずさは銀時の言ったことに意味がわかっていないようで、頭には?マークを浮かべている。
同じくこういうことに関してはまだわからない年齢なのかやよいと双海の双子も頭に?マークを浮かべているようであった。
ずっとその無垢のままにいてくれ。
だがこういうことを知っていたのであろう律子に関しては銀時の発言に唖然としてしまい、女の子なのにはしたなく口まで大きく開けてしまっている。
……もうすでにアイマスのメンバーがキャラ崩壊しているとか決して思ってはいけない。
「な、なんで会った直後にナンパしてるのよ!?」
「しかも最悪な誘い方…」
蹴った本人である伊織は顔をりんごのように真っ赤にしていた。
他の女の子たちもあずさ、やよいと双海姉妹以外の女の子も似たり寄ったりである。
女の子だけでなく、プロデューサーまでも顔を赤くしているが。
初心な男である。
「いてて……何すんだよ、全く。つかなんかこの誘い方デジャブを感じるんだがなんでだ?」
「前にも同じことしたからだと思うんですけど……」
「いやこの誘い方前にもしてたら本格的に学習能力のない人なんですけど」
しかし銀時は結野アナにこういう誘い方(実際には定春の相手に対して)をしている。
全く持って学ばない人であった。
「……この不潔な男はいったい誰ですか?」
銀時が馬鹿なことをして気絶をしていた律子だが要約正気に戻ったようだ。
先ほどの醜態はなかったことにしたいようで、早速とばかりに銀時のことを聞いてきた。
「ああ、何か社長が連れてきた新しいプロデューサーみたいですよ」
「プロデューサーってこの人が……?」
律子の近くにいたプロデューサーが答えた中、彼女はただただ驚く。
いきなり下ネタ発言し、時代に似合わない格好。
他の皆も思ったことだが、やはり律子も信じられないようだった。
「えぇ。他にもこういうことがあって――――」
プロデューサーは来たばかりの律子に今しがたまで話していたことを再び話し始めた。
「これから一段と楽しくなりそうだね」
「そうかしら。私は騒がしくなるだけだと思うのだけれど……」
台所にある机の方に移動した春香に千早。
近くにはお茶を入れている雪歩に、冷蔵庫の中を漁る双海双子もいる。
「わ、私は嬉しいですけど、不安です……」
「ゆきぴょんは男性が苦手だったもんねー」
「私たちは単純に楽しみだけどなー」
春香と双海双子は期待、千早と雪歩は不安というようにそれぞれの性格から三者三様であるが概ね興味はわいているようである。
「……でもこれから変わっていきそうね」
千早の視線の先には説明を聞き終わった律子に怒られている銀時がいる。
普段影のある表情がある千早だが、顔がほころび思わずそう呟いてしまった。
それは自分の心が変容することを願ったのかもしれないそんな呟き。
千早自身そうとは気づかなかったが、春香の目にはしっかりと見えていた。
ようやく完成しました
遅くなってすみません
決してPXZにはまっていたわけでは(斬
冗談は抜きにしてもこれからも更新ペースはこんなもんだと思ってくれれば
理由は…このサイトの感想数ランキング見てくれたらわかると思いますw
本当元々は読専なんだよなぁ…
もちろんできるだけ早いこと更新しますが
さてそして質問なんですが…
アニメ版のプロデューサーは名前つけた方がいいですかね?
アニメでとくに名前が出てなくこっちでもそれならつけないでいいかなーと自分は思ったのですが
では次回もよろしくお願いします
P.S
『まんたま』が色々と酷かったwww