スーパーロボット大戦K ~夜霧とミスト~ (旧題:俺をさんづけで呼ばないで )   作:トカGE

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前回の三つの出来事!

1)ミストさん、地球人に失望しかけるもシン達に救われる。
2)夜霧さん、腹が減る。
3)ミストさん、ザフトに協力を申し出る。そして地球へ。


かつての平和の国のミストさん

 どうも、夜霧翔也です。オーブも飯がうまいって聞きました。食いたい。日系の人が多いと聞きました。食いたい。寿司とかあるそうです。食いたい。ラーメンもあるって聞きました。食いたい。いやだって、ミストさんら出かけるたびにうまそうなもんをね!?

 ん? なんで今更そう騒ぐんだって? いやね、アトリームにもありましたよ。地球に勝るとも劣らない種類の料理の数々は。ただ、俺はアトリームに居た頃から体がなかったから『その味をそもそも知らない』んだよ。こんな感じかなーってイメージは出来るけど、それだけだ。だから、『食ってみたい』とは思っても『食いたい』とはならなかった。ベザードも同様。

 だが、地球圏なら話は別だ! 解っちまうんだよ大まかな味が! そりゃ実際食ってみたいってなるじゃない!? くそう! 味覚、味覚を俺に!

 

 

 ……もっと『欠片』取り込んだら味覚リンクできるかな?

 

 

 

 

 

 

「お気をつけて、ミストさん」

 

 二日後、ミストさんがオーブへ旅立つ日が来た。今日から別任務があるルナマリアとレイには昨日の内に別れを告げ、今日見送りに来ているのはシンだけだ。ちなみにレヴリアスは少し前に地上に降りるザフトの軍艦に乗せて先に地球に降ろされ、既にダンナーベースに向かっているはずだ。

 

「ありがとう、シン君。君に頼まれたものは、ちゃんと届けるよ」

「すみません、こんなこと頼んじゃって」

 

 シンの頼みとは、オーブにある妹の墓に花を供えてやって欲しいと言うことだった。

 

「俺、こっちに上がってから、忙しくて一度もオーブに行ってなくて……いや、言い訳ですね。俺、オーブに行きたくなかったんです。家族が居なくなった事をもう一度突きつけられるような気がして」

「シン君……」

「でも、今やってるインパルス関連の仕事が片付いたら、一度オーブに戻ってみようと思います。家族の事、自分の中で区切りをつけないとって、同じように大切な人、そして生まれた星を失っても前に進んでるミストさんを見てて思ったんです。ありがとうございました」

 

 そう言って頭を下げるシンに対して、ミストさんは慌てて否定した。

 

「頭を上げてくれ、シン君! 俺はそんな出来た人間なんかじゃない。親しかった人達が生きてる可能性があるから何とか踏ん張って居られるだけなんだよ。それに、俺に前を向くことを教えてくれたのは君なんだ。だから、俺の方こそお礼を言わないと」

 

 そう言って頭を下げ返すミストさん。そのうちどちらともなく笑いだしていた。本当に兄弟みたいになってるな、この二人。特にシンはKだと兄って面を押し出してた記憶があるから、こういう弟的な反応は新鮮かもしれない。

 

「何度も言ったけど、ミストさんの大事な人は見つかりますって!」

「ありがとう、シン君。お互い、がんばろうな」

 

 そうしてシャトルの発車時間が訪れ、二人は別れた。スパロボKの原作に沿うなら、彼との再会はユニウスセブンが落ちた後。しかも仲間になるのが種運命の最終決戦後なんだよなあ。できれば、シンとは戦いたくないんだがな。ミストさんが仲良くなったこともあるし。まあ、議長の考えが変わってデスティニープランの強行が無くなる可能性もあるんだ。考え過ぎても仕方ないか。

 

 

 

 

 

 

「オーブのセメタリーパークについたぞ」

《ああ、意外と早かったな》

 

 オーブに着いた俺たちは、ダンナーベースに行くまで4日あることもあり、シンからの頼まれごとを果たすためにオーブの霊園に来ていた。比較的新しい墓石の多さが、オーブ侵攻の際の被害の大きさを物語っていた。

 

「同じ星の人々の争いで生まれた犠牲……やっぱり俺にはなんで戦争するのか理解できないよ」

《無理に理解するもんでもないさ。戦争なんて、それ自体が間違ってるようなもんだ》

 

 戦争が無い時代に生まれた俺が言えることなんて、そんな月並みの事だけだ。

 

《まあ、今はシンの家族の墓に華を備えにいこう》

「そうだな」

 

 そうして霊園でアスカ家の墓を探している時だった。

 

「見つからないな。翻訳機で文字は読めるけど、並び順とかが良くわからない……」

《誰かに聞いてみたらどうだ?》

「あ、丁度人が居たぞ。すいません、ちょっといいですか?」

 

 そう言ってミストさんが声をかけた相手に、俺は驚いた。

 

「あ、どうしましたか?」

 

 き、キラ・ヤマトさんじゃないですか! いや、時期的にはオーブで隠居中だから居てもおかしくは無いんだけど。ミストさんの視線にぎりぎり入ってる墓石の名前を見るに、フレイの墓参りか……

 

「プラントの知りあいに頼まれて花を供えに来たんですけど、お墓がどこにあるか解らなくて……」

「ああ、なるほど。ここは広いですからね。一緒に探しますよ」

 

 なんか順調に種キャラと仲良くなっていくな、ミストさん。原作だとあんまかかわったイメージが無かったんだけどなあ。ああ、でもKだと自軍はAAと一緒なんだっけか。侵略者来てるのに身内で争ってる場合じゃねえだろって。KガリさまとかKラさんとかネタあったような気がする。

 でも、プラント組とも仲いいんだよなあこのミストさん。先がちょいと不安だ。

 

 

「ありがとう、おかげで助かりました」

「いえいえ。それと、僕の方が年下ですしそんなにかしこまらないでいいですよ」

「そうかい?」

「ええ。其方の方が僕も気楽ですし」

「解った。これでいい『ぐぅぅぅぅ』……っと、恥ずかしいな」

 

 鳴り響くミストさんの腹の音。そういや、オーブについてから今後の予定聞いて、すぐ霊園に来たから飯まだなんだよな。

 

「あ、もうこんな時間か。そうだ、せっかくだしお昼一緒にどうですか? 僕が暮らしているところ、ここから近いんですよ」

「え、いいのかい? そりゃありがたいけど」

「これも何かの縁ですよ。遠慮せずに」

「それじゃあ、お邪魔しちゃおうかな」

 

 これは歌姫さんとか砂漠の虎さんとか艦長さんとか神父とか、下手するとKガリさんとかトゥー!ヘァー!さんもくるんかな。最後がおかしい? 気のせい。

 まあここで親しくなっておけば、AA組との合流もしやすくなるかな。……もしミストさんがシン達と先合流してたら、ややこしいことになる気もするけれど。

 

「そう言えば、まだ名前を聞いていなかったな。俺はミスト、ミスト・レックス。君は?」

「僕はキラ。キラ・ヤマトです」

 

 うん、知ってた。と言うか隠居してるのに本名出していいのか?

 

「それじゃあ行きましょう」

《キラ・ヤマトねえ……》

「あれ、しょーや。知ってるのか?」

《忘れてるんかい。……まあ、気にするな》

 

 データベース調べてた時に名前あったんだがなあ。まあ、戦争のインパクトが強すぎて、個人名気にするほど余裕は無かったってことかねえ。まあ、覚えてたら覚えてたでまたもめそうな気がする。おもにミストさんの正論炸裂で。

 そんな訳で、俺たちはキラが隠居している孤児院へと向かったのである。




 種キャラとの交流で何が変わるか、それは夜霧さんには解らない。作者にも解らない。
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